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最強のタンパク質 効率の良い食事と「アミノ酸スコア」

▼目次
■効率よく筋肉を鍛えるには、どんなタンパク質が良いのか?
■良質なタンパク質の指標「アミノ酸スコア」
■「ロイシン」の知られざる機能とは
■結局、何を食べれば良いの?

■効率よく筋肉を鍛えるには、どんなタンパク質が良いのか?

筋トレの効果を高めるために、タンパク質が必要不可不可欠な事は皆さまご存じかと思います。そのため、様々なプロテインやBCAAなどのサプリメント、そして肉を積極的に食べたほうが良いなど、様々な情報で溢れています。全て筋肉に必要な栄養素であることは間違いないのですが、「最も効率よく」筋肉を鍛える食事術はないのか?という一つの答えを出している本をもとに、ご紹介させてただきます。

筋肉を「最も効率よく鍛える方法」についてまとめた記事もありますので、そちらも興味がありましたらご覧ください。

タンパク質を構成する20種類のアミノ酸は、体内でしか合成できず食事から摂取しなければならない9種類の「必須アミノ酸」と、体内で合成できる11種類の「非必須アミノ酸」に分けられます。筋タンパク質は必須アミノ酸でしか合成されず、かつ、9種類のどれかが欠けてもいけません。筋トレ後に摂取すべき良質なタンパク質とは、「 9種類すべての必須アミノ酸をバランスよく含む」ことが絶対条件になるのです。とはいえ、必須アミノ酸をバランスよく含むタンパク質はどのように見分ければいいのでしょうか?

■良質なタンパク質の指標「アミノ酸スコア」

そこで登場するのが、食品やプロテインに含まれる必須アミノ酸の含有率を数値化した「アミノ酸スコア」と呼ばれる指標です。これは、国際連合食糧農業機関( FAO)や世界保健機構( WHO)でも認められた指標です。 9種類すべての必須アミノ酸量がバランスよく含まれ、それぞれ基準値を満たしている場合、アミノ酸スコアは満点の「 100」となり、その食品やプロテインは「良質なタンパク質」とみなされます。 100に満たない場合は1つ、もしくは複数の必須アミノ酸が基準以下であることを示します。
必須アミノ酸のなかでも、近年特に注目されているのが「分岐鎖アミノ酸( BCAA= Branched Chain Amino Acids)」です。アスリートを中心に、運動に効果的な必須アミノ酸として認知されるようになり、様々なお店で「 BCAA配合」と書かれたプロテインやサプリメントを目にすることも増えています。また、食品では、肉、卵、大豆、牛乳などに含まれています。 BCAAとは 3種類の必須アミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。他の必須アミノ酸との最たる違いは、 BCAAは肝臓ではなく、主に筋肉でしか代謝されないことです。この特徴から「必須アミノ酸 9種類のうち、 BCAAだけが筋肉でしか使われないのなら、これをたくさん摂れば、筋タンパク質の合成を効率的に促進でるのではないか?」と考えられるようになったのです。 しかし、スポーツ科学やスポーツ栄養学における最新のエビデンスは、この考えを否定しています。 2017年、イギリス・エクセター大学のジャックマンらは、筋トレ後の筋タンパク質の合成率について、 BCAAを摂取した場合の効果について検証しています。その結果は、BCAAに高い結果(筋タンパク質22%増加)が見られた一方、すべての必須アミノ酸を摂取した方が、さらに高い結果(筋タンパク質50%増加)となった。この知見は2018年の国際スポーツ栄養学会( ISSN)の報告でも支持され、現在は様々な分野で広くコンセンサスを得ています。 筋タンパク質の合成を高めるためには、特定の必須アミノ酸だけでなく、9つすべての必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なタンパク質を摂ることが大切なのです。

■「ロイシン」の知られざる機能とは

それでは BCAAが優れていないのかと言えば、そうでもありません。例えば近年、 BCAAの1つである「ロイシン」に注目が集まっています。実は、筋タンパク質の合成にロイシンが強く影響しているのではないか、と考えられているのです。アミノ酸からタンパク質が合成される際は、 DNAのなかにある設計図(アミノ酸配列の情報)が使われます。この仕組みをさらに詳しく見ると、 DNAのなかにある設計図はまず、メッセンジャーである mRNAにコピー(転写)されます。そして mRNAの情報をもとにアミノ酸が結合され、タンパク質が合成されていきます。 筋タンパク質の合成も同様の仕組みですが、その合成にスイッチを入れるのがmTORです。近年、様々な研究において mTORを活性化させるカギとなるのがロイシンではないかと指摘されているのです。2014年、マクマスター大学のチャーチワードらは、ホエイプロテインに対するロイシン量の影響について検証しています。ロイシンの摂取量が筋タンパク質の合成に強く影響していることを示しています。 ロイシンの効果については他にも報告されており、現在は「 2g以上のロイシン」を含む食品やプロテインを摂ることが推奨されています。また、2017年に出された国際スポーツ栄養学会の公式声明でも、「 0.7~3gのロイシン量」が推奨されています。このように説明すると、「今日からロイシンを積極的に摂ろう!」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、先に説明したBCAAと同様に、他の必須アミノ酸もしっかり摂取したうえで、ロイシンの量が十分に備わっていることが筋タンパク質の合成を高めるポイントになるのです。

■結局、何を食べれば良いの?

これまでの話をまとめると、筋タンパク質の合成を高める良質なタンパク質とは、「アミノ酸スコア100」であり、かつ「ロイシンを2g以上含む」食品やプロテインであると考えることができます。ちなみに、良質なタンパク質を含む食品を選ぶ際は「日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編」も参考になります。また、市販のプロテインには、アミノ酸スコアやロイシンの含有量が明確に表示されているものがあります。このような品質に関する表示も、良質なタンパク質を選ぶ基準となるでしょう。

そこで、最強の食事とプロテインを厳選させて頂きました。

・肉(特に、鶏肉)
・卵(特に、ゆで卵)
・牛乳(特に、低脂肪は避ける)
・大豆
・プロテイン(ロイシンを2g以上含む)

最後に、条件を満たしたおススメプロテインをご紹介します。

普段の食事では、これらの食材を積極的に摂るように心がければ、より素晴らしい筋トレライフ、ダイエットが送れるかと思いますので、是非実践してみてください!


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