見出し画像

【ホテルログ⑨Silver Lake Pool & Inn】ローカルも楽しめる住宅地のアーバンリゾート

9回目のホテルログ、今回はLAのSilver Lake Pool & Innについて。

ヒップな住宅地に突如現れたプールリゾートは、メキシコと北欧テイストが入り混じり、都会的で新しいスタイルのリゾート滞在が楽しめる注目のホテルです。

Silver Lake Pool & Inn, Los Angeles, USA

Silver Lake Pool & Innは、カリフォルニアでブティックホテルを展開するPALISOCIETYが2019年11月にオープンした新しいホテル。

PALISOCIETYは、「PALIHOTEL」「PALIHOUSE」というブランドで、LAやサンフランシスコ等西海岸を中心にアメリカンフレンチスタイルのブティックホテルを運営しています。

アメリカにはACEのようなインディペンデント系ブティックホテルチェーンがいくつかあり、個人的にPALISOCIETYも注目していました。

筆頭ブランドであるPALIHOTELは、フレンチをモダンにアップデートしたデザインが特徴ですが、今回SILVERLAKE POOL & INNではその名の通りプールリゾートとして新しいスタイルに挑戦。

ホテルの場所に選んだのは、アーティストやクリエイターが多く住み、ヒップなショップやコーヒースタンド、レストランが並ぶSilver Lakeエリア。
どの街にもある、クリエイティブクラスが好んで居住するエリアです。

住みたい街として人気のSilver Lakeですが、海からは車で30分〜1時間程度離れています(渋滞によります)。ベニスやサンタモニカなど海や常夏のイメージが強いLAですが、エリアの面積がかなり広いので、必ずしもビーチが近いわけではないんですね。

PALISOCIETYのファウンダーAvi Broshは、そんな状況を見て、Silver Lakeの更なる発展を目指し、今までなかったローカルも旅行者も遊べる空間を作りたかったそうです。

建物&エントランス

建物は新築ではなく、1980年代に建てられたモーテルを改装したもの。
車社会のアメリカには駐車場付きの低層モーテルが至るところに点在していますが、その名残を残したリノベーション物件は毎回おもしろい。

高いビルではなく、低層施設だからこそののんびり感が居心地良く、アメリカならではのホテルスタイルは僕も大好きです。

画像1

外からはプールは見えなくて、どことなく市民プールに入っていくようなあの懐かしい感じがあります。

メキシコシティを参考にしたというデザインは、都会的ながらもトロピカルな体験が味わえるように、ホワイトベースにブラウン、イエローなど暖色系を配色。余計な装飾を省いたクリーンでシンプルな空間だから、誰にとっても間違いなく居心地が良い。

モロッコの住宅のような外観。

"URBAN OASIS"をテーマにした空間のデザインは、地元LAのベニスビーチに拠点を持つ設計スタジオElectric Bowery が担当。住宅や商空間も幅広く手掛けるデザインスタジオです。

ダウンタウンから離れた住宅地だからこそ、高い建物がなく開けた空を堪能できて最高に気持ち良い。

画像2

画像3

常夏感ありながらもマイアミのホテルの様な派手さはなく、プリミティブでお洒落なデザインが最高にセンス良いですね。

サボテンなどの植栽も相まってメキシコ感を作り出し、リゾート気分を加速させます。

客室 / ROOM

54室ある客室は、リゾートらしく、それぞれかなり広く空間が作られています。

基本的にはシンプルですが、トレンドを盛り込んだ素材使いが光る空間です。

画像5

画像4

麻を使ったカウンター、ベッド脇のサイドテーブルはテラゾーで作った特注品です。

客室にはデスクやチェアは無く、低めのソファ、ローテーブル、ベッドの作りでゆったりとリゾートの時間を楽しめるようデザインされています。

革と木で作られたソファやローテーブルにはバリのようなアジアンテイストがミックス。

画像6

画像7

抽象的なアートワークは空間を決めすぎず、宿泊者が思い思いの時間を過ごすための雰囲気作りに寄与しています。

画像8

淡いタッチのアートワークのバランスも絶妙。
最近は世界的に、この様なインテリアにマッチするアブストラクトアートが見られるようになってきました。

画像9

カウンターの上はタイル仕上げ。
随所に見られる黄色いタイルはモロッコのハンドメイド。素材使いが豪華です。(お金かかってます...!)

