![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93692460/rectangle_large_type_2_c30422ba75edfbad9916e618e6b18a2c.jpeg?width=800)
【映画感想】「THE FIRST SLAM DUNK」をバスケ経験者視点で
観てきました。
圧倒的なリアリティで描かれた山王戦でした。
本当に目の前でバスケしてる!!
って感じを強くもちました。
バスケ経験者だからこそ、感じられた
すげーと思ったところをご紹介していきます。
今回は「パス」と「ドリブル」の側面から。
リアルなパス
パスが映像になったことで、
・どんなボール捌きでパスを出したか
・どれくらいの速さか
・どんな軌道で通ったか
・キャッチはどんな感じか
が、リアルに感じることができます。
漫画ではどうしても表現が難しいものです。
映像でしかできません。
とくにすごかったのはこのシーン。
![](https://assets.st-note.com/img/1671497046464-kGUTGs7W7C.png?width=800)
リョータが綾子さんに「NO1.ガード」と書かれた手のひらを見て奮起するところです。ボール運びに苦戦していたところを打開する場面でもあります。
これはビハインドパスと言って、自分の背中の後ろを通すパスで、
めちゃくちゃ難しい技術です。
やってみればわかりますが、全然まっすぐ投げられない。
リョータもこの時、少しパスコースがずれて流川に渡ってます。
普通だと胸の前にパスを出すのがセオリーなんですが、
左に逸れているので、流川も少し受けにくそうです。
さらにパスを出す直前、山王の6番がリョータの右手目指してボールを取りに来ている動作を見せています。
リョータはこれを察知して、逆方向の流川にパスを選択する。
その一瞬のやりとりを、文字通り一瞬で見せている。
ボールの速さ、ギューン!って移動するボールの感じが
とくにうまく表現されていました。
命のドリブルの音
ドリブルを表現する上で「音」は欠かせない要素です。
こちらの予告編をご覧いただくと、
冒頭の7秒までは真っ暗な映像で
ドリブルの「音」だけが響きます。
この音だけで、「誰かがドリブルをついている」というのがわかります。
バスケットボールは、思ったより大きな音をたてます。
原作でも、花道のシュート合宿を終えた後のシーンで
「この音って主がいねーとすごく響くんだな」みたいなセリフがあったと思いますが、
映画では、この「音」をフルに使って表現がされています。
後で触れますが、
あるクライマックスのシーンでは、「音」が完全に消えてしまうというドラスティックな演出もされます。
宮城リョータの生きる道であるドリブルの「音」が要所で響いて、聞いている人の胸に刺さります。
![](https://assets.st-note.com/img/1671498853768-jNvnBYA21V.png?width=800)
山王の伝家の宝刀、ゾーンプレスという作戦に嵌って、
リョータがボールを運びに苦戦しているシーン。
全国クラスのディフェンダー二人を前に、打開するところですが、
ここもかなり鮮やかに精密に表現されていました。
このあと、この屈強なディフェンダー2人の間を
超低位置の達人的なドリブルによって抜き去ります。
漫画ではもちろん絵での表現なので、
抜き去る瞬間の画像しか描かれないですが、
映像では、体をすり抜ける感じ、リョータの目線、
ドリブルの細かさ、その「音」がリアルに感じられるのです。
今回映画化にあたって新しく追加されたシーンは、
「宮城リョータの過去」の話です。(未来も少しある!)
ネタバレにならないように注意しつつですが、
過去が明らかになることで、
宮城リョータがなぜバスケをするのか、という核心部分にまで触れます。
その回想シーンでは、少年の頃のリョータは
やたらとドリブルします。
ひとり練習でもずっとドリブルしてるし
試合中であっても、監督に怒られるレベルでドリブルしまくります。
ポイントそれぞれでドリブルの音が刻まれてくるので、
観ているうちに、
宮城リョータとしての生きる意味とか、
生命力とかと重なってきて、
まるで彼の「鼓動」にも聞こえてくる。
音に命が通ってくる。
リョータのドリブルを咎める人は一人もいません。
リアルな視点でいうと、ドリブルのしすぎはボールが不安定になるし、
パスの選択肢が消えるし、ディフェンスが対応しやすいし、
デメリットも多くあるため、ドリブルは最小限にすべきです。
もし試合中にリョータのようにドリブルしていたら、チームメイトや監督からは止められてもおかしくないはず。
でも誰も止めない。
それはリョータにとって「ドリブル」は
生きる道そのものだから。
三井ともゴリとも、過去にはバスケについて喧嘩していましたが、
ドリブルについては、絶対に触れていません。
それが生きる道であることを、
仲間はわかっていたのではないでしょうか。
まとめ
バスケ経験者の視点で
「パス」と「ドリブル」の表現についてご紹介しましたが
見所はまだまだあります。
原作読んだけど覚えてないって人でも大丈夫です。
原作ストーリーを知らないとダメってわけでもないです。
圧倒的な映像表現で味わうバスケの試合を見に行くつもりで
映画館に行ってみてはいかがでしょうか?
ここまでお読み頂きありがとうございました。 こちらで頂いたお気持ちは、もっと広く深く楽しく、モノ学びができるように、本の購入などに役立たせて頂いております。 あなたへ素敵なご縁が巡るよう願います。