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1on1について思うこと


はじめに

1on1についてまとめてみます。
店舗でサービス提供をしていた前職のときから、
組織やチームの生産性は、メンバー個人の生産性を上げることが
重要であることを学び、個人の生産性とは、
個人の抱えている課題や、持っている気持ちに大きく左右される。
こういった想いから、もっと個人に向き合いたいと思い、
産業カウンセラーの資格を取得し、スクラムマスターの認定を取得し、
チームがもたらす大きな成果を作り上げてきました。

1on1の目的

次の3つが上げられます。
①個人と組織の成長
 組織のビジョンを達成しようとするときに、個人のスキルアップは欠かせません
 逆に言うと、個人がスキルアップすることで、組織のビジョンを達成することができます。
②働きやすい職場
 前向きで明るい職場を作ること。職場環境は生産性に大きく影響します。
 スムーズに情報交換がされ、技術知識の伝達が積極的に行われる組織は、
 目標や課題を次々にクリアしていきます。
③円滑なコミュニケーション
 組織内の暗黙知が形式知に変わることを助けるのは円滑なコミュニケーションです。
 円滑さを阻害する要因を取り除くことで、自然と良いコミュニケーションが構築され、
 個人の集まりがチームとして機能します。

1on1の原則

①上司と部下が1対1で行う
 対象者と上司が、目的に合わせて、個別の事情を考慮した上で、
 最適な場面を作ることが望ましい。
②専用の時間を設けて行う
 公式な場として1on1が行われる。組織は1on1の重要性を認識し、
 生産活動の一環として1on1が実施される。
③将来や未来についてフォーカスする
 個人同士の目標や、組織としての目標を話したり、
 短期、中長期的な方向性の設定や合意形成ができる。
④スキルを用いた
 コンサルティング、コーチング、カウンセリングのスキルを用いることで、
 適切な進め方や対応が行われる。
⑤率直な意見交換
 1on1の場を活かした、ここでしかできないことも話せる利点を最大化する。

上記は定石なので、もちろんその通りだと思います。
プラスして私は以下のように考えています。

目的

①あなたと私の、現在と未来のために
 あなたが何か抱えていることを私に打ち明けてくれる、
 私は何をさし置いてもそれを聞きたい。私のために時間を作って欲しい。
②それが周りのためになる
 私たち2人が今より良くなると、それは周りに波及する。
 私たちが前向きで高い生産性を発揮できると、
 周りのメンバーと助け合ったり、更なる情報移譲、円滑なコミュニケーションが誘発される。
③それがユーザーのためになる
 私たちのチームが前向きに活動し生産性が上がることで、
 ユーザーにとって更なる価値やサービスを提供したり、
 無駄を排除することで、ユーザーが払う対価からもムダが消える。

原則

①気持ちへの共感
 行動の背後には勘定(気持ち)があります。気持ちが通わない話し合いの成果、
 つまり行動の変化は望めない。
②想いの共有
 目的、目標、予定や計画と同じくするのは、考えや感じていることがある。
 なぜ、それをしたいのか。この想いが共有されることで、同じ方向に向かうことができます。
③現在が大事
 将来や未来は、現在が満足できる状態ができて向かうことができます。
 今を改善できることは、将来や未来を改善する一歩になることは間違いありません。
④相互の信頼
 1on1は人と人が行うもの。話す側と聞く側の関係性により、
 効果に大きく影響します。
⑤機会の継続
 1回実施しただけでも効果は見込めるが、継続することで、
 より話しやすく、理解しやすく、効果が出やすくなっていきます。

howto

1回目はどのようにやるか
・対象者を決めます
  メンバー全員と等しく実施できるように
  または、良く知り合えたチームであればメンバー間で開催できるように
・場所と時間を決めます
  後述しますが、15分~30分で、できれば会議室を準備します。
・下記3つを考えておいてもらいます
 ①やりたいこと
 ②なりたいもの
 ③困っていること

