見出し画像

強いってどんな気持ちですか?31

全ての曲が終わり会場から人が少しずつ去っている時

遠藤「七瀬!音楽プロデューサーが高校生達5人と話したいって」

富田「来た!」

松田「ヤバいヤバい」

優佳「どうしよう」

美玖「〇〇どうする?」

優佳「私と美玖は〇〇にどっちにしても着いてくよ!」

美玖「うん!」

〇〇「優佳、美玖、ありがと、俺は…」

関係者本部テントに案内されるとスタッフ、アーティストに挨拶して回る人に遠藤が声をかける
遠藤「柿崎さん、呼ばれてた5人を連れてきました」

柿崎「遠藤さんありがと、初めまして坂道音楽会社の柿崎です。今日のロックフェスはどうでしたか?」

松田「どのアーティストもめちゃくちゃカッコよかったです」

富田「私はあのステージに立ちたいと思いました!」

柿崎「ありがとうございます。あとの3人さんはどうでしたか?」

優佳「すごく感動しました」

美玖「人を笑顔にさせる仕事は素敵だと思いました」

〇〇「そうですね…」

柿崎「ではどうでしょう。観客は少なくなっていますがここでこのメインステージでゲリラライブやってみては」

5人「え!?」

七瀬「これは」

飛鳥「完全に」

久美「引き込むつもりだね」

〇〇(ここで立ってしまったらもう戻れない気がする)

優佳「〇〇どうする?」

美玖「〇〇」

松田「〇〇君」


観客が続々と退場しているなかメインステージから楽器の音が響く

優佳「ヤバイヤバイ!」

美玖「緊張するね〜」

松田「あ、こっち振り向いた」

富田「もう吐きそう、、」

〇〇「ふぅ、、じゃあ行きますか!バンド名はあれでいいんだよね?」

4人全員頷く

美玖がバチでカウントをとりイントロに入る

〇〇「初めまして!From Scratchです!よろしくお願いします!」

すると観客が戻ってきて会場は盛り上がる

「この5人って最近話題の顔出しNGバンドじゃない?」

「まさかここでデビュー!?」

「サプライズデビューかよ!!!」

観客はイベントで完全燃焼していたのにも関わらずどんどんと声が大きくなっていく
あるところでは人が担ぎあげられ人が流れて行くのが数カ所あった
〇〇達の演奏が終わり挨拶をし、退場する

「アンコール!アンコール!」
「フロスク!フロスク!」

アンコールとFrom Scratch略してフロスクのコールが交互に飛び交う

〇〇「ありがたいね」

優佳「初めての人達も多いのに私達にアンコールなんて」

柿崎「お客さん達の声援に答えてあげてくれないかな?」

美玖「みんな行こう!」

〇〇達はステージに戻る

すると歓声と拍手が会場に広がる

〇〇「アンコールありがとうございます!改めましてFrom Scratchです!」

優佳「私達From Scratchはデビューはしません。」

観客から驚きの反応がくる

優佳「ボーカルとドラムと私の3人は別の夢があります。その夢に向かって頑張ります!ギターとベースの2人は歌手になるのが夢でまたデビューした時には皆さん応援してあげて下さい!最初で最後のFrom Scratchの演奏ですがどうか楽しんで行って下さい!」

アンコール曲が始まる
ラストを楽しむ者、デビューをしない知らせに残念がる者色んな感情、声援を受けステージを後にした

その後フロスクのステージに感動するコメントとデビューしないのに上がったという否定的なコメントで賛否両論あったが
イベント管理責任者の加藤と音楽会社の柿崎のコメントで炎上は収まった
そして、アマチュアで初ステージに上がりここまで印象を残したバンドグループとして音楽界に爪痕を残した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?