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物語る映画ポスター

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これは!と思った映画ポスターを集めました。 たった1枚で表される物語の想起性を重視しております。 海外のクリエイター様に感謝。
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2023年3月の記事一覧

【物語る映画ポスター23】バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

主人公のリーガンは、 落ち目のハリウッド俳優。 20年もの間、ヒット作に恵まれず 過去の人になりつつあった。 再起を図るため、 自らプロデュースする ブロードウェイの舞台で 主役を演じることに。 冒頭、楽屋で宙に浮く主人公。 SF映画?空想? 本作は、現実と妄想の境があいまいです。 パンツ一丁という出で立ちも あとあと効いてくる伏線の一部。 絵面のインパクトは大きい。 過去に演じた、人気者の 「バードマン」が頭の中で 話しかけてくる。 かつての栄光の象徴が 今の自

【物語る映画ポスター22】インターステラー

クリストファー・ノーラン監督による 本格SF映画です。 原題は「Interstellar」で 星と星との間という意味。 地球から宇宙へ旅立ち、 時間、空間をまたがって 展開される人間ドラマ。 それぞれの思惑が交差する。 気候変動などによって 闇に覆われるようになった地球では 人間が住めなくなってきていることが わかった。 愛する家族を残して 主人公ジョセフ・クーパーは 新たな定住地を目指して 人類の存亡をかけて 地球を飛び発つ。 宇宙に出てからも、 船員や司令部と

【物語る映画ポスター21】WALL・E ウォーリー

ロボットとロボットが 宇宙を挟んで、恋愛するお話です。 性別も種族も母国も、 全て超えて、恋愛が描かれます。 このポスターを見ると、 ほとんどラブコメのデザインです。 地球でただ一体、 ゴミを収集しつづける彼(?)の 恋心の源泉は、 誰かと「手を繋ぎたい」という一心でした。 このロボットで 感情を表現する技術、すごいです。 ↑なんでこう、 寂しそうに見えてくるんだろう。 運命を変えたのは、 一つの「芽」でした。 地球でたったひとつの 「光合成体」。 そんな緑を追

【物語る映画ポスター20】スタンド・バイ・ミー

オレゴン州の田舎町キャッスルロックに住む 4人の12歳の男の子。 町から30キロも離れた山奥に あるものが隠されていると兄から盗み聞きをした 肥満児のバーン。 親には黙って、 そのあるものを見にいくため、 4人は旅に出る。 最初の橋を渡る。 30キロと言われた距離が、 もしかしたら50キロもありうる。 30キロ〜50キロがどれくらいか 調べてみると、 梅田駅から見ると 30キロ先に神戸駅、 50キロ先に明石駅くらい。 新宿駅からだと、 30キロ先に日野駅、横浜 5

【物語る映画ポスター19】エクス・マキナ

2016年のアカデミー視覚効果賞を 受賞した本作。 高度な人工知能を搭載された 美しい女性型ロボットのお話。 主人公は彼女が待つ密室へ、 人工知能ロボットとしての完成度を テストするために派遣された。 本作のポスターは、 彼女の「後頭部」を象徴的に 描いているものが多い。 この美しい女性型ロボットの思考は いったいどんな構造なのか。 本作の主題の一つであります。 頭の中はお花畑? とんでもない。 高精度に設計された思考システムは 危険であるが、 美しいとも言えるほどの 緻

【物語る映画ポスター18】ナイスガイズ!

冴えない私立探偵(ライアン・ゴズリング)のもとに 死んだはずの女を探して欲しいという 不思議な人探しの依頼が入る。 すったもんだしながら問題を解決していく というアクション・コメディ映画です。 見所は、なんといっても ライアン・ゴズリングの 絶妙な馬鹿さ加減。 真剣だけど抜けている感じが最高で 何度も爆笑を誘われます。 なんで吸いかけのタバコに 火をつけているのでしょうか? バカっぽさが散見されます。 ひょんなことから ラッセル・クロウ演じる 暴力的な示談屋と コンビを組

【物語る映画ポスター17】クエンティン・タランティーノ監督

大好きな監督です。 今回は、映画のポスターではなく 監督自身がポスターになっている作品を 集めてみました。 記事でご紹介するために 素敵な映画ポスターを探していると ちょくちょく紛れ込んでくるんです。 監督がメインのポスターが こんなに沢山描かれているとは 驚きです。 彼の熱狂的なファンは ものすごく多いです。 タランティーノ警察なる方々も いらっしゃるようで ネットで下手な議論をすれば 間違いを正しにくることもあるのだとか。 彼にとっての武器は、カメラ。 独創性と創意

【物語る映画ポスター16】インセプション

他人の夢の中へ入ってアイデアを盗む。 本作は現実と夢の世界を行き来するSF映画です。 夢の中の夢、さらに奥まで進む。 ↑のポスターのように、 やや複雑な人物配置もありますが あらゆる仕掛けのおかげで わかりやすく楽しめます。 他人の夢の中はまさに迷路。 本作では「迷路」そのものが 重要な役割を持ちます。 ポスターにも「迷路」が描かれているものが 非常に多いです。 夢と現実という異次元をまたがっての 立場の違いをうまく表しています。 やはり迷路もある。 主人公が肌身離さず