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相棒のおっさん

僕には歳の離れた相棒がいる。
年齢はわからない。多分40〜50歳ぐらいだと思う。
普段は一切連絡を取らないけど、会うと酒を飲んでずっと話す仲。お互い生きてきた環境も違えば、国籍も年齢も違う。だから話しているとギャップもすごいあるし、理解できないことも多い。本気でブチギレて喧嘩することもある。だけど繋がっている、不思議と。

名前はビチェット。初めて会ったのは2022年3月ぐらい。僕がカンボジアに移住してすぐで、知り合いがいなかった頃。家の近くにカンボジアのローカルのご飯屋さんがあって、値段もそこまで高くなったからよく通っていた。そこのオーナーがビチェットだ。
最初はずっといるおっさんいるな〜って思ってたけど、レストランにいると毎回いるから、お店の人なんだと途中から認識した。住んでいる場所はローカルなので、日本人なんて全くいない。だからお店のスタッフも英語は喋れず、最初は不思議がられていた。通い始めて2週間ぐらいで、挨拶するぐらいになった。その後に少しづつ喋っていき、お互い拙い英語で話し始めた。
出会って1ヶ月でお酒を誘われ、カンボジア人数人と僕でお酒を飲んだ。これがめちゃくちゃ楽しくて、ここからビチェット含め、彼の仲間たちとコミュニティが広がっていった。

ビチェットは忖度がない人間。僕がマンゴーで起業したいことを伝えると、起業計画を教えろとか、そんなんじゃ無理だとか、それよりクメール語を覚えろとか色々言ってくる。こっちも言い返したいけど、的を得ることもあって、悔しい思いをしたりしていた。
そんなこんなで、カンボジア生活はビチェットなしでは語れない。
2023年の年越しにドライマンゴーで起業することを伝えると、お前は明日からCEOだと言ってみんなで乾杯した。来年8月にクラファンからスタートするし、まだ違うからって言ってもずっとCEOって言ってくる。でも内心ちょっと嬉しかった。その時にもう一個みんなで約束をした。
ビチェットのお店の名前は「Chet kuy teav」。日本にはカンボジアの料理屋さんが少ない。だから東京に「Chet kuy teav」を出展しようと。名前は”Chet kuy teav TOKYO”。そんなバカだなぁ〜って思ったけど、僕がこの国でドライマンゴーを作ってクラファンをするなんて、カンボジアに来た当初は全くもって想像してなかった。だけど今、その夢に向かって前進、徐々にではあるけど具現化できている。

口に出せば夢は叶う。

本当にそうなのかもしれない。

2年後の2025年。もしかしたら”Chet kuy teav TOKYO”が東京に進出しているかもしれない。そうしたらビチェットはどんな顔するんだろうな。
来年はさらに忙しくなるかも。

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