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【ホテルログ④:K5】 他のホテルに類を見ない、新しい視覚体験に泊まる

ホテルログ第④弾は東京から。

突如日本橋、兜町に現れデザイン界隈の人々の話題をさらったK5。
他のホテルに類を見ない新しい視覚体験が味わえる、唯一無二のホテルでした。

絵になる空間を、たっぷりの写真とともにお届けします。

K5, Tokyo, Japan

「遂に東京に正真正銘のクラフトホテルが誕生してしまった!」
それが初めてK5を見た時の感想でした。

ホテル巡りが趣味な僕は、暇さえあればホテルを探していて、世界中に泊まりたいホテルがあります。
だけど、今まで東京には、そんなホテルがありませんでした。

僕が好きなホテルは、豪華絢爛なラグジュアリーホテルでは無く、ローカルな魅力や、つくり手の思想が体感できるようなホテル。

その土地の地形や、物件の歴史を反映し、その地のアーティストやクリエイターと一緒に作り上げていて、別のエリアでの再現性が低いものづくりが体感できる。

そんなホテルを僕は、クラフトホテルと呼んで泊まり歩いています。

あくまで僕個人の嗜好ですが、東京にはそんなクラフトホテルが見当たりませんでした。
どんどん新しいホテルが立っているけれど、海外の有名ホテルを真似してるだけのもの、資本力があれば誰でも作れそうなもの、投資目的で作られた、内部がハリボテのものばかり。

そんな中でK5がオープンし、「遂に泊まりたい、いや泊まって勉強させて頂きたいホテルが東京にできた!」と、宿泊を待ち望んでいました。

エントランス & 廊下エリア

空間デザインを担当したのはスウェーデン・ストックホルムを拠点とする「CLAESSON KOIVISTO RUNE」。

築97年の元銀行とあって、重厚感を纏った歴史ある建物をベースに、北欧のミニマリズムと和の要素が融合しています。

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まず最初に息を呑むのが、客室へと続く廊下。

陽の光がたっぷり入り、色鮮やかな磨りガラスの窓と、荒々しい躯体のコンクリート、散りばめられた植物が絶妙に混ざり合い、今まで見たことが無い景色が広がります。

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ホテルの廊下は暗いイメージがありますよね。
大きなホテルだと、廊下を挟んで両サイドに客室があり、廊下に窓が無くなるため暗くなってしまう。

客室数が少ないK5は、廊下が窓に面し、逆の窓側が客室になっているため、自然光がたっぷり入って明るい!

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アールがかった曲がり角が美しい...。アールをかけるのはコストが上がります。美味しいもののカロリーが高いように、美しい造形はコストがかかるんです。

普通はコストを抑える廊下を、これほど豪華に作り込むなんて。
自分の部屋へと歩く時間に、こんなに気持ちを高揚させてくれるホテルは初体験でした。

部屋への期待が高まります。

ROOM / 客室

今回泊まった客室は、最上階にあるJunior Suite Loft Floor

4.5mもある高い天井が生み出す抜群の開放感!

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ベッド上に落ちる大きなシェードランプは、このホテルのアイコンの一つとなっています。

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ベッドを囲む藍色のグラデーションに染められたカーテンが特別感と安らぎを与えてくれます。

こんな風に、他のホテルに類を見ない新しい視覚体験が味わえるのは、このホテルの大きな魅力。

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43㎡ある広い空間には、オリジナルのソファが並べられたリラックス空間も。ここでも、青、赤、そして植物の緑がバランスよく配置されています。

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デザインが洗練されているのは一見してすぐわかりますが、今回僕が感動したのは、このホテルのライティング。
おそらく相当なこだわりのもと考えられているはず。

計算尽くされたライティングが、各素材が持つ色合いをより際立たせ、施設内の様々な空間で、赤、青、緑と、色鮮やかに切り替わる世界を演出しています。

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客室内、浴室は調光をコントロールすることが出来、日の入りやその時の気分によって過ごし方を変える事ができます。

浴室は、淡いピンク色から、強い赤まで光を調整できるこだわり。

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意外と、客室内の調光を微調整できるホテルって少ない印象。
調光システムの導入は、コストがかなり上がってしまうはず。

