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英語ができてもグローバル人間じゃない?〜海外で知ったグローバル教育の勘違い〜

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

英語さえ話せれば、
世界を舞台に自由に活躍できるのに!

英語はペラペラになれば、
どこででも自由に働けるのに。

これからの時代はグローバル教育だから、
英語教育に力を入れている学校に、
子供を入学させなくちゃ!

最近こんな風に考えてる親御さんが、
とても増えているように思います。

でも英語ができても、
グローバルパーソンにはなれるとは限らないって
あなたはちゃんと理解していますか?

今日はグローバル教育の「勘違いあるある」について、
私の恥ずかしい体験談も含めて、
お話ししてみたいと思います。

英語は、ただのコミニケーションの手段

まだ今でこそ海外生活が15年になりましたが、
かつて日本で暮らしていた頃は、
海外とはあまり接点のない生活でした。

学生時代にアメリカに、
語学留学に行った経験はありますが、
それからは時々海外旅行に行く程度。

毎日受験指導に忙しく、
受験に必要な英語を教える以外は、
英語を使う機会など皆無でした。

その頃の私はいつも、
英語さえできれば世界中どこでも、
自由に仕事ができるはずなのに。

そう本気で信じていました。

それから子供を連れて海外に移住し、
現地で様々な人に出会いました。

私自身の英語力はもちろん、
大したことがなかったのですが、
それでも何とかコミュニケーションは取れた。

ギリギリ仕事に使える程度の英語力は、
かろうじてつけることができました。

でも私はなかなか現地に溶け込めず、
お世辞にもグローバルパーソンとは言えない日々を、
しばらく送っていました。

そんな時知り合った中国人がいます。

彼は移住してきてまもなく、
拙い英語で一生懸命話していました。

でも彼は私よりもずっと、
短期間ですんなりと現地に溶け込み、
英語力もあっという間に私を追い越しました。

どうしてこうなるんだろう?
当時の私はその理由が、少しも理解できずにました。

でも、しばらく彼を観察しているうちに、
自分はとんでもない勘違いをしていたことに、
ようやく気づいたのです。

それは英語は所詮、
相手とコミュニケーションを取るための、
1つの手段でしかない
ということです。

別に全てを英語で伝えなくても、
相手とコミュニケーションさえ取れれば、
問題ないということを忘れていたのです。

大切なのは正しい英語より、話の中身

さらに私は受験英語の指導していたこともあり、
出来る限り文法的に間違いのない、
正しい英語を話そうとしていました。

また発音に関しても、
なるべく正確な音で話せるように、
常に意識していたのを覚えています。

でも正しい英語を話そうとすればするほど、
英語を使うのが怖くなります

こんな発音で通じるだろうか?
自分の話している文法は間違っていないだろうか。

常にそんな不安が先に立って、
英語でたくさん話すことを躊躇していたのです。

また、相手が話している間も、
自分で次に何を言おうか考えていたために、
相手の話も上の空。

また間違いを恐れるがあまり、
話す内容も単純なものばかりで、
相手に響かないことが多かったのです。

当たり前のことですが、
どんなに流暢な英語を話そうと、
話の内容がなければ何の意味もありません。

日本で美しい日本語使って、
中身のない話をしてくる外国人を、
あなたは重宝するでしょうか。

英語でコミュニケーションを取る前に、
相手が聞く価値があると思われる内容を、
事前に考えることの方がはるかに重要です。

しかし今の日本教育は、
残念ながらその方向にはなっていません。

何を伝えるかではなく、
英語をいかに間違えずに使うことばかりに、
教育の軸足が置かれている
ように思います。

その結果英語の発音がうまいばかりで、
ろくな話ができない留学生が溢れているのが、
最近の傾向のように感じます。

日本からの留学生は、
聞いても何も自分の意見が言えない生徒が多い。

現地の学校の先生からこのようなご指摘を、
これまで何度受けたか分かりません。

求められる多文化社会への適応力

またグローバルパーソンになるためには、
語学力と同時にもう一つ、
大切なスキルが必要です。

それは自分と価値観の違う人々と一緒に、
共存していくことができるということです。

私がこれまで出会った留学生の中には、
海外に来ても常に日本を基準にものを考え、
海外の文化を受けれない生徒が多々いました。

日本と比べてとても不便。
日本の先生みたいに丁寧に教えてくれない。
日本人と比べてみんなドライ。

いつもいつも日本を基準にものを考え、
日本の価値観とずれているだけで、
それを批判的に捉えてしまう。

こんな人はどんなに英語がしゃべれようと、
1ミリもグローバルパーソンとは言えません。

なぜこんなことになってしまうかと言えば、
日本では英語さえしゃべればいいと言う、
間違えたグローバル教育がまかり通っているからです。

英語教育とグローバル教育には、
直接的な関係はありません。

グローバルに活躍するために、
英語力は1つのスキルに過ぎません。

もちろん英語が使える事は有利ですが、
英語だけ使えても他のスキルがなければ、
海外では全く役に立たない人材なのです。

日本で英語だけ勉強しても意味は無い

またよく日本の中だけで、
完全なバイリンガルになったと言う話を聞きます。

もちろん英語と日本語の両方を、
同程度に流暢に操れるようになったのであれば、
確かにバイリンガルと呼んで良いでしょう。

しかしバイリンガルは決して、
グローバルパーソンと同義ではありません。

先程もお話ししたように、
例え2ヶ国語操れようと、
海外で活躍できるとは限りません。

しつこいようですが、語学力と言うのは、
海外で活躍するための1つのスキルに過ぎないのです。

海外で長く暮らせているとよくわかりますが、
英語を学ぶ前に、まず自分自身をしっかりと分析し、
自国について深く学ぶことがとても大切です。

そしてその上で、
真の英語力を身に付けたいのであれば、
海外で英語を使う経験が必要不可欠です。

日本国内でどんなに英語を使おうと、
新日的な外国人相手に話して通じたところで、
真の英語力がついたかどうかは分かりません。

世界で使われている英語は、
発音もアクセントも様々な「ラフな」英語です。

英会話学校の先生のように、
教科書に出てくるような正確で丁寧な発音で話す、
英語話者はほとんどいません。

日本の中だけで温室栽培された英語学習では、
こうした生きた英語世界では通用しないのです。

〇〇の国の英語は発音がきれいじゃないから、
留学するならアメリカかイギリスだよね。

こんな時代錯誤の発想を持って、
子供を留学に送り出そうとしている人を見るにつけ、
世界は遥かに遠いなと思い知らされます。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。

ちょっと挑発的な内容も書きましたが、
実感として日本のグローバル教育は、
海外で使えない「形だけのもの」になりがち
です。

世界で活躍するためには、
どのようなスキルが必要なのか。

そういった本質的な問いを考えながら、
本当の意味でのグローバル教育を、
お子さんには助けてあげてくださいね。

グローバル教育=英語教育なんて言っている、
時代錯誤な人や学校に騙されないように(笑)。


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