takumanのなんでも感想文part14

こんにちは。takumanです。

日常的にいくつもの作品を消化していると、他に観たいアニメやおすすめされたラノベに割く時間がなかなか取れず大変ですよね。アニメはその日に観たい作品が多くても4~5程度なので、夜なら時間が取れるのですが、特にラノベとなると、ある程度の時間を確保しないと一気に読むのは難しいので、今の私のとってはいかに時間を節約・確保できるかが課題となっています。おすすめの時短生活術があれば是非教えてもらえると嬉しいです。

さて、今回紹介する作品は「陰の実力者になりたくて!」です。
この作品は、現在アニメが放送中でスマホゲームも人気を博している話題作です。私はなろう版で読んでいるのですが、書籍版とはストーリーが途中で分岐していて、全く違う話になっているそうなので、いつか書籍版も読んでみたいと思っています。実際にどこが話題になっているのか、詳しく紹介していこうと思います。


「陰の実力者になりたくて!」とは

この作品は、2018年1月に小説家になろうで連載開始し、11月に単行本が刊行、2022年9月に200万部を超え、同年10月にアニメ化を果たしました。異様ともいえるスピード感で瞬く間に人気を博し、現在小説が第5巻、コミカライズは第10巻まで刊行されています。私が思うこの作品の人気の秘訣は主に2つあって、「シリアスな展開なのに、主人公の意思を部下に勘違いされることで、コミカルな仕上がりになっている所」と「主人公が、自分が思う実力者になるためにとことん厨二感を演出していて、見ていて惚れ惚れするくらい役に徹している所」だと思っています。
あらすじを簡潔にまとめると、「陰の実力者」に憧れた少年が人間としての限界に至り、さらなる高みを求めて死した結果、異世界に転生して魔力という新たな力を得て、モブキャラとして自身の実力を隠しつつ陰の実力者になるために奔走していく。という話になっています。


噓から出た実

主人公シド・カゲノーは、田舎男爵家で代々「魔剣士」と呼ばれる優秀な役職を輩出しているカゲノー家の嫡男として転生しました。その後、夜な夜な盗賊狩りをして、陰の実力者に必要な資金を稼いでいました。ある日、「悪魔憑き」と呼ばれる現象に侵されたエルフの少女を助けます。そして、その少女の身に起こった状況を説明するため、シドはあるをつきます。それは、『少女の体を悪魔憑きにしたのは、魔人を崇拝する「ディアボロス教団」という歴史の影で暗躍する組織によるものであり、悪魔憑きの正体は、教団が、魔人ディアボロスを滅ぼしたと言われている「英雄」の子孫の血を利用し、魔人を復活させるために悪魔憑きと呼ばれる存在にしたという、忌まわしき呪いである。』と説明する。シドはこの「嘘」によって、少女に「アルファ」の名を与えて、教団と戦うための組織「シャドウガーデン」を創設することになります。
しかし、実際にディアボロス教団は存在し、歴史の陰を暗躍していた。シドがついた嘘は、全て真実だったのです。が、シドはそれに気づかず、陰の実力者のロールプレイの一環だと思い込んでいます。シャドウガーデンには、7人の幹部「七陰」やその他多くの構成員がいますが、彼女らの発言や行動にいつも「演技派」や「設定上手」といった感想を抱いています。そこがなんとも噛み合っていない感じがして、私的に好きな部分のひとつです。


モブへのこだわり

シドには、陰の実力者になるのと同じくらい大切にしていることがあります。それは、「モブ」になりきることです。自分は世界の主人公ではないと思っているため、物語の重要人物とは深くかかわらないように普段から行動し、いかにもモブっぽい同級生と学友になるなど、自分の立ち位置には常に気を配っています。具体的には、罰ゲームで王女に告白するときには「すごく緊張しつつ嚙みまくりで絶対振られるモブ」を演じたり、剣術大会で「優勝候補相手に血まみれになりながらも気持ちでだけは負けない熱血少年」を演じたり、王女誘拐の罪で尋問された時に「痛いのを怖がって許しを請う哀れな青年」を演じるなど、モブを演じることに執念すら感じます。
そうして築き上げたモブとしての立場が、シャドウガーデンの頂点に立つ存在「シャドウ」としての正体を周囲に知られない隠れ蓑にもなっています。
また、シド・カゲノーとしての姿は、普段のシドの素に近い雰囲気で、シャドウとしての姿は、陰の実力者というロールプレイに徹している感じがしますが、七陰のメンバーからはどちらもすごく尊敬の目で見られています。彼女らには、前世の知識を「陰の叡智」として授けていますが、それを拡大解釈された結果、前世の百貨店やチョコレートが流行し、本来のシドの目的とは異なった形で陰の叡智が再現されることが多いです。
こういった勘違いや解釈違いを起こしているのも、ひとえにシドが「陰の実力者ムーブ」を拗らせ、意味深な発言をしてそれを七陰が深読みしている、というのが原因だったりします。


感想

アニメにおいての作品の描き方として、シドの意味深な発言や行動にそれ以上の意味を持たせて、さもそれっぽさを上手に演出していると思いました。果たしてシドにとっての「陰の実力者」とは何なのか、話数を追うごとに考えさせられる部分も多く、時折シドの根幹が見えるシーンでは、物語の裏で動いている壮大な世界観が見て取れます。この作品の場合、本人はそれほど意識していませんが、世の中では自分の知らない場所で常に多くの陰謀が蠢いています。そうした動きにいかに敏感になって、自分から行動できるか。何を正義とし、何を悪をするのか。それを決めるのは自分ですが、決めるための情報や知識、思考を持たなければ、全てを知ることはできません
私も、この作品をきっかけにあらゆることに対してもっと積極的な人間になりたいと思いました。


おわりに

今回はここまでとなります。

いかにもギャグに振り切っている作品から、なぜ前述のような高尚な感想が出てくるのか、私自身不思議でなりません(笑)。
冒頭でも軽く触れた、この作品のスマホゲーム「陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン」について、簡単に紹介します。アニメ本編のシナリオだけでなく、キャラクターに焦点をあてたキャラ別シナリオ、イベントストーリーなど、多くのストーリーパートをフルボイスで楽しみことができます。私はアニメ原作のゲームにおいて、ゲームのシステム部分や操作性をあまり気にしないタイプなので、ゲーム自体の出来についてはこの場で何も言いませんが、ストーリーに関しては、本編では描かれないシャドウガーデン設立の裏側に関するストーリーを読むことができます。また、キャラクターとの会話も楽しめるので、是非おすすめです。

この作品が気になった方は、この機会に是非観てみてください。そして記事が良かったと思ってもらえましたら、是非「スキ」やコメントを頂けると嬉しいです。

そして次回予告です。
part15では、先日最終巻を読み終えたばかりのとある漫画作品の紹介を予定しています。長らく続いた頭脳バトルについに決着が…。いったい何の作品なのか察した方もいるかと思いますが、楽しみにお待ちください。

次回も乞うご期待ください。それでは。


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