Keychron K2から有線接続しかできない Keychron Q1 に乗り換えた
無線マルチへのこだわりを捨て、有線接続を選択肢に加えた3つの理由
2020年〜2021年にかけてキーボードの沼にハマり、
① US(英語)配列
② 無線/有線両方で接続できる
└ 無線はマルチデバイスペアリング可
└ バックアップとしての有線はUSB-C
③ テンキーレスで横幅コンパクト
を条件にこだわってHHKBを購入するも相性があわず、さまよった結果 Keychron K2 にたどり着いた私。
そして2022年5月、昨年は眼中になかった有線接続のみのキーボードも候補に加え、最高の打鍵感を求めてキーボードを物色した結果、Keychron Q1(Knob Version)・茶軸・US配列を購入するに至りました。
それまでの無線マルチデバイス接続のこだわりを捨て、有線まで候補に加えることとなったのには、以下4つの理由があります。
(1)ハブ付き4Kモニター導入で周辺機器との有線接続が容易になった
無線接続のキーボードが多くの人に好まれている理由の一つに、「とにかく机の上をスッキリさせたい」という本能的欲求が挙げられると思います。机の上がコードでぐちゃぐちゃしている状態が好きという人は滅多にいないでしょうし、私も無線を選んだ理由の1つがそれでした。
そんな中、先日購入したDELLの4Kモニターに豊富なハブ機能が備わったおかげで、このモニターとMacBook ProとをUSB-C(Thunderbolt 4)ケーブル1本つなぐだけでPC側に電源(90W)・10ギガビットイーサLAN・マウスの無線接続(logibolt)も供給できる状態になりました。
こうなると、「目の前にある4Kモニタまでなら、1本ぐらいキーボードケーブルを這わせてもいいのでは?」と思いはじめたのが、今回新たに有線接続キーボードを検討の選択肢に加えるきっかけとなりました。
(2)バッテリー管理、そしてスリープからの復帰タイムラグが地味にストレスになった
無線接続キーボードは便利ですが、その便利さの代償として、コードをなくすために避けて通ることができない電源に関する2つの宿命がつきまといます。
① バッテリー充電サイクル管理
② スリープ状態からの復帰タイムラグ
HHKB・Keychron K2は有線接続も利用可能なため、バッテリーが切れそうになれば有線利用に切り替えて対処していました。しかしそのたびに「バッテリーに左右されるぐらいなら、有線のままでよくないか?」という疑問を抱くようになりました。
また、キーボードを無線接続する場合、省電力のために一定時間入力がないとスリープ状態に入り、任意のキーを叩くとスリープ解除になる機能があります。これにより、キーを叩いてからスリープ状態が解除されるまでの1〜3秒のタイムラグは発生します。
画面の前で5分ぐらい考え込みアイデアがまとまって勢いよく書き始めたにもかかわらず、最初の数文字が入力されず出鼻を挫かれるのは、正直に言ってストレスと言わざるを得ませんでした。
(3)所属組織のBYOD規制強化で私用端末とのマルチデバイスペアリングが不要になった
3つ目の理由が、私が所属する会社で、セキュリティ強化策としてBYOD(Bring Your Own Device、従業員の私用端末を業務に用いること)が禁止され、マルチデバイス接続の必要がなくなってしまったためです。
もともと無線のマルチデバイスペアリングを欲していたのは、会社支給のMacBook Proに接続しつつも、ノート代わりに愛用しているiPad Pro 12.9インチにテキストでメモを残したいときなどには、即座にこれに接続を切り替えたいためでした。
そんな中、(情報セキュリティインシデントが発生したわけではないものの)所属組織のセキュリティポリシーが年々ブラッシュアップされていく過程で、ある日を境に、これまで一定のルールとセキュリティ対策のもと認められていたいわゆるBYODが全面的に禁止となりました。
以降、私用のiPad等から業務上の情報資産にアクセスすることができなくなり、これにより、iPadにテキストを打ち込むためにマルチペアリングの機能を活用する機会は、私用時に限られることとなりました。
(4)Mac ⇄ iPad間がユニバーサルコントロールでシームレスにつながるようになった
私用のMac ⇄ iPadの切り替え用途のためにマルチデバイスペアリングを使う機会はあるにせよ、こうしたニーズについても、Appleの技術であっさりと不要になりました。Mac OSとiPad OSが「ユニバーサルコントロール」でシームレスにつながるようになったためです。
1台の有線キーボードからMacとiPadの両方をコントロールできるようになり、少なくともAppleエコシステムの恩恵に浴している限り、無線マルチデバイス接続は不要になってしまいました。
Kopekから発売されたKnob Versionは、本国初代Q1の課題を修正したVersion 2
今回、日本の総代理店となるKopekジャパンから発売されたKeychron Q1 Knob Versionは、2021年6月に本国で発表された初代Q1から、以下の9点が変更されています。
このうち、Q1の最大の特徴である打鍵感に影響する大きな変更点となるのが、③と④の消音対策強化です。
実は、初代Q1の発売当時に、「キーを打鍵した時に金属的な残響音が気になる」とのユーザーレビューがあり、これを減らすための対策として、トップケースとボトムケースの間にシリコンシールを貼る・パッドを挟む改造方法が、ユーザーの間で話題になっていた経緯があります。
今回、日本で発売されたKnob Versionでは、こうした消音対応があらかじめ施されており、相当強くキーを叩きつけない限り、金属の残響音は感じられません。
US版・JIS版それぞれキーキャップに難あり交換を推奨
非の打ちどころがないかのように見えるQ1 Knob Versionですが、残念なことに、標準でついてくるキーキャップの品質については、US版・JIS版それぞれに欠点があります。
US版:Double-shot (2色成形)・ABS樹脂製
JIS版:Dye-Sub (昇華印刷)・PBT樹脂製
US版のキーキャップは、せっかく2色成形でしっかりした構造になっているのに、ABS樹脂製であるために素材の薄っぺらさが否めない。一方JIS版のキーキャップは、PBT樹脂製で材質自体はよいのに、昇華印刷を採用した分構造は簡素。なんとも帯に短したすきに長しな仕様になってしまっています。
標準キーキャップのレトロデザインも私的には好みではなかったので、すぐに本国サイトでQ1対応のDouble-shot PBTキーキャップセットを購入し、換装しました。
標準キーキャップでは赤軸と茶軸の差異が正直わかりにくかったのですが、Double-shot PBT樹脂製に換装したところ、「コトコト」としっとりとした音色に落ち着き、それまで微かにしか感じられなかった茶軸独特のタクタイル(クリック)感が指先にしっかり伝わってくるようになり、打鍵感も大きく向上しました。
Q1を選ぶようなユーザーであれば、打鍵感や音にはこだわりがあるはず。だからこそ、このキーキャップ変更はマストと言ってよいと思います。
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