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パラレルなワールド-2 パソコン

2007年9月30日 

母がテレビになってから 

4日後 ドアホンがなった 

「宅配便でーす」か・・・ 

出てみると 
デスクトップなパソコンの箱だ 

母に聞くと 知らないっ 
とアイドルに化けて言うので 
僕はいやーな感じがして 
箱を開けた 

案の定 父がパソコンになっていた 

起ち上げると陽気な声 

なんかこんなことになってさー 
ははははははははは 

あらあらおほほほ 

って二人とも! 

なんでそんなに 
のほほんなんだ! 
不真面目すぎる! 
この家のローンはどうするんだ! 
団地の清掃だって今度当番だろ? 
僕やだかんね! 
角のおじさんうるさいんだもの・・・ 

今はそれどころではないことを 
またも僕はわめき続けた 

でも やっぱり疲れてしまい 
だまってキーボードをたたく 

かたたたたたたっ 

なにがいけなかったんだろう? 

かたっ 

ナニが行けなかったんだろう? 
お前意外と卑猥だな 

父の性格上 
文字が素直に変換されるわけがない 

やめてよ父さん 

突然無意味に 
変なスクリーンセーバーになるのは 

あ 勝手に僕の名前で 
クラスの子にメールなんかしないで! 

へへーしってるぞーじゃないよ 

そんなことばっかしてると 
強制終了しちゃうよ! 

大人げなく すねた父は 
ネットの中に姿を隠してしまった 

なにやってんだか 

まあ 
次の休みの日にでも 

ちょっと型遅れの母と 
スペックだけは最新の父のために 

変換器でも買ってきて 
つないであげるか・・・ 

はぁ~あ 


『べそっかきとびかむしの涙』より一部改変 



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