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東大生が東大入試を解説してみた。 Part1 文系数学

こんにちは。takuです。

今回は、今年2022年度の東大入試を解説してみようと思います。
軽くですが解説しちゃいます。

参考までに言っておくと、僕は東京大学文化一類に入学し、現在は法学部そろそろ卒業です。合格時の点数は合格者の平均点程度の点数でした。大体370点くらい。

これだけ言っておけば信頼性が担保されるんじゃないかなと思います。早速ですが解説していこうと思います。今回は数学です。

著作権云々があると思うので、問題用紙などはここでは掲載しません。そこら辺はご了承ください。

しっかりと戦略を練って合格点を掴み取れ!

最低でも1完半、できれば2完半が欲しい

今回の文系数学ですが、
ぶっちゃけそんなに難しくないんじゃないかなと思います。

数学が苦手な人でも30点(1問完答+1問半答)、できれば50点(2問完答+1問半答)は取りたいところでした。得意な人は60-70点取れればgoodです。

初めに軽く見た時は、問題を見た時に第1問(1)、第3問あたりはすぐ解けそうに見えました。

第1問はグラフを書いて情報を整理すればaとbの関係式はなんとか出せると思います。

そして第3問は数列ですが、最初の項から2,3と増やしていけばなんとなくパターンが読めるのではないでしょうか。

第4問なんかも、作図をしてどう動くかを理解すれば「こうすれば原点に戻るよね~」というヒントが出せるはずです。

ここまでを考えると、最悪他の問題が分からないとしても、100分かけて2つの問題を解く、できればもう1問解く…みたいにやれば、しっかり時間を使って十分な点数は取れるはずです。

大学受験は満点を取るのが目的ではありません。あくまで合格点に届けばいいだけなので、そこに届きさえすれば最悪1つや2つ白紙でも大丈夫です。
もちろん、東大英語は全然違うんですけどね。

この話に付随して東大の合格点があるかと思いますが、よく言われるボーダーの260点のうち、数学が苦手な人は30点にして他を80・80・70にする、逆に得意な人はここで60点くらい荒稼ぎして70・70・60にする。

こんな感じで点数を意識をしていきますが、今回もいつもと同じ感じになりそうですね。数学が得意な人は「あ、やっぱり差が付く問題が出たな」となんとなく思っていれば完璧だと思います。

絶対に受かる数学の解き方

これから東大を受ける受験生の方のために、
改めて数学の解き方をご説明します。

まず試験の全体の流れを説明すると、最初に必ず全ての問題を見て解く順番を決めます。そして、各問題の時間配分を決めていきます。

なんでこれをするのかと言うと、タイムキープをすることによって焦りを無くすためです。例えば先に難しい問題を解いてしまうのは、集中力と時間が無くなった状態で簡単な問題に手をつけることになり非常に危険です。

集中力・時間がなくなると精度が落ちます。なので取れる問題をケアレスミスで落としてしまう可能性が出てきます。

テストは解ける問題から解く。これは受験の鉄則です。
絶対に守るようにしましょう。

次に問題ごとの解き方についてですが「文章理解→情報整理→下書き→清書」の順番で解いていきます。これも絶対的な鉄則です。

流れは文字通りのままです。文章をしっかり読んで何について何を聞かれてるのかを理解し、問題文に書かれてある情報を図式で余白に整理し、そこから余白に答えを導出、最後にそれらをキレイに解答にまとめるわけです。

