たくき よしみつ
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1970年代くらいの録音物
たくき よしみつ
- 20本
1970年代（私の10代後半から20代後半くらい）にオープンリールテープやカセットテープに録音してあったものの中から、これはもう元の音源は存在していないだろうな、権利関係云々とかはあるだろうけれど、このまま時の流れの中に飲み込まれ、消滅させるのは忍びないな、と思うようなものを備忘録的に保存しておきます。19歳の荒井由実さんやナベサダとセッションしていた鈴木良雄さん、アマチュア時代のオフコース、一瞬しか流れなかったCM音楽、劇伴、BGMなどなど。 あの時代の音楽は豊かでした。私ももう長くないし、細かいことは無視してでも、文化として残しておきたい、という思いからです。
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樋口康雄劇伴音楽集（3）「さらばかぐわしき日々」
TBSで放送されたドラマらしいのだが、ドラマは見たことがない。事務所でコピーさせてもらったテープに入っていた。かっこよさの極致のような曲。 樋口師匠に「あんな曲がスコアにスラスラ書けるなんて……」と言ったら「じゃあ、あれを耳コピで譜面に起こして持ってきてごらん。チェックしてあげるから」と言われたのだが、あまりにも無理すぎて断念した。根性なしだったな。 樋口師匠のような完全な音感はないし、ピアノも弾けない自分には、あとはどんな作曲の道があるのだろうと真剣に悩んだりもした。 樋口師匠のように交響曲を楽器なしでスラスラ書いたりするのは無理だから、歌心のあるメロディメイカーを目指そうと決めたのだった。
樋口康雄劇伴音楽集（２）「つぶやき岩の秘密」最終回ラストのシーンの音楽
最終回のラストシーンでは、たっぷりとテーマ音楽を楽しませてくれた。 確か、石川セリが歌をのせていたのは最終回のラストシーンのここだけだったように思う。「え？ 歌詞がついてたの？」って驚いた記憶がある。 この「つぶやき岩の秘密」ショックのおかげで、それからはテレビのＣＭ音楽をチェックし、劇伴にも注目して録音しまくった。 大学は樋口師匠の後を追って上智に入ったのだが、私が学務部に「樋口康生さんの住所を教えてください」と訊ねたときは「一身上の都合で退学されてますね」と言われ、脱力した。 それでも諦められず、事務所を調べて押しかけていったのだった。
樋口康雄劇伴音楽集（１）「つぶやき岩の秘密」（遠い海の記憶）
私が樋口師匠を初めて知ったのはこれをテレビで聴いたとき。NHKの少年ドラマシリーズという、夕方に放送されていたドラマのテーマ音楽。 イントロのズッズッチャー ズッズッチャー ……というアコギのシンプルなコード演奏からして虜になって、コードはなんだろうと解析したりした。（Em7と A7だった） あまりにもカッコいいので、オープンリールデッキのLINE IN にテレビのイアホンジャックからつないで番組全部を録音し、後から音楽の入っている部分だけ編集してコピー……ということを繰り返していた。 このテーマソングは後に「遠い海の記憶」というタイトルで石川セリのレコードとして出たが、その演奏よりもオリジナルのテレビ用劇伴の演奏のほうがカッコいい。これはテレビからの録音。
Sleep My Love
ナベサダのFM番組、My Dear Life で鈴木良雄特集というのをやったときのスタジオ録音。 ずっと後になって、鈴木良雄さんが大野雄二トリオの一員（ベース）として、あるパーティに営業できていたときに捕まえて、「ぼくはチンさんのオリジナルでは『スリープ・マイ・ラブ』が好きなんですよ」と言ったのだが、チンさんは首を傾げて「？？ 覚えてないなあ」と。 出だしのメロディをハミングで歌ってみせたんだけれど、それでも「覚えてないなあ」だって。ガックリきた。 一緒にいた大野雄二さんにも「大野さんが作曲した丸井の20周年記念キャンペーンソング『丸井からありがとう』を歌っていたのはぼくらなんですよ」と言ったのだが、「覚えてないなあ。いっぱい作ってるからねえ」だって。 作曲者が覚えていない作品か……。 それなら二人を尊敬していた私がちゃんと供養しなくては。 ピアノとドラムはだれだったか忘れてしまった。