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【Podcast出演記念】副音声的な補足、あるいは2024年のアントレ教育の現在地について①

こんにちは、タクトピアの長井です。2021年度にタクトピアの考えるアントレプレナーシップ教育のまとめを書いてから、はや3年が経ちました。この間に、岸田総理による「高校生等へのアントレプレナーシップ教育の拡大」が宣言され(2023年6月)、文科省や各自治体、各学校に至るまで、いよいよ状況が動き出した感があります。2015年からアントレプレナーシップ教育の重要性を提唱していたタクトピアとしては感慨深いものがあります。

体系だった情報のアップデートもおこないたいのですが、そうこうしているうちに、とあるPodcastチャンネルからゲスト出演のオファーをいただき、晴れてリリースの日を迎えることになりました。せっかくなので、この放送に注釈をつけるかたちで最近のタクトピアあるいは長井が考えていることを補足解説することで、アントレプレナーシップ教育に関する現在の認識をお伝えしたいと思います。


出演したPodcast番組について

ありがたくも出演オファーを頂いたのは以下の番組です。

むにむに 〜世界を変える社会起業家〜
社会課題解決に取り組む方々から「誰もとりこぼさない社会」を作るためのヒントを学ぶポッドキャスト番組(提供:認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ) 
メインパーソナリティは40歳を超えてNPOに関わり始めたじゅんと、20代のポッドキャストプロデューサーのひとしの2人でお送りします。 
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ちなみにMCのひとりである「ひとし」さんは、2023年のPodcast Award大賞を受賞した番組「Teacher Teacher」のメインパーソナリティでもあります。私は以前からこの番組を聴いていたので、収録時に直接お会いできると知って内心テンションが爆上がりしていました。

以下、番組の再生時間([mm:ss])+だいたいのトピックを見出しとして、補足を加えたいこと・派生して話をしたかったけど番組の尺的に収まらなかったことなどをコメントしていきます。ぜひ、Podcastを再生しながら映画の副音声コメンタリーのような位置づけでお読み頂ければ幸いです。

では、いってみましょう!(なお、この記事でご紹介するのは前後編の前編となります。後編は来週放送予定です)
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副音声的補足・解説

[02:22] + 起業家教育界のトップランナー

光栄ながら何回聴いても冷や汗が吹き出るフレーズ。じゅんさんが言いたかったことを補足すると以下の2点。
①起業家教育(起業家を育成輩出することを主目的とする教育)というよりは起業家精神(アントレプレナーシップ)教育として、起業家志望者以外にも広く届けるべく活動をしている。
②かつ、この種の教育全般のトップランナーというよりは、「再現可能な=誰でも学べば一定程度以上のアントレプレナーシップが身につく」教育を志向しているという意味での先進性を評価いただいている。「教科書」という表現はそのニュアンスを示している。

[03:22] + ある学校の奇跡のストーリーを書いた本

番組内では書名に触れていないが、言わずと知れたこちらの本 → 日野田直彦先生『なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか! ?
当時の大阪府立箕面高校の躍進については、現場の先生方の奮闘の賜物であることは議論の余地なしだが、あの改革の一助となれたことはタクトピアの大きな経験値となった。

[05:32] + Teacher Teacherを聴いている

ここで長井が述べているコメントは、後編の配信で詳しく説明されるので伏線回収をお待ち下さい。なお「名は体を表す」の読みを「たい」ではなく「てい」と間違っているのはものすごく恥ずかしい。

[10:16] + 卒業生でグローカルリーダーの例

長井が紹介している清澄白河のボクシングジムはこちら。収録当日の朝に、このジムの創設者でプログラム卒業生の方から、開業1周年と2店舗目拡大の連絡をいただいたので嬉しすぎて事例としてもそのまま紹介してしまった。タクトピアの考える「グローカル」を象徴的に体現している事業だと思っている。もちろん、トーキョードカンの他の卒業生たちの活躍も目覚ましく、それぞれがグローカルリーダーシップを発揮している、世にも稀なコミュニティとして成長している。

[15:22] + 研究者で新しいビジネスをつくっている人

長井が言及しているのは、長井の実弟がファウンダーとして参画しているFlox Bio社のこと。

[16:30] + アントレプレナーシップを水泳に例える

アントレプレナーシップが何に役立つのか?と聞かれた際の答え方として、水泳に例えるのは有効性が高いと思っている。その理由として
①サバイバルスキルとして説明しやすい(船舶の水没や水害は、水に囲まれた日本に暮らす以上、常に想定する危機として納得しやすい)
②競技人口が多く、「ちょっと泳げる」レベルから「オリンピックでメダルを獲る」レベルまで、技能に幅があることが容易に想像できる。アントレプレナーシップを学ぶ場合にも、一部の人はオリンピックレベル=国を代表するようなスタートアップ創業者になるかもしれないが、すべての人がそのレベルを目指して学び始める必要はない。むしろ、教育としては「誰もがある程度泳げる」という人材の裾野の広さを実現することが重要だと考える。

[17:04] + アントレプレナーシップを学ぶ「9つのP」

タクトピアのアントレプレナーシップ教育メソッドの背骨をなす9つのPについては、Podcast概要欄に貼ってあるリンク(経済産業省「未来の教室」事業のレポート)か、以前のnoteにまとめたこちらの記事から。なお後者は、後半の配信で触れるはずの10個めのPがすでに触れられてしまっておりネタバレ感が否めないが、ご容赦。

[22:35] + どの視点から、アントレプレナーシップ教育が重要だと言っているのか

個々人が自分の人生を選べる/つくれる幸せを追求するためにアントレプレナーシップが必要、という信念は、TAKTOPIA(TAKT + UTOPIA)という社名を決めたときから揺らいでいない。実際にはTAKTというキーワードは起業1社目であるハバタク(Have a Takt)の社名を発想する時点ですでに登場しており、IBMのビジネスコンサルタント時代の同期であった起業メンバー3人でブレストした成果である。ちなみにTAKTのキーワードが出てきたのは起業合宿に向かうレンタカーの中であった。
また、起業に至るコンサル時代のエピソードは、あくまで入社2年目の若造が主観的に「そう見えた・そう思った」というだけであり、当時の会社の実態を正確に表現したものではない。

次回の放送の予告

いかがでしたでしょうか?まだ議論としては序盤ですが、次回の放送では「実際にプロジェクトを始める一歩目はどうやって踏み出せばよいのか」「何も起業の種を思い浮かべられない人がすべきこととは?」「社会起業と起業の違いはあるのか?」など、より実践的かつ深い話題が展開しますので、お楽しみにお待ち下さい。よろしければ、Podcastチャンネルをフォローしてくださいね。それではまた来週!