例えばこれが、いきなり解答用紙に書きだすとなると、試行錯誤の中で消しゴムを使う時間が発生し、タイムロスになります。

下書きは消しゴムを使う必要がないので、この差は結構大きなものになります。解答も汚れないし。

なのに、これをやらない人は結構多いと思います。これを見た皆さんは非常に幸運な方です。今すぐ実践すればテストでは無双しますからね。

東大数学は結構親切

これを踏まえたうえでですが、
東大数学は最初の第1問は易しい傾向があると言われています。

なので、一応全体は確認しつつ最初の問題から解いてみるというのがオーソドックスなやり方だと思います。

また、今回の第3・4問のような、「あれ?こうすればこうなるんじゃない?」というパターンが存在する問題が結構あります。

経験則で言うと(というかなんとなく考えれば分かるが)、確率と漸化式(数列)はパターンのようなものが存在しやすいです。今回もそうだよね。

こういう場合は一度仮説を立ててみて、数式を上手く使って検証してみると良いかと思います。そこを説明できれば解答も分かりやすくなり完答しやすくなります。

大問ごとの解説

それでは各問題ごとに見ていきましょう。

第1問

前章でも書きましたが、やっぱり案の定そんなに難しくありません。

2次関数のグラフの問題ですが、関数は平方完成・微分・作図は常套手段です。2次関数である今回は平方完成をして作図をします。

次にですが、放物線の接線同士が原点で直角に交わるということなので、傾き同士を掛け合わせると-1になることを利用します。この時に微分します。

ちなみにですが、最初に僕は三平方の定理を使おうとしました。
ですが、これを使うと計算が複雑になってしまうので途中で断念しました。

こういう感じで変なことをすることもあります。なので、下書きをするという段階を踏むことで落ち着いて修正を図ることができます。

加えてですが、接点Pのx座標を仮にk1,k2とするとして、そこから引かれる接線は原点を通るということは、すなわち原点を通り、かつさっき微分して出した傾きの直線上にPが存在することになります。

これを計算するとkはめちゃくちゃ簡単な式で示せます。これをさっきの傾き同士の積=-1の式と連立して解くとaとbの関係式が出せます。

これが見えた瞬間に「あ、余裕w」と思っちゃいました笑

そのまま(2)に進みますが、改めてPを整理していきつつ情報を整理すると、関係ない話ですがCの頂点のy座標は一定であることが分かります。

次に、接する円の半径を比較するということで見ていくと、よーく考えると分かるんですが、相似比を上手く使うと超カンタンな式が出来上がります。

これを計算して(1)の関係式と連立して解くとaが出せます。

スタートになる問題から東大らしさをすごく感じます。
正直、これは脳汁が出る神問でした。感動してます。

第2問

第2問は最初だけめんどくさいですが、あとの2つは余裕です。

まず、3次関数の話をしているので微分は絶対にするはずです。
基本的に関数は(2次でも)微分をしておくといいでしょう。

ちなみにですが、僕はこの微分の部分でミスをしてしまい、その後ドツボにはまってしまいました笑
代ゼミの解答をチラ見してミスに気付きました。

ここで解き詰まりが起こってしまった場合の話をすると、すぐさま問題を飛ばして別の問題を解くのが鉄則です。

僕の場合はそもそもこの問題がめんどくさくなると思っていたので、第2問は最後にゆっくり解くという戦略を考えます。今回これを書いた時はそのまま順番に解きましたけど。

なぜめんどくさくなると考えたのかと言うと、使う変数が多いのと問題文を解釈するのがめんどくさそうだったからですかね。

接線と垂直に交わる直線とか…😅
ちょっとめんどくさいよね笑

話を戻しますが、先ほどチラ見したと話した代ゼミの解答ですが、方向ベクトルを使っていましたが、使う必要はありません。

接線と垂直に交わる直線なので、微分して逆数にして×-1すればいいだけです。「?」が浮かんだ人は勉強不足なのでよく復習してください。

そうすると直線Lの式が出てきますが、これをCと連立させて解いていきます。すると(x-α)を因数とする3次方程式が完成します。

なぜ(x-α)が出てくるのかは当たり前。点Pを通るからね。

そうすると残りはα以外の2つの解が出ればいいわけです。したがって、これは2次方程式で異なる2つの解が出るような条件、判別式を使えば解くことができます。

ここで気を付けてほしいのは、分母にαを含む式がある時です。この時は分母が0にならないように条件を付けましょう。

また最初に気付いてほしいのですが、曲線Cは原点において対象なので、αの範囲もその対称性に対応していなければなりません。

例えばもし1<α<2が範囲として出てきたら、その時点で「あれ-2<α<-1は?」と思わないといけません。要はαは-k<α<kという感じになるはずです。

これができたら次は(2)ですが、βとγは今やった2次方程式の解なので、解と係数の関係を使って秒殺できます。

最初にこの問題を見た時、僕はβ^3-γ^3でも使うのかなぁと思っていたんですが、微妙に違いましたね。普通に対称式を使うだけでした。

(3)は(2)で出た分数をそのままひっくり返せば3次関数になるので、これまた秒殺。

もし(1)で詰まったとしても、(2)と(3)で(1)の答えを書かずに方針だけ書いていれば結構たっぷり点数がもらえるので、時間が無くなったら(2)(3)を書いちゃいましょう。

