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たくまるの掘り下げた映画

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過去にご紹介した掘り下げ話をまとめております。 今日のネトフリ映画が見つかるかもしれません。 あと、注意はしてますが、ネタバレも多く含みます。こ注意を。 リクエストはいつでもコメ… もっと読む
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2023年1月の記事一覧

映画「ゴッドファーザー」の本当の美しさをお伝えしたいんです。

ゴッドファーザー(Godfather)とは カトリックにおいて 洗礼式に立ち会う代父母のことだそうです。 同時に「名付け親」のことでもある。 マフィア映画といば本作を思い浮かべる方も 多いのではないでしょうか? 今回、リクエストを頂きまして、 U-NEXTにて見直してきました。 ・・・自分がこれまで 1回しか見てなかったことを悔やんでしまいました。 圧倒的に美しい。 映像が、というのもありますが、 物語の論理構造と それを伝える画面の使い方が 素晴らしいんです。

映画「透明人間」が描き出した、見えない存在の恐怖

2020年、さんざん擦られ続けてきた 「透明人間」の設定で、作られた本作。 U-NEXTで2回、見て来ました。 どんな映画かというと、 天才科学者のDV夫と 離婚して自由になりたい妻の 異常な「夫婦喧嘩」の話です。 なんてことのないストーリーですが、 本作は見所満載です。 この記事では、 ・ないものをあるように見せる空間を使った演出術 ・全てを失った女性が使う切り札のグロさ ・現代社会に通じる「見えないもの」の恐怖 の3点に絞って ネタバレ無しでご紹介してきます。

映画「E.T.」からコミュニケーションの原型をさぐる

宇宙人と出逢ったら、どうやって会話する? 1982年に公開されたこの映画、 当時はとくに圧倒的な人気を誇っていたそう。 アメリカでは公開当時、チケット購入に3時間、 映画館に入るのに3時間の待ち時間だったとか。 今でもSFの名作といえば必ず名前が上がってくるし、 大好きな映画である人も多いんではないでしょうか。 今回U-NEXTで2回、鑑賞しましたが やっぱりすごい。 2回とも、ラストシーンでは号泣となりました。 どうしてこれほどまで 感動を呼び起こせるのか?

映画「ユージュアル・サスペクツ」のラストで起こる物語構造の逆転について

アカデミー脚本賞受賞は伊達じゃない。 今回は、 嫁田 実さんよりコメントにてリクエスト頂きました、 「最後のオチ、ウソー!!系」の映画をご紹介したいと思います。 コメントに添えられているように、 「ミスト」はそのウソー系の最上級だと思います。 あんなに絶望的になったラストは ミスト以外に見たことがありません。 私がウソー系の映画でまず 頭に浮んだのが本作でした。 ネタバレ全開でいきますので、ご注意ください。 一度目は、ぜったいネタバレなしで見た方がいい映画です。

映画「グリーンマイル」優しい大男が突きつけた善意の危うさ

トムハンクスは本作のインタビューでこう仰っています。 本作は、主人公以外の役が 重要な意味をたくさん備えられた映画です。 囚人への敬意が溢れる副主任のブルータス、 死刑が見たくて看守になった嫌われ者のパーシー、 人間達の優しさと悪意を両方受け取ったネズミのミスタージングルス、 底知れない悪で凶悪犯罪を犯した、囚人ウィリアム。 どの役を掘り下げても 重厚なテーマが浮かんできそうなほど、存在感がある。 それぞれが複雑に絡み合って より大きなテーマが浮き彫りになってくる、

【映画紹介】HUSTLERSは資本主義にゴリっと飛び込んだ女たちの末路

「これからは、奴らウォール街の連中のやり方でいく。」 金融危機の煽りをモロに喰らい、 生活難を強いられるストリッパーたち。 「誰にも頼らずに、生きていきたい」 「お金ってムラムラくる」 主人公のデスティニーと 相棒のラモーナはここで一線を超えます。 高い知性と工夫によって稼いできたラモーナは、 仲間にこう言い聞かせます。 「ウォール街の奴ら、刑務所にいってない。 盗んだ金なんだよ。それでしゃぶらせてる。 ルールを守る人間が勝てないようになってる。」 ラモーナ達は

映画「KAPPEI カッペイ」で笑いの構造を垣間見た話

【あらすじ】 1999年に世界が滅亡するというノストラダムスの大予言を信じて、幼い頃から救世主になるべく殺人拳の修行に明け暮れてきた1人の男。しかし、2022年になり世界が滅亡していないことを受け、彼は師範から解散を告げられる。目的を失う男だったが、やがて流れ着いた都会で、人生初めての恋を経験する。 主演の伊藤英明の顔面がシブくて最高 まず見て頂きたいのが、この顔面です。 「終末の戦士」カッペイ。 眉間にシワを寄せて、鋭い眼孔。 常に何かに「真剣」なんです。 冒頭か