Bリーグ第27節アルバルク-千葉J。持ち味を出し切った痛み分け。
3/23(土)、3/24(日)はアルバルクのホーム代々木第一体育館でBリーグ第27節アルバルクー千葉Jのゲームがアリーナの半数近くをジェッツブースターが占める中行われました。
アルバルクは昨シーズンからCSを含めて千葉Jには6連敗中。ここで連勝して苦手意識を払拭したいところでした。
しかし今節の結果は、第1ゲーム81-62でアルバルクの勝利。第2ゲームは69-70、1点差で千葉Jが雪辱を果たし痛み分けとなりました。
シーズンも終盤となりCSでの対戦も現実味を帯びています。レギュラーシーズンでは千葉Jとの対戦は残り1試合となっています。
次、勝って千葉Jとのシーズン対戦成績をタイにしたいものです。
今節第1ゲーム、アルバルクは千葉に対して理想的な試合運びをしました。逆に2戦目では千葉のディフェンスに手を焼き最後は千葉Jの強みであるファストブレイクで試合を決められてしまいました。
第1ゲームアルバルクは千葉に対してどこが良かったのか?第2ゲーム千葉Jはアルバルクに対して何を変えて勝利を収めたのでしょうか?
そして次回、千葉Jに対してどのように戦うべきか考察してみたいと思います。
スローペース、ペイントアタック、3Pを打たせない。
ところで私、ゲーム1試合後に代々木第一から東京駅までアルバルク特別仕様ハイエースに乗って送ってもらえるイベントに運よく当選しました。
おそらく新Aアリーナでのモビリティサービスの実験の一環なのかもしれませんが、初めて行われたようでした。
何の話かと思いますよね。
その車の中でリモートでモニター越しにアルバルカーズ数名がテーブス選手とゆるゆるお話をする機会に恵まれたのです。(そうです。試合後のインタビューみたいです。)
聞いてみました。この6連敗中の千葉J相手に気を付けていた点は?
「できるだけゆっくりしたペースにしようとしました。」
茨城戦も群馬戦もトランジションの速い展開からファストブレイクで打ち合いになり苦戦を強いられました。千葉Jを相手にしたらなおさらです。
第1にペースコントロールがよかった。これは1戦目2戦目も千葉Jの得点を70点以下に抑えていることからも、意識されていたと思います。
また、ファストブレイクポイントもゲーム1はアルバルク9点に対して千葉Jは0点に抑えています。
次にアルバルクのセットオフェンスからロシターのフローター、サイズのゴール下、面取りをしてポストアタックなど、2Pを確率高く得点するペイントアタックが良かったと思うのです。この日は2Pが24/38(63.2%)決まっています。メインデルのプッシュからのファストブレイクも含めて効率的に2Pを奪えたようです。
千葉Jもアルバルクのセット対策はしていました。アルバルクのスペインピックはサイズのダイブを富樫が体をぶつけてペイントに入れない間にブラウンが小酒部のスクリーンを抜けてもどります。ペイント中央には原がヘルプに来ていて、なかなかサイズにボールが入らず、ドライブもできませんでした。
しかし、この日は第1Q のリードされて苦しい時間帯に安藤の3Pが効果的に入りました。アルバルクはこの日の3Pは8/26(30.8%)です。
さらにアルバルクが良かったところは千葉Jに3Pを打たせず、決めさせず、PnRからのドライブはタグに入って許さず。を遂行できたディフェンスにあります。
この日の千葉Jは3Pは3/23本(13.0%)です。ゲーム2でも5/23本(21.7%)千葉Jの3P平均値が10.2/31.4本(32.3%)ですのでスミスのケガによるリタイヤもありますが、小酒部の富樫に対するハードマークで富樫の平均3P(3/10本)を1/8本(ゲーム1)、0/8本(ゲーム2)に抑え込んだことはロースコアゲームに持っていく要因の一つでありました。
こうしてアルバルクは千葉Jに対する勝利を久しぶりにもたらしてくれました。
因みにテーブス選手はこの日一番してやったりのプレーは何かと問われて「第3Q終わりのシャムゴッドです。ベンチも盛り上がってました。」
スミマセン。「シャムゴッド」って何? 知りませんでした。
逆手のクロスオーバーで千葉Jの小川を抜き去ってレイアップを決めたプレーのことのようでした。
