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糸魚川石拾い行脚 #糸魚川行脚

2023年8月17日~18日の一泊二日、突発で糸魚川に石拾いに行ってきました。会社の夏季休暇が1週間ちょっとある割に、何も予定がなさ過ぎて退屈だったので、3月に引き続いての糸魚川です。
…まあ夏コミC102とか鎌倉とか気にあるものはあったのですが、夏コミは第九波の新型コロナ波が長い長い上り坂のタイミングで、あのコミケ人口密度に突入する気にならなかった(案の定というか、夏コミサークル参加されたフォロー作家さんが次々と陽性になられておりました。お大事にしていただきたい…)のと、鎌倉はちょっとこの猛暑では楽しめる気がしなかった。

その点糸魚川での石拾いでしたら、海岸はオープンスペースですし、土地柄人混みの心配もないので感染対策ちゃんとしてればあんまり心配はない。
3月の糸魚川行脚は、観光旅行としては良かったですが、鉱物採集、という意味ではだいぶ弱かったので、ちと欲求不満があったのですね。
宿の空き状況を見ると、ちょうど台風が過ぎたころの日付で空きが奇跡的にあったので、ありがたく予約させていただき、台風の予報とにらめっこしながら旅の準備を整えました。

今回はフォッサマグナミュージアムの石の鑑別サービスとは日程が合わなことがわかっていたので、むしろあちらに行くことを気にせず石拾いに集中できるという算段とし、代わりに先日組み上げた比重計一式を担いで宿に持ち込むことにしました。

…阿呆ですねそうですね。比重なんか家で調べろよって感じですが(笑)

3月の糸魚川では「石をたくさん持ち帰る」ことを目標にしていたので沢山担いで持ってきたのですが、帰ってきて品定めするとコレジャナイ感のある石も多く、収納を圧迫するだけの結果にもなったので、今回は逆に数を絞って、自分の琴線にピンと触れる石を少数セレクトして持ち帰る方針。
それには旅の興奮からちょっと離れた冷静な目で石をセレクトする必要があり、まあ比重計ればなんとなく目も覚めるだろうという安易な策で参りました。

石拾いに集中したいので、旅程は単純にして、場所は過去3回の糸魚川行脚で一番良いなあと感じていた親不知海岸に集中。あそこはドライブインになっているので、まだ利用したことはなかったですが簡易の食堂などもあり、単独行の自分としては生存しやすい(大袈裟なことを言うんじゃない)環境になっています。
加えて時間が作れれば、姫川沿いの「ひすいの湯」に浸かって来ようかという、ざっくりとした旅程を立てていざ出発です。


東京駅

4回目ともなるとだいぶ慣れてきましたが東京駅から新幹線に乗って、一路糸魚川へ。
最寄りの大森駅から乗り換え一回でいけるってーのは大変便利ですね。


金格ハンバーグとあぶり焼き弁当

お出かけの楽しみと言えば駅弁。毎度直感で選びますが今回は大当たりを引いたので幸先が良いです。帰りに家族の晩御飯兼お土産でも買って帰りましたが、舌が肥えてる弟も喜んでいたので、1回食べる価値はありますですよ。
ハンバーグがうまうまですが全体的にバランスが良く、脂っこさを感じないので油苦手な方でもお肉を楽しめます。


糸魚川駅

ほどなく糸魚川駅着。そのままローカル線で親不知駅に移動。

親不知駅

ここから親不知海岸までは15分ちょっと歩きますが、結構怖い道です。

海岸
カメ

元々が海水浴場ですので、シーズンということもあり過去見たことがないほど車がたくさんいました。それでも、普段に比べて、なので人でごった返すようなことはありませんが。

親不知海岸の砂利浜は、越中宮崎の海岸ほど広くなく、程よい感じで歩き回れるので好きです。過去初めて翡翠の自己採取に成功したのもこの浜ですので縁起も良い。
誤算は、あてにしていたドライブインの簡易食堂が木曜日定休日で利用できなかったことでしょうか(><)
2階建ての方の食堂はやってましたが、お客さんが集中して待ち時間が凄かったので断念。こんなこともあろうかと持参していた携帯食糧で昼は済ますことに。

糸魚川の海岸には、ボランティアでヒスイの見分けしてくれる人が居ると良く聞くのですが、自分は過去3回の採集で見かけたことがありませんでした。
今回は翡翠売りのお姉さんが見てくださったので、1週目の釣果を見ていただくことが出来まして。拾った中からセレクトしたいくつかを見ていただくことに。

お姉さん「石英石英石英…」
俺「ウボァー…」

石英の見分けもつくようになったつもりでしたが、まだまだですね。

1点、お姉さんが目を止めたものがあり。

お姉さん「これは桃簾石」
俺「えー…まじすか?」

桃簾石

ヒスイではないのですが、ピンク翡翠と呼ばれる、翡翠より大分珍しい標本です。鉱物としてはクリノゾイサイトとかチューライトとか言われますが、ググる限りでははっきりしません。

