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君はなぜ殴られるのか。

久しぶりの記事投稿になりました。

やっと仕事の繁忙期が過ぎましたので、ここ数年もやもやしてたことについて書いてみようと思います。

「部活動の体罰」について

今回のテーマは部活動の体罰についてです。

ドラマ『スクールウォーズ』の有名なシーンで、今から俺はお前たちを殴る!!と、山下真司さんがファイト一発をかますシーンがありますが、現代ではこれは完全にNGです。いや、いつの時代も人を殴っていい時なんてありません。部活動での体罰は、成績によって美談にされやすく、体罰を根絶するのは非常に困難です。

最近、バレーボール元全日本代表益子直美さんが、体罰をなくすための活動をされていることを知りました。
現役の指導者に対して、練習中に直接『それは体罰、ハラスメントですよ』と伝える方法で、とても効果的な取り組みだなと思います。

僕は高校まで、バレーボールをしていました。入学した高校は全国大会に何度も出場する強豪校で、同級生には特待生も多くいました。僕は一般生でしたが、顧問がたまたま僕のことを知っていてたので入学後に声を掛けてもららい、入部しました。
以降、3年間ベンチ入りするかしないかの立場で、成績には全く貢献できず。ただトップクラスの子と過ごしていて、特別な景色が見れたと思っています。特待生って、マジでレベルが違いました。

今回のテーマ「部活動の体罰」に対する考え方は、この時にできたものです。僕は「体罰の原因」を肌で感じたと思っています。

結論を言います。

体罰の原因は、コミュニケーションの齟齬です。
あえてコミュニケーションの不足ではなく、齟齬と言います。

もう15年以上も前のことです。

練習後の部室で、1つ上の先輩が「〇〇(顧問のあだ名)、言ってる意味がわからん!」と言っていました。その時は、まあやってる側と指導する側だし、そういう煩いことを言うのが先生だもんなぁと思っていました。

翌年僕らが3年生になった時、同級生にも、「〇〇、ほんといつも何言ってるか分かんないんだよね。はい!!って答えるけどさ、お前がやってみろと思うわ」と口にする子がいました。確かになぁ、言うは易く行うは難しってこともあるかなと思いました。

ただ、3年間毎日高いレベルでバレーボールをやっていると、プレーで貢献できない僕でも、知識は増えます。戦術やセオリーについて詳しくなるので、ベンチ外の僕でも「すべきプレー」自体はわかるようになりました。

だから、顧問が口にすることは理解できますし、むちゃくちゃな事は言ってないのもわかります。ただ僕にはそのプレーはできません。出来るのは特待生の子です。だからこそ彼らの凄みを感じました。

自分がいた3年間で顧問からビンタを食らっていたのは、文句を口にした2人のみでした。

当時は2人に対する期待の裏返しだと思っていましたが、思い返すとそれ以外のこともあると思います。

彼ら2人とも、県内随一のバレーボールセンスを持っていました。国体にも出る選手なので、下手なわけがありません。

ただ引っ掛かったのが、コミュニケーションがあまり上手ではない子で、勘違いが多かったというところ。コミュ障ではないのですが、なんでそんな反応するの?みたいなことも多く、「天然ちゃん」で片づけて良かったのかな?と今になって思ってしまいます。

スポーツは感情が伴うもので、うまくいかないとフラストレーションが溜まります。指導者はたまったフラストレーションをビンタに込めてしまう。そのフラストレーションの原因は、伝わるはずのことが伝わっていない。できると思っているはずのことができていない。というものだと思います。

なぜ伝わらないのか。

選手が下手なのか?

そんなわけありません。繰り返しますが、彼らは日本でもバレーボールがとても上手な部類に入る子です。

強豪校の指導者と、強豪校の特待生。
高いレベルの指導とそれに十分に応えられる能力。

唯一そこに欠けていたのは、
伝える力と、聞いて理解する力だったと思います。

皆さんの周りにも、一芸に秀でた人がいると思います。能力のペンタゴングラフが独特なタイプ、その中には、現代では「障害」とされる人もいるでしょう。当然、スポーツ界も例外ではなく、そういう人は多いと思います。

今思うと、きっと彼ら2人はバレーボールに突出した能力があったんだろうなと思います。それ以外のことが苦手になるくらい、突出した能力があったのです。

指導者に必要なこと

これからの指導者に必要なことは、個人に伝える力だと思います。

チーム全体を強くすることで、成績と名声はついてきます。一方でこれまで個人の成長は2番目以降にカウントされることが多かったと感じます。

ですのでこれからは、選手個人が実現できることを最上限として、個人に確実伝わるコミュニケーション力が必要だと思います。

コミュニケーションは相手ありきです。伝わらない理由が相手にあることも忘れてはいけません。そして部活動という限られた時間の中で、一人ひとりと話すのは難しいです。

ただ、有り余る才能を開花させるのは、1、2分のゆっくりとした話し合いかもしれません。どこがわからないのか、ちょっとゆっくり話してみるといいかもしれないなと思います。

結局は、益子直美さんが行っていることに繋がってしまいました。

これまで伝わらない苛立ちを、ビンタに込める日が0になりますように。座ってゆっくり話す時間が、1分でも増えますように。

部活動は苦痛ではなく、貴重な青春なのですから。

#体罰
#部活動
#エッセイ

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