開催に際し最も重要と思うこと

私は場作りが最も重要と考えます。これらの言葉で1発で場を作るようにしています。
①感謝
 「私とあなたのために時間を作ってくれて、ありがとうございます」
②目的
 「あなたがより良くなることは、私にとっても良いこと。なぜなら」
③宣言
 「ここで話すことは、評価には一切影響しない」
④約束
 「ここで話す内容は、許可なく他言することは絶対に無い」
これを伝えたら、
「今日は何の話をしましょうか」と切り出します。
 考えてきてもらった3つの話(どれでも良い)がスムーズに出てくれば良いが・・。

焦りは禁物なのですが。
最初の社交辞令、時候、お世辞などは、ほんの最初だけに留めて本題に時間を割くべきです。
 ・緊張しますか? それならありのまま、緊張しますね。と伝えます。
 ・改まった場で微妙な空気ですか? それならありのまま感じたことを伝えます。
 ・沈黙に耐えられませんか? あなたが喋ると相手は喋れません。
実際私も、対象者が初回である場合においては、特に
なんらかの心理的な壁を感じることがほとんどです。
これは人それぞれの事情や理由があります。
そんな時に前述した4つのことを話し、場作りをします。
円滑な1on1を始めるための基礎になるゴールデンルールや
ラポール形成を意識してみます。
 この人になら話してみても大丈夫。と思ってもらうこと。
 つまり、信頼関係の構築です。

相手が心を開いてくれないなら。
 自分から、自分の状態を話してみます。
 ありのまま。
 もし心の壁を感じたなら、小さな扉を開ければ良いです。
 少しでも通えるようになったら、それは大きな一歩です。

とは言え、割とこんな感じになったりします。
・やりたいこと、ありません。
  私なら…早く帰りたい、休みたい、ゆったり余裕持ちたい、誰かに依頼したい、
  今のままでいたい、やること減らしたい
・なりたいもの、ありません。
  私なら、尊敬されたい、慕われたい、権限持ちたい、威厳が欲しい
  楽できるように、今のままで良い
・困ってること、ありません
  健康面、ランチは、体調面、財政面、環境面、人間関係、個人的に

Feature

1on1で大事なマインドセットについて触れます。
 対象者と向き合って
 対象者と同じ方向を向きたい という
 「心持ち」
 言葉では表し切れません

テクニックの補足

ラポール構築のテクニック
①ミラーリング
  相手の仕草や姿勢を真似ることです。
  ジェスチャーなどの手の動き、瞬きや視線など目の動きを相手に合わせてみます。
②ペーシング
  相手の話し方を真似ることです。
  口癖や語尾、あいづちと共に出る言葉を相手に合わせてみます。
③キャリブレーション
  相手が出すサインを読み取ることです。
  ノンバーバルな表現から醸し出る感情を拾います。
④バックトラッキング
  おうむ返しをすることです。
  要約、省略、付加せず、聞いたままを言葉に出すことです。
⑤セルフディスクロージャー
  自己開示です。自分のことを話します。
  今の気持ち、考えていること、想像したこと、私ならを正直に打ち明けます。
⑥グランファルーン
  相手との共通点を共有することです。
  同じ感想を抱いた、同じ気持ちになった、同じだと思ったなど共有します。
  環境、境遇、状態など場面的な共有よりも、感情面での共有がより効果的です。

