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拷問姫の嘆きごと

地獄の釜が茹で上がる

拷問待ちの難民が

長蛇の列をなす

ちょうど地球1周分の距離だ

次から次へと釜へ

紙切れのように放り込まれていく

そんな中

毎回

耐え切るものがいる

お風呂のように釜へ浸かり

体を温めたあと剣山の山へ

まるで頭皮マッサージかのように

扱っている

すっかり整ったところで

血の池を豪快にすする

なんだこいつは

拷問姫は頭を抱えていた

前科一万件の飛び級案件だ

地上で残虐の限りを尽くしてきた

このままでは

わたしの面目が丸潰れだ

ついにあれを使うか

姫は巨大牛へあごで合図を出した

物理的に潰すしかない

巨大牛は鼻息を天へ吹き出し

やってやるぞといわんばかりに

後ろ足を蹴り出し

猛突進していく

吹き飛ばされることもなく

佇む男

にやりとしたかと思うと

バックドロップからの

腕ひしぎ十字固めを繰り出し

猪木ばりに手を振り上げた

あっという間に調理され

骨を残すこともなく平らげた

満足げにおくびをした後

極寒地獄で爆睡をし

牢へ帰っていった

姫は髪の毛をかきむしりながら

城へ帰り

大号泣し

眠りについた

男は大笑いしながら

明日も平穏な日々が待っていると

蔑んだ目で地上を見下ろした


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