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働くこととは?「七つの会議」が教えてくれたこと

初雪が降る休みの日に、王様のブランチで映画"七つの会議"が紹介されてたので観てきました! #平成最後の企業エンターテイメント

原作:池井戸潤さん(「下町ロケット」、「陸王」など)。
中堅電機メーカー(ほぼブラック企業)が舞台で繰り広げられるパワハラ、隠蔽、データ改ざんなど黒を白にしようとする腐った上層部VS正義を貫く普段はぐうたら中堅社員の戦いの物語です。

ネタバレほぼなしの映画レビューを書きましたので気になる方は残りのお休み期間に観に行ってみてください!

ちなみに私のレビューは☆3.7です。(☆5段階評価)

1、TBS日曜劇場が好きな人は誰でも楽しめる
2、
日本企業の悪しき伝統や不正を勧善懲悪で叩きのめしていく
3、「働くこととは?」共感するサラリーマンが多いことが高評価の理由。

1.TBS日曜劇場が好きな人は誰でも楽しめる

高視聴率を獲得した「半沢直樹」、「陸王」、「下町ロケット」、「小さな巨人」に出演された数々の出演者が出てきて、日曜劇場のミックス版を見ているような錯覚に陥り楽しいです!
「あ、陸王の鬼コーチが今回は老舗ネジ屋の社長!かつその妹は土屋太鳳ちゃん」、「佃製作所で経理部長→農家に転職した殿さん、下町ロケットでは最高の役だったのに今回はかなりダークな役やん…」、
「常に圧巻、香川照之劇場!もはや顔芸の極致!!」

ドラマファンの方はお気づきでしょうが、
TBS日曜劇場チームは同じ役者を違う作品で同時起用することが多いです。
それによって「"陸王"の時〜〜役だった人やん」とうまく想起させ、どこか懐かしく、また発見を作り、ドラマの内容と相乗効果を生み出すことが数字を獲れる要因の一つなのではと思っております。細部の工夫が素敵だなと。
なのでTBS日曜洋画劇場ファンの方は間違いなく楽しめる2時間!

2.日本企業の悪しき伝統や不正を勧善懲悪で叩きのめしていく

皆さま大好き勧善懲悪が詰まった抜群の内容です。下請け企業に牙を剥く親会社、責任を部下になすりつける被害者ヅラのクソ上司、正義を貫きわずかな希望に立ち向かう優秀な社員、とそれを支える名脇役。

特に今作で話題となっているオリラジの藤森さん。営業のアラを探すことに全精力を注ぐ経理を熱演しております。その執念深い嫌らしさと完膚なきまでにやられた時の惨めさたるや、素晴らしい演技力です。
チャラ男の藤森さんはどこに・・・名役者です。

また最初のシーンとなる営業報告定例会は軍隊そのもの。すごい緊張感の中、部長の香川照之が部屋に入って来て、ブラック企業の典型例と思わせる息のあった起立!営業部隊一斉のご挨拶。
目標未達の部署を「なぜ達成できないのか?」とみんなの前で怒鳴り散らす営業部長の香川照之さん。からの圧巻の顔芸。
詰められる営業課長のミッチー(及川光博さん)は会議前の緊張や問い詰められるあまり嘔吐してしまうシーンも・・。ど迫力の顔芸に追い詰められ、達成がほぼ不可能な目標台数をコミットさせられてしまいます。

こんな会社の営業部で働く人が世の中にいるのであれば、私はまだまだ恵まれた環境で働けているのだな…と少しだけ勇気をもらえます。

3、「働くこととは?」。共感するサラリーマンが多いことが高評価の理由。

自身のリーマン人生と重ね合わせ共感できるシーンが多いことも高評価の理由ではないでしょうか。
・出世争いに勝つために上層部にベタベタし、部下にはめっぽう厳しい上司
・営業目標を達成するためにグレーゾーンギリギリで売上を積む営業
・違う部署の粗探しに生きがいを感じるいやらしい社員
・昔はエリートだったが一つのミスで部署移動が決まり人生が崩れる窓際社員
・とにかく部下には厳しいが、いざとなった時に責任を部下に押し付ける無能なリーダー
・会社の企業体質に不安を感じ、退職を志願したことで自分が本当にやりたいことと向き合う若手社員

出世争いのため不正に加担してしまった香川照之さんは、終盤、
「俺の20年間のサラリーマン人生とはいったいなんだったのだろうか」と引き返せない自身のキャリアに涙を流します。

今回キーパーソンとなる朝倉あきさん演じる若手営業社員は、
(下町ロケットでは竹内涼真さんとエンジニアとして奮闘する技術者役)
不遇な環境下で何となく働いてきましたが、社内不倫がきっかけで「退職」を決意。その後「自分が本当にやりたいことは何だろう」と自身と向き合います。そして「どうせ辞めるし」、と自身がやりたい企画を持ち込み最終的には見事実現させるに至ります。
このシーンを観て、
「自分は何が本当にやりたくて、その会社で何を実現するために生きているのか」
と働くことの意義を改めて問いただされた気持ちになりました。
この一文の具体性を突き詰め、自ら主体的に動かなければ、社会の歯車の一部と化してしまう。そして「何のための人生だったのだろうか・・・」と。

※本筋と離れますが、この記事おすすめです。

一番右が朝倉あきさんです。ほぼ主役級のご活躍です!


「七つの会議」は豪華名役者が演じる迫力ある数々のシーンも痺れます。
またチョイ役として出てくるメンバーが豪華すぎて贅沢な起用の仕方をしているなあと、日曜洋画劇場スタッフの底力を感じました!
お時間ある方は是非に劇場に足を運び、感想をお話しましょう!
小説のリンクも貼っておきます。


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