千葉Jの改善点、ディフェンスローテーション
ゲーム2になると千葉Jはスタートのメンバーにブラウンから小川をいれて速い展開を狙っているように見受けられました。また、ファストポゼッションで原がラインに足がかかって2Pにはなりましたが3Pを打っていく姿に気合を見せていました。
3P、トランジション、ハードディフェンス。 目指すべきところは千葉Jらしいバスケットの遂行だったのではないかと思います。
前述したようにこのうち3Pは5/23本(21.7%)ペースについてもファストブレイクポイントは8点と好転しましたが千葉Jの平均得点85.1点からすれば70得点は少し寂しいところでしょう。
それでも、勝てばいいんです。
千葉Jのディフェンスが素晴らしかったです。
ピックにはハードショウからブリッツ、小川はテーブスに張り付いてテーブスはやりにくそうですし、とにかくインサイドが割れませんでした。
アルバルクのモーションオフェンス(ダウンスクリーン、ハンドオフ、PNR)で小酒部が中にカットしてボールを受けてもムーニーがヘルプに入り、打たせてもらえもせん。そのローテーションの速いこと。音速です。
ピックやスペインでサイズをダイブさせて富樫とミスマッチを作ってもウイングのロシターを見ていたクックスがすぐさまサイズに寄って、ムーニーもペイント真ん中でボックスアウトしています。
サイズ、ロシターのペイントで得点を重ねるアルバルクのスタイルには天敵のようなディフェンスを披露していました。
この日のアルバルクの2Pは14/33本(40.7%)アルバルクの平均は22.2/42本(52.8%)、前述のゲーム1の24/38本(63.2%)を大きく割り込んでいます。さらに10本ものスティールを奪われ、15本もターンオーバーを誘発されました。千葉Jのディフェンスのクオリティの高さを物語っています。
ゲーム2はリードチェンジを繰り返しましたが、第3Q後半から富樫のクイックネスとクックスのペイントアタックを防げずに千葉Jの追撃を許し、第4Qオフィシャルタイム明けからディフェンスの強度が上がった千葉Jを攻めきれず、残り2分15秒、ムーニーがサイズからスティール→ファストブレイクを決められました。(67-66)
そこから2分間ロシターのインサイドアタック、フローター、小酒部のドライブ、ことごとく弾かれ、残り44秒、ブラウンのDRからムーニー→西村。ファストブレイクで勝負ありとなりました。
アルバルクが良かった点、改善するべき点とは
千葉Jのブリッツに手を焼くアルバルクでしたが第2Q後半、千葉Jのディフェンス強度が少し落ちると次々とセットプレーからインサイドを割って得点するようになり一時13点差開いた第2Q前半から終わりまでに2点差まで息を吹き返します。
オフェンスリバウンドを回収するようになるとセカンドチャンスを得点しテーブスやメインデルが3Pでつなぎ、なかなかインサイドが割れなくて苦しい時でもサイズがペイントの外から得点を獲得していました。
一方、ディフェンスでは富樫に小酒部が付いていますが、リピックやスタガードスクリーンなどでピックを2度掛けられるとどうしても富樫から離れてスイッチします。
スイッチした先はサイズやロシターなどで、富樫にとってはスピードのミスマッチ。ドライブの餌食となっていました。
ところが、ここに吉井が入ってスイッチした場面では富樫をタフに追い詰めてミスショットを誘いスティールもしていました。
吉井のハードショウは富樫には効果的でした。
第3Q前半はアルバルクのスペインピック、マイアミアクション(ハンドオフ+PnR)が決まりだし、インサイドでダンク、キックアウト3Pなどでリードを奪う場面がありました。
得点できない場面でも、アルバルクのセットオフェンスの仕掛けは成功していたと思います。
ヘルプ、ダブルチームは厄介ですが必ず一人フリーになるからです。
正しい判断、判断の速さ、遂行力がアルバルクを勝利に導いてくれると信じています。
次回の千葉J戦は4/17(水)。場所はホーム代々木第一です。借りを返しましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?