傾聴のテクニック

①相槌
  「あ~」「はい」「うん」「そうですね」「たしかに」など
  相手が続けて話せるように入れる、合いの手のことです。
  ただし、相手は話している間にも感情が変化しているので、
  これを見逃し相槌を打つと、逆効果になります。
②うなずく
  首を縦に振ることです。
  次の情報を引き出しやすくなります。
  相手の話したいことをなるべく多く受け取ります。
  途中、自分の感情も変わり、疑問が出たり、肯定感を判断できない
  瞬間があるかもしれません。ここでいううなずきとは
  自分の思いを一度横に置いてするうなずきです。
③オウム返し
  単純な繰り返しをすることです。
  語尾の上げ下げにより、肯定、否定、質問に結びつくことがありますが、
  ここでのオウム返しは、自分の心に残ったワードを瞬間的に応答することです。
  この反応をすると相手と自分の双方で頭の中に残ります。
  つまり不自然なワードにオウム返しを使うと注意が逸れてしまったりします。
④要約
  相手は、感情、情景、背景、場面、事実、予想、希望、願望など、
  多くの情報を話されます。情報の中から相手の話したい核心を共有します。
  しかし、核心をうまく捉えられなかったり、不自然な要約だと、
  相手は話をちゃんと聞いてくれないと受け取られるかもしれません。
⑤沈黙
  反応をしないことです。
  注意が逸れることではありません。待ち状態や、思考を巡らせたり、反芻したり、
  相手と自分の時間の中で、相手の時間を遮らず、発信を余すことなく
 受け入れることです。
⑥質問
  気持ちに寄り添い、共感を目指す時に、自分のために補足して欲しい情報を
  引き出します。

よくある質問

Q1.場所は会議室が良いのか?
A1.個室のほうが良いですが、オープンスペースでも構いません。
   ただし、2人とも他人が来る方向を向ける状態にします。
   後ろから人が通る状態だと話づらいからです。
Q2.時間と頻度はどのくらいが良いのか?
A2.時間帯はお互いの都合でいつでも良いです。
   15分から長くても30分くらいが良いです。
   頻度は月イチか、長くても四半期に一度が良いです。
Q3.記録しておいたほうが良いのか?
A3.記録は自由ですが、記憶は必要です。
   相手は、あなたになら話しても良いと思っています。
   その気持ちに応えてあげてください。
Q4.愚痴ばかりになってしまう
A4.相手は、どう思っていて何をしたいのでしょうか。
   それに共感してみてください。
  あなたが解決しなくてはいけないことでは無いのかもしれません。
  愚痴を言いたくなる事情を理解したいという姿勢が重要です。
Q5.世間話で実の無い話になってしまう
A5.場が出来ていないと思われます。
   あなたが引き出したい議題について、
   先にあなた自身の考えを伝えてみてください。
   つまり、あなたが相手に相談してみてください。
Q6.次のステップに進みたい
A6.クローズな内容をオープンにする合意ができるか
   2人で考えてみてください。
   例えば、1人加えてその議題について一緒に話し合えるのか
   考えてみてください。
   アクションは必須ではありません。膠着状態を望まない人もいれば
   望む人もいるはずです。
Q7.進捗報告になってしまいます
A7.その報告から、困っていること、明日やりたいこと、来月なりたい自分
   というように話を広げてみてください。
Q8.結構責められる
A8.×反論、反発、逆ギレ、言い訳、いじける、悪いと思ってないのに謝る。
   〇なんてありがたい意見をもらえたんだろう。
   なぜそう思ったのか、どうすれば良いのか一緒に考える。
   相手の意向に沿うか、あなたの意向が受け入れられるのか、
   結果は分かりません。
Q9.成果が出ない
A9.何を求めていて
   どうなって
   その差はなぜ生まれたと思いますか。
Q10.自分は何もできないと感じます。
A10.相手の希望と、あなたの希望は合っていますか?
   1on1では、あなたが何をしたいかよりも、
   相手が何をしたいかに焦点が当てられるべきです。
Q11.アドバイスを求められた
A11.相手が、言った通りの行動になってしまうなら、
   アドバイスしないほうが良いです。
   指示、指導、誘導の類は1on1の場ではやらない(それは1on1ではない)
   2案、できれば3案の仮説を一緒に考えてみてください。
Q12.どうしても相手に言いたいことがある
A12.予め言いたいことがあるということを事前に相手に伝えておきます。
   そうしないと、ビックリして次の1on1が嫌になります。
   (関係が出来上がっていれば、いきなりでも受け入れられることはあるかもしれません)

@KANEさんと@まなみんさんが1on1ラジオをやっています。Podcastのプロと1on1のプロが作るラジオ、ep0から期待大です。


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