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【映画感想】「JOKER」弔いの物語
ラストシーンは、世界のJOKERに向けた弔い。
アマプラで配信されていたので、
3度目くらいになりますが、あらためて視聴しました。
何度観ても、新しい発見があります。
今回は、ラストシーンについて。
このシーンがあったことで、
物語全体が、JOKERに向けた弔いだったのではないか、
と思えてくるのです。
とくに印象的なのはこの最後の最後のシーン。
![](https://assets.st-note.com/img/1671779678004-JF6JRBTPaQ.png?width=800)
真正面から眩しいほどの光が差し込まれ、
床まで反射して明るい上に壁も天井も真っ白。
しかも構図は左右対称なので、
どこか非日常性も感じさせられる。
ここ、天国じゃないかと思うんです。
この最後の最後のシーンがこれで、
一番最初のタイトルシーンは覚えていらっしゃますか?
![](https://assets.st-note.com/img/1671760337814-kAadaBnsMl.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1671779924686-h6MfyHn6C6.png?width=800)
悪ガキどもに袋叩きにされて、
勤め先の看板まで壊されてしまって、
倒れているシーンです。
ここから物語は幕をあけます。
これが、さきほどの天国っぽい舞台と
対になっており、地獄のように見えてくるカットです。
最初に地獄で最後は天国。
物語を通して観て見ると、
ジョーカーは最終的にヒーローになったし、
成仏できるストーリーとしても見ることができる。
救われたのはジョーカーだけじゃなくて、
最後のジョーカーデモに参加した人たちや、
ジョーカーと同じような孤独を抱える人たち、
映画を観てる人にとってみても、
弔いとして受け取れるのではないでしょうか?
もちろん私もその一人で、
自分の中のジョーカーっぽいところは
自分だけがもってるんじゃないんだ、
みたいな感じを持てて、少し成仏した気分になれました。
オープニングとエンディングで
対になっているという事実も含め、
この映画では、
妄想と現実の区切りが曖昧になってきます。
極端な話、
映画全編がジョーカーの語っているだけの作り話かもしれません。
逆に、全てが現実に起こったことなのかもしれません。
最後のシーンで印象に残っているこのセリフ
![](https://assets.st-note.com/img/1671781103527-KAEKvQaYUP.png?width=800)
あの不気味な笑い声を上げたあと、
精神科医に、「何がおかしいの?」
と問われこの答え。
「ジョークを・・・思いついて」
「どんな?」
![](https://assets.st-note.com/img/1671781204989-j60e1K9G1y.png?width=800)
もしこの「ジョーク」がこの映画そのものだとしたら、
私たちには悲劇に見えても、
ジョーカーにとっては、喜劇だった、という意味にも取れます。
ジョークなような人生だろ?みたいな感じで。
それか、「ジョーク」は
これから行う悪事のことで、時系列ではこの後に起きる
「ダークナイト」の夜に行う計画のことかもしれません。
解釈の余地は広く残されている、
そう思わせる仕掛けが多くされた映画です。
見る人によっては、
とても悲しい物語かもしれませんが、
見る人によっては、コメディになる。
人生笑っちゃえば?
みたいなメッセージもうっすら聞こえてくるような気がします。
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