対立と分断を「空」で乗り越える
仏教には「空」という考え方があります。
それは、何物も単独では存在できず、関係性の上にのみある、と考えます。
たとえば、「コップ」というものがありますが、そうした不変の実体があるわけではなく、コップ以外のものを除いたものが「コップ」である、と言えるわけです。
また、「空」の考え方では、一見対立しているものも、より大きな視野で見るならば、お互いに補完関係にあると言えます。
例えば、先日参議院選挙がありました。
政治の世界では、常に激しい対立があり、保守対革新、右翼対左翼、というように分かれています。
それらは互いにとても感情的に対立することもありますし、本当に敵のようにも見えます。
その支持者は、「相手が居なくなったらもっと良い社会になるだろう」と考えたりします。
しかし、例えば、どちらかが武力で独裁体制を築いたらどうでしょうか?
完全に、対立相手を鎮圧し、どちらかの陣営しか居なくなったら?
言うまでもなく、硬直した、独善的な、政治になることは目に見えていますし、あまり良い結果にはならないでしょう。
つまり、民主主義国家において、より良い社会のために、そうした対立する陣営が必要であり、相互に補完関係にあると言えるわけです。
この例えは、あらゆるものに言えるのであって
・単独で存在するものはない
・すべては関係性の上に成り立っている
このようなことが理解できれば、そもそも対立が対立で無いことが見えてくるでしょう。
これも「空」を理解する効能なのです。
対立と分断が深まったと言われる現在。
ただ「対立をやめよう」としても解決策は見えてきません。
しかし、「空」の思想を理解することによって、対立相手とも補完関係にあることを理解するならば、現在の問題も乗り越えていけるのではないでしょうか?
仏教の智慧によって、より良い未来へ歩みを進められればと願ってやみません。
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