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あるコーヒーと、トイレットペーパーが幻になっていた話

今日僕は無性にあるものが飲みたかった。
そう、「キリン ファイアワンデイブラック」である。
https://www.kirin.co.jp/products/softdrink/fire/oneday/

マツコ・デラックスさんがCMをやっていたアレだ。今日はなんだかコイツが飲みたい。そう思った僕は早速、家の近くのコンビニへ向かった。自動ドアをくぐり、他の商品には目もくれず飲料コーナーへ。棚を隅から隅まで見渡した。が、無い。最近僕がよく飲んでいたクラフトボスは、ブラックもカフェラテも置いてある。キリンから出ているはずの銀色の包装のペットボトルコーヒーはなぜか置いていなかった。

ははーん、そうか。ここのコンビニのオーナーの選り好みでキリンのコーヒーは缶コーヒーしか置いてもらえないんだろうなぁ。かわいそうに。ここに一人、客を逃してしまったな。そう思いながら僕は、別のコンビニへ向かうべく、このコンビニを後にした。


2軒目のコンビニに着いた。さて、ここには流石に置いてあるだろう。2軒目だしね。

自動ドアをくぐり、他の商品には目もくれず飲料コーナーへ。そして棚を隅から隅まで見る。おかしい…。そこにはクラフトボスの「パイプを咥えたおじさん」の顔しかなかった。くそぅ…。いつもお世話になっている馴染みの顔だが、今日飲みたいのは残念ながらお前じゃないんだ。ごめんよ。レジ待ちの列を横目に、ここのコンビニも何も買わずに後にした。


なぜあの渋いおじさんは棚に鎮座していてキリンファイアワンデイブラックはないんだ?どこに置いてある…。諦めん。諦めんぞ。今日はどうしてもキリンのペットボトルコーヒーが飲みたいんだ!そう思った僕はGoogle Mapを開き、近くのコンビニ、スーパーマーケットを検索した。よし、一番近いのはスーパーマーケット。そこに向かおう。「どデカうまい。」幻のコーヒーを求めて。


5分ほど歩いたところにそのスーパーマーケットはあった。自動ドアをくぐり、他の商品には目もくれず…、ん?トイレットペーパー、ティッシュペーパー品切れ??見ると、すっからかんになった紙製品コーナーがそこにはあった。

ツイッターでトイレットペーパーが無くなるというデマが流れているというのは見た気がするけど、まさか本当だとは。あれ、うちはまだトイレットペーパーあるからいいけど、これストックが切れそうな人、もしくは切れちゃった人ってどうするの?…いかん、いかん。僕が今欲しいのはトイレットペーパーじゃない。「幻のコーヒー」だ。紙製品コーナーから飲料コーナーに向かう。コーヒーがまとまって置いてあるところを隅から隅まで見た。しかし、またしてもそこにいたのは、ボスの「パイプを咥えたおじさん」だけだった。

いや、なんでーっ!!僕はそのスーパーマーケットを出た。


キリンのペットボトルコーヒーってここまで入手難易度高かったのか?うーんと、悩みながら入ったのは、スーパーマーケットのすぐ向かいにあったドラッグストア。意外とこういうところにあったりするかもな…。そんな淡い期待を持って自動ドアを…ん?トイレットペーパー、ティッシュペーパー品切れ中 入荷時期未定 店長 ??

すごいな。いよいよトイレットペーパーも幻になったか。中に入ってみると、先程のスーパーマーケット同様、紙製品コーナーがすっからかんになっていた。これ本当に紙製品が幻になったのか…。しかも入荷時期未定ときた。デマの力って恐ろしいな。多分デマをそのまま受け取って買いに行った人、そのデマを信じて買いに行った人がいるから無くなるかもしれないと思って買いに行った人がいるだろう。業界団体の方は在庫は十分にあると言っているらしいけれど、今現在、入手困難なのはちょっとやばい気がする。もし、自分の家にトイレットペーパー、ティッシュペーパーがなかったら。どうしていただろうと、考えただけでも絶望しか無い。

どうも買い占めていったであろう方々は、みんなインターネット、情報リテラシーが低い気がする。手に入れた情報が本当に正しいのかどうか、そのまま鵜呑みにするのではなくて、最初は疑ってかかって、色々な記事を読んでみたり、様々な情報メディアから出されている情報に目を通してみるということをしていないのでは?要は、インターネットに転がっている情報なんて、砂金を探すようなもので、たまに砂金が見つかれば万々歳なのだ。そういう事をしている人ってどれくらいいるのだろう。僕はスマホにニュースアプリは5つ入れていて、全てざっとチェックしているし、ツイッターも情報収集に使っている(自分とは違う考えの人もわざとフォローしている)。だからこそ、トイレットペーパーが無くなるのはデマという情報は手に入れていたのだけれど、僕は甘かった。大衆の行動は予測できなかった。本当に、まだまだ自分は甘いな…。くそぅ…これからは生活必需品はみんな一個はストックを作っておくべきだ。少なくとも今回の事態が終息次第僕はそうする。で、そう考えた今回買えなかった人たちが僕と同じ事考えて、また紙製品不足と。きっとそうなるだろう。そうならないように十分なストックが「お店にできた」時、僕は自分の家にストックを1つだけ作るとしよう。

…まて、こんなことを考えている場合ではない。僕は「幻のコーヒー」を買いに来たのだ。こうしている間にコーヒーが売れてしまっているかもしれない。確認した小さな飲料コーナーに置いてあったのは、またしても「パイプを咥えたおじさん」だった。


現在21歳の僕が今の紙製品不足について思ったことを書いてみました。ちなみに、「幻のコーヒー」は幻で、結局「パイプを咥えたおじさん」のブラックを買って帰りました。「幻のコーヒー」はどこに置いていますか?
             

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