それでも、K5が一つ一つの客室でそれを可能にしているということは、部屋で過ごす時間を本当に大切にして欲しいという想いの現れだと思います。

通常ホテルの写真は昼のほうが綺麗に撮れる。でも、K5は夜も良いんです。照明を落とすとまた違うしっとりした魅力が味わえます。

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こうしてまとめてみると、色が鮮やかで、写真に映える事がわかります。

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客室内のミニバーはミニマルなラインナップ。
SWITCH COFFEEのドリップバッグや、地下1Fのビアホール、Bのブルックリンラガーの瓶ビールは無料で楽しめます。
CAVEMANがセレクトしたナチュラルワインもあり、クラフトブランドで揃えているところがさすが。

部屋飲みも最高なんです。

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RESTAURANT & CAFE & BAR

1FにはRESTAURANTのCAVEMANが。
目黒のKabiが手掛けた新しいレストランです。

宿泊者の朝食はここで食べることが出来ます。
朝の光がたっぷりはいって気持ち良い空間。

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朝食はフルコースか、オープンサンドの一品メニューが選べます。

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同じスペースに、SWITCH COFFEEのコーヒースタンドも。
剥き出しのコンクリートと、植物が混ざり合って有機的な空間に。

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このエリアと、エントランスを挟んだ小部屋にあるバー青淵(AO)は、宿泊者以外も利用可能。

話題のホテルだけあって、朝や夜はレストランやバー利用の来訪者で賑わってました。

青淵の茶や漢方をベースにしたカクテルは超絶品!

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夜のCAVEMAN。食事はもちろん、空間のライティングも最高。

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施設内の至るところに絶妙に配置、セレクトされた植物のプロデュースはYard Works
東京のカルチャーシーンでは知る人ぞ知るプレイヤー達が空間を息づかせています。


K5は東京に誕生した正真正銘、唯一無二のクラフトホテル

K5は、誰の目にも明らかな通り、クリエイティビティに振り切って妥協なく投資して作られたホテルです。
建物内を通じて、この場所で初めて目にする世界が広がっています。

これはつまり、ローカルのクリエイターが全権限を持ち、彼らが繋がりがある仲間達で追求した「自分達が本当に欲しい、どこにもないオリジナルな空間」を作ったということ。

この記事を見ても、そんな背景がわかります。

こんな事例は、東京のホテルシーンにおいて唯一無二であり、K5の登場は大きなインパクトを残したと思います。

昔、プロジェクトを指揮したチームの一人、マットさん(松井さん)が言っていました。
「海外のクリエイターやアーティストに、自信を持って紹介できるホテルがない。」
僕も同じことをずっと思っていました。

Tablet Hotelsなどブティックホテルの紹介サイトを見ても、東京は、ほとんどラグジュアリーホテルチェーンしか出てこない。
それは、東京に面白いホテルが少ないことの証明とも言えます。

だからこそ僕はまだまだ日本のホテルシーンに参入余地があると思っていたので、圧倒的な空間を見せられて正直めちゃめちゃ悔しい気持ちでした。笑

そんな東京で、資本力に支えられていない、若くてローカルなクリエイター達が集結して作りきったホテルが登場した。

K5を機に、日本にももっと、こんな風にクリエイティブな空間に投資してくれる資本家が増えて、良い空間が増えたら最高だなと思います。

滞在情報

最後に簡単な滞在情報です。

K5は客室数が全20室、7種類のルームタイプがあります。
宿泊は一泊約2,2万円〜15万円と、目的に合わせて選ぶことが可能。

広さや内装を考えると、お手頃な価格感だと思いました。

これからどんどん盛り上がっていく日本橋エリア。
東京に住んでいる人も、K5を拠点に、日本橋散策をしてみても楽しいと思います。
宿泊でなくても楽しめるホテルなので、是非行ってみて下さい!

<K5>
HP:https://k5-tokyo.com/
Instagram:https://www.instagram.com/k5_tokyo/?hl=ja
Address:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町3−5
Price:一泊 約22,000円〜

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