再現性を高めるためには
どうも!こんちゃ! 上原です!
前回は打球のエネルギーについて書きました!
多くの方に見て頂き、嬉しいです。ありがとうございます!
今回は、「再現性を高める」ために運動の仕組みや運動を学習して自動化する仕組みについて見ていきたいと思います。
1. はじめに
Twitterで以前から野球のデータやメカニクスをについて書かれている方などをフォローさせていただいており、参考にさせて頂いたり、勉強をさせて頂いたりしていますが、その中で「再現性」という言葉を最近見たり、聞いたりする機会が多くなっているように感じました。
今回はこの「再現性」について、運動の仕組みや運動学習、運動の自動化についてスポーツ心理学の授業を参考にして書いていきたいと思います。
2. 再現性とは?
再現性とは「ある事象が繰り返し行われること」を指します。
野球に置き換えればピッチャーが大きく足を上げて最後にリリースを行う一連の動作などです。
今回、私がTwitterで見た「再現性」の使い方は「ピッチャーが投げたボール」に対して使われることが多く感じました。
ここでの使われ方は「再現性の高いボール」というように同じ球種のボールを毎回投げる度に、同じようなボールを投げることを言っています。
例えば高いレベルのスライダーを投げれたけれどそれ以降に投げれないのであれば持ち球としては使えない。だから高いレベルのスライダーを投げれたときのリリースやアームアングル、握り方など学習することで再現性を高めようという考え方です。(例え方がへたくそなのはご容赦ください。笑)
これらから運動の学習の仕方や運動の仕組みについてまとめていきたいと思います。
3. 運動のコントロール
まず初めに、運動の仕組みから見ていきたいと思います。
運動には脳の指令に基づく随意運動と脳の指令には基づかない無意識に行われる不随意運動(反射運動)があります。
意識的に行う運動か無意識的に行う運動かの違いですね。
実際にスポーツをしている中でほとんどの場合、反射的に運動することが多く感じます。
いわゆる「身体が覚えた」あるいは「体が覚えている」状態が多いといった感じですね。
これは「動作の反射化」といわれ運動を学習することで無意識に身体を動かせるようになるということです。
4. 運動学習
では次に運動学習の仕組みから見ていきたいと思います。
運動学習とは
「環境や具体的刺激状況の知覚に基づいて有機体が⾝体的動作を協応させることによって、個々の反応がまとまりのある知覚=運動系列に統合され正確性や迅速性、安定性、適合性を獲得することである。」(授業より)
簡単にすると正しく、早く(速く)、いつでも、どこでもできるようになることです。
運動の習熟段階は
①言語化―認知化
②運動化
③自動化
となっています。(授業より)
例として、
自分の投動作による感覚、投げたボールの変化の仕方を言語化、認知する
↓
認知した課題から運動のコントロール、練習する
↓
動作を繰り返すことでいつでもできるようになる。
といったような形です。
練習方法には全習法と分習法があり、
全習法は一連の動作を練習する方法。
分習法は動作を局面に分けて練習する方法。
これらは習熟段階、習得するスキルレベルに合わせて組み合わせて行うことが重要だと思います。
5. トレーニングの内容
初めの段階では、
⽰範者(モデル)の⾏動を記憶に強く残すために視覚的イメージを利⽤すると効果的であるとされています。また、学習の進度に合わせて筋感覚的イメージを利⽤したトレーニングを導⼊することで運動コントロールのためのプログラム化の促進が期待できるとされており、モデリング効果が重要になってきます。(授業より)
モデリング効果とは
対象者に対して、モデルの動作をお手本として運動を行わせ、モデルの観察と運動を繰り返させながら運動・動作が習得される過程のことです。
モデル提示の仕方としては、モデル提示の角度、回数、時期、特性があり、加えてモデルの観察ポイントを指示することでモデリングによる学習効果が期待されます。
ここでバイオメカニクスや動作に詳しい人が観察ポイントを指示することでより運動・動作への理解が深まると思っています。(力学的についても伝えることが重要なのかなと感じています。)
これらからいかに運動・動作を正しく理解するかが重要になってくるのではないかと思います。
6.フィードバック
運動・動作ができないまたはできていない場合には、
対象者が「できているつもり」と感じていることが大いにあります。
できているつもりなんだけど実際にはできていないことです。
これにはフィードバックをすることで改善することが可能であるとされています。
フィードバックには種類が様々あり、
自分の感覚を元に得られる情報を内在的フィードバック
動画や他者からの得られる情報を外在的フィードバック
と言います。
ここで注意したいのが依存性産出特性です。
依存性産出特性
→情報への依存が高まり、情報が得られないときにパフォーマンスが低下すること
また、フィードバックはすぐに行うものと時間をおいて行うものがありますが、時間をおいて行っても学習の低下は見られないとしています。
フィードバックの与え方には、3種類あります。
①漸減的フィードバック
情報の量を動作・運動の習得進度に合わせて、減らしていく方法
②帯域幅フィードバック
目標に対して、一定の範囲内であれば情報を与えず、範囲を外れた時のみ情報を与える方法
③要約フィードバック
複数回、動作・運動を行った後にまとめて情報を与える方法。
となっています。
7.「再現性」を高めるには?
これまでに運動の仕組みや運動学習について見てきました。それらから「再現性」を高めるにはどうしたらいいのか一番最初に書いた例を使ってまとめます。
いいスライダーを投げれた。
①その時の自分の感覚(握りやアームアングル、リリースなど)、ビデオや他者による客観的にみた動作の言語化をフィードバックして認知。
↓
②言語化・認知化してでた課題を基に全習法や分習法を用いて、動作を練習・フィードバックを繰り返す。(モデリングをしながらの方が効果がある)
↓
③繰り返すことで身体が覚えて、運動・動作の自動化ができ、「再現性」が高まっていく
といった形です。
8. まとめ
長々とまとめてきましたが、
「そんなことすでにやってるのを詳しくまとめただけじゃん」
と思った方もいると思います。
しかし、まず運動の仕組み、運動学習の仕組み、モデリングなどを知る、理解することが重要であると考えています。
ただ闇雲にいっぱい練習すればよいというわけではなくどのように「運動・動作を覚える、理解するか」という過程を知る事も重要だと思い、書かせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひコメント、感想お願いいたします
追記
これは私が書いて、提出したレポート課題を加筆・修正したものです。内容に不備や間違いがあった場合はご指摘・コメント頂けると大変ありがたいです。
参考資料
スポーツ心理学授業および授業資料
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