上の赤くロゴが入ったボトルはメスカルブランド、Madre Mezcalのもの。
めちゃくちゃデザインがかっこいいクラフトメスカルです。
Madre Mezcalのインスタストーリーズが超クリエイティブなのでデザイナーの方は是非!)

ホテルにメスカルがおいてあるのもカリフォルニアならではですね。ちゃんとクラフトブランドがあるのもニクイ。

画像10

洗面台はまた別のデザインのテラゾー仕上げ。世界的に再流行しているテラゾーは、石の混ぜ方でクリーンにもポップにも出来て面白い。(ただこれももちろんお金がかかる仕上げです。)

麻仕上げのカウンター、黄色いタイル、ポップなテラゾー、南国感あるアブストラクトアートなど、トレンドを盛り込んだ素材使いがアクセントになり、可愛さも上品さも上手く同居させている空間は、シンプルだけどつまらなくない絶妙なバランスでした。


プール & レストラン

このホテルのアイコンはなんと言ってもプール。

カリフォルニアの青い空が広がるプールエリアは、宿泊者でなくても楽しめます。僕が宿泊した日も、レストランとプールを楽しむローカル達で賑わっていました。

モロッカンタイルを敷き詰めた壁面にサボテンが高く伸びているこの画はまさにキービジュアルに。

画像11

画像12

画像13

夜のライトアップも良い感じ。
(LAの夜は18℃くらいまで下がるので、泳いでる人は誰もいません笑)

画像14

こんなプールが住宅街にあるなんて羨ましい。お酒も飲めて、食事もできるリゾートプールが家の近所にあったら絶対行きますよね。

プールの階下には、イタリアンレストランMarco Poloがあります。朝食からディナーまで提供するオールデイダイニングは、プールと同じく宿泊者でなくても利用可能です。

プールとレストランでは、Silver Lakeの更なる発展に貢献したいというオーナーの想いを反映し、ローカル達が遊べるよう定期的にイベントが開催されています。


街になかった機能を作ることで、街をさらに盛り上げる。

このホテルの成り立ちについて調べていると、しきりに"For travelers & locals"という言葉を目にしました。

その言葉の通り、とにかくローカルが遊べることを大事にして、宿泊者向けエリアとの境界が無い様にデザインされていたのが印象に残っています。

宿泊者も水着で館内を歩いてたり、食事をしていたりと肩肘張らずに過ごしていました。

近くに住んでるだろう老夫婦が朝ごはんを食べていたりと、着飾った高層ホテルとは全く異なるゆるい時間が流れていて最高でした。
やっぱりローカルに根ざしたこんなホテルが好きだな〜と再確認。

衣食住の集合体であるホテルとしての機能を最大限に活かすことで、こんな風に、街の新たな起点になり、街を盛り上げる事ができる。
ホテル作りのロマンだなと思います。こういうのがやりたい。

デザインコンセプトは「モダンメキシコ」ですが、北欧やバリのアジアンテイストも感じられ、別け隔てなく誰からも好かれる空間になっています。

最近はデザイン面でも国やジャンルの固定概念がどんどん取り払われているので、造り手側は世界中の良いデザインに触れ続けることが必要不可欠ですね。

これを書きながら、早く世界中を旅しないと!と再認識しています。
来年にはまたふらっと海外に行けるようになるといいですね。

滞在情報

最後に滞在情報です。

 僕が泊まったのは2020年3月で、その時は一泊約$300。
部屋の広さは35㎡以上あり十分広いので、プールを含めた滞在の満足度を考えると、LAの金額ではかなり良心的な設定だと思います。

実は事前に系列のPALI HOTELにSan Franciscoで泊まり、少しハリボテ感を感じたのであまり期待してなかったのですが、実際めちゃくちゃ良かったです。

僕は一人で行ったのですが、プールエリアはイケてる男女がたむろしていて近寄りがたかったです。笑 行くならカップルかグループがオススメです。(プールの写真は早朝6時起きして取りに行きました笑)

<Silver Lake Pool & Inn>
HP:https://www.palisociety.com/hotels/silverlake/
Instagram:https://www.instagram.com/acehotelkyoto/
Address:4141 Santa Monica Blvd, Los Angeles, CA 90029 アメリカ合衆国
Price:一泊約$300〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?