第3問

最後まで解ききることは難しいんですが、考え方はすごく簡単で、
その考え方をしっかり解答に書いておけば13,4点くらいは取ることのできる問題です。

まず(1)ですが、合同式を使っていくと非常に解きやすいです。

合同式は東大文系数学では結構使うと解きやすくなる問題が結構多い印象があります。使いこなしておくと非常にやりやすくなるでしょう。

問題文を見ると、漸化式の話をしているのですが、合同式を使って3で割った時の余りを考えていくとパターンに落とし込めます。

これを上手く使えばすぐに解くことができます。

次に(2)ですが、僕はここで途中までしか解けずに代ゼミの解説を軽く見ました。

ここではユークリッドの互除法を使えば解くことができます。
ここまでは僕もすぐに分かりました。

なぜ互除法なのかというと、互除法の特徴として「最大公約数が分かる」というものがあります。割られる数と割る数の最大公約数は割る数と割った余りの数の最大公約数と一致するところから来ています。

これを考えると、漸化式同士の最大公約数が1よりも大きい、すなわち何かしらの公約数が存在するためには2023×2025と2024×2026の公約数が複数存在することが必要になるわけです。

ただ、正直これを思いつくのは難しいでしょう。なので「ユークリッドの互除法を使います」と書いて漸化式を書けば半分くらいは点数をもらえます。

解ききれはせずとも、部分点は多くもらえる問題です。
ここはしっかり点数を取っておきたい問題でした。

第4問

最後の第4問は結構重いけど、しっかり考えていれば解ききれる問題だと思います。

まず、状況整理をしましょう。方向ベクトルについては単位円を作図しながら考えていけば分かりやすいと思います。

次にそこからどうやって原点に回帰するかを考えるわけですが、正六角形の図を正三角形に分けるような、ミカンのような図を作ればなんとなくわかるはずです。

(1)はそのままゴリ押しでやれば解けるはずです。
苦手な人でもここまでは解ききりましょう。

次に(2)ですが、これはかなり頭を使う問題です。
もしかしたら解けない人もいたかもしれないですね。

この問題ですが、試行の条件であるコインの表裏は結局何を意味しているかを考えましょう。

ここで答えを書いておきますが、要は「表は直進、裏は120度回転」ではないでしょうか?

したがって、裏が8回ということは「最後は左下へ向かって進んで戻る」ということになると思います(後述するが実際は違う可能性もあります)。

しっかり整理すると、右へ進むフェーズ、左上へ進むフェーズ、左下へ進むフェーズの3つのフェーズを3周するということです。

そして、なんとなくわかるかと思いますが、それぞれの方向でそれぞれ同じ数だけ進めていかないと原点に戻ることはできません。

したがって「それぞれのフェーズで30回ずつ進むように順路を組んでいく」ことがこの問題で考える確率の事象になるわけです。

これは重複組み合わせを使えば解くことができます。
重複組み合わせを知らない人は勉強不足です。

最後に、僕はこの辺りをミスりましたが、注意しておきたいことがあります。

先述した「最後は左下に向かって進んで戻る」ですが、97回目で原点に戻って最後に裏を1回出して終わり(この時は左上に進んで戻る)の場合もあります。

と、まぁここまで書きましたけど、何言ってるか分からない方!
最悪分からなくて大丈夫だと思います。

最低限(1)を取っておけば、今回は大丈夫でしょう。

終わりに

はい、ということでここまでを総括すると、それぞれの問題で合わせていったら大体50点くらいは頑張れば取れるんじゃないの?と思います。苦手な人でも。

もちろん、全部解ききるのは難しいよ!という意見はよーく分かります。
今回の問題は受験期の僕でも3完取れるか取れないかくらいの難易度でした(ちなみに合格した年の点数は70点でしたドヤァ)。

ただ、どの問題も部分点はもらえるくらいの難易度でそこまで難しいわけではありません。東大に限らずどこもそうですが、いかに点数を拾っていくかが受験では重要になります。

これから東大に受験される方にとっては今は解けないかもしれないですが(実際僕も最初は解けなかった)、しっかりやればできるようになるので頑張ってくださいね!

また、今年受験された方はこれを参考に「あ、落ちたわ~」とか「あれ?意外といけるかも?」とか思っておけばいいんじゃないかな?(適当)

ということでお付き合いいただきありがとうございました。

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