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ラブホテル物語(1)

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30代の頃に書いた短編を集めてみました。
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『マイルド・サバイバー』30秒CM

終末感が濃厚に漂うようになった昨今。
私は普通に生きてももう長くないですが、せめてもの遺言代わりにこんな本を出版する機会をいただきました。
最低限売れないと版元にも迷惑がかかるので、精一杯のPR活動をしております。

ラブホテル物語 第一話 白いピアノ

ラブホテル物語 第一話 白いピアノ

■第一話■ 白いピアノ

ο月曜日 23時過ぎ 若い宿泊客の場合

「ピアノじゃん。弥生やよい、なんか弾ける?」
「猫踏んじゃった、なら」
「やってみろよ」
 風呂から出たばかりで、バスタオルを身体に巻き付けただけの女が白いグランドピアノの前に座り、下手な演奏を始めた。つっかえつっかえの『猫踏んじゃった』。
「なんかだせえヽヽヽな。ショパンかなんか弾けないのかよ?」
「じょーだんでしょ」
「じゃあ

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ラブホテル物語 第2話 紅生姜

ラブホテル物語 第2話 紅生姜

■第二話■ 紅生姜

 東北道も宮城から北になると急に寂しくなる。
 そのパーキングエリアは、軽食を出す簡易食堂と売店があるだけで、特に施設が充実しているわけでもない。それなのに、いつもトラックが何台も駐車して休息をとっていた。
 ここの食堂で出すうどんはこしヽヽがあり、トラッカーたちの間では評判になっていた。だが、駐車車両数が多いのは、それだけが理由ではないようだった。
 簡易食堂は午後七時には

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