比重は2.74

比重は2.739程度ですが、石英と思われる脈がかなり入っているのであんまりアテになりません。桃簾石の比重はググったところ3.10~3.38、もしくは3.21~3.38。
お姉さんに教えていただいたところでは、赤黒いところが劣化した表面らしく、こういう模様になるのが定番だとのことです。
目の効く人が言うのであれば、素直に桃簾石と思って喜んでおこうと思います。

ところで、これが桃簾石なら、3月に同じく親不知で拾ったこっちも桃簾石でよさそうです。横浜のミネラルザワールドでたまさか見てもらった店では「玄武岩」と言われ、まさかそれはねえだろうと思ってましたが。

比重は3.36

比重で言えばこっちの方がよほど桃簾石です。特徴もよく似ています。

いやあしかし、親不知海岸で見てもらったときは、あまりにびっくりして実感がわきませんでしたが、宿に戻ってじっくり眺めつつ思い返してみると、嬉しいことこの上ないです。
糸魚川で採集できる翡翠以外の鉱物の中では、デュモルチェライト、コランダムと並んで、自分で拾ってみたい鉱物3つのうちに入ります。
他の二つも、いずれ拾える日が来るのでしょうか…。拾えたとして、自分で確認できる気がしませんな。

親不知海岸は丸1日かけて3週ぐらいしたいと思っていましたが、前日に確認していた天気予報では午後からの降水確率60%。台風が過ぎたばかりということを考えると天候には注意しなくてはなりません。
2週目をしている最中に、波が荒れて雲行きも怪しくなってきたので、少し早めに切り上げ。海から上がった後片付けにも時間がかかりますから。

親不知の駅にどうにかたどり着いた途端、遠雷がとどろき始め、雨もザーッと強く降り出しまして、見切りは正しかったと胸をなでおろしました。
浜辺での雷雨は命の危険がありますから大分怖いです。
…まあ、この駅舎は作りが華奢なので、土砂崩れでも来たらひとたまりもありませんが。

幸い何事もなく電車に飛び乗り、糸魚川駅に到着。

いつもお土産を買うのに利用させていただいている駅併設の翡翠王国館で取り急ぎ米と酒を買って東京に発送し、いつものように翡翠製品の区画をのんびり眺める。と、なんと3月に無くなっていた翡翠削り出しのぐい飲みが!

値段は!?高い!大きいのが10万超えてる!コロナ前に見定めたのは2万円台だったはずですが、まあアレは売れちゃったし、こういう物の価格帯はわからないものです。

もう二回り小さいタイプのが4個あり、こちらは何とか手が届く範囲。悩ましい…3月は買うつもりでお金用意していましたが、今回は突発旅行なので金額抑えめにする予定で来ています。ミネショのノリでATMダッシュしてしまえば、というロジックで行けば、踏ん切り付けるかどうかってだけのもの代ではあります。でも今週は予想外の出会いをしたスピネル結晶に諭吉が飛んでますし。色々考えてしまいます。

店員さんに尋ねてみると、ちゃんと糸魚川産の翡翠製で、お酒飲むのに使って問題ないとのこと。
「一晩考えて明日また来ます!」と、いったんその場は辞しました。

さて宿に荷物を置いたら少し散策。3月に来た時にもぬけの殻になっていた翡翠王国館の店舗スペースにはカフェなどがいくつか入ってる様子。
駅の周辺では、やはり空き店舗が目立ちます。唯一の翡翠ジュエリーショップも休業の張り紙が3月のままです。復活されていることを期待していましたが…。

晩御飯はだいぶ困りました。3月に海鮮料理のお店をだいぶ開拓していたので、魚食べるつもりでいたのですが、軒並み臨時休業。
恐らく台風一過では漁に出られなかったのかなあ、と推測。考えてみれば当然ですが、観光客(俺)というのは自分の目線で考えてしまうからダメですね。
すきっ腹ではしょうがないので中華屋さんで麻婆豆腐などなどをいただきまして、宿に戻ります。


自作比重計

二週目に拾ったものを一通り、持ち込んだ比重計で計測。

石英石英石英…ウボァー

比重が3以上のものを残して、リリース用に明日の採集荷物にまとめます。

翌日の行動ですが、だいぶ悩ましい。天気予報では雨の予報は出てますが降水確率は40%。
当初のざっくり計画では二日とも親不知海岸のつもりでしたが、電車の本数を考えると割と行動が制限されるのがネック。できれば「ひすいの湯」で温泉浴びてから帰りたい…。

考えた末、ヒスイ海岸の方で午前中採集することに。
行きは電車で行けば楽ですし、帰りは距離的に歩けないこともない。
前にレンタサイクルでは何度か行ってるので道はわかりますし、GoogleMapを信じるなら徒歩30分圏内ですから、最悪歩いて糸魚川まで戻れます。
道程も街中ですから悪天候でもそんなに怖がらなくてよい。

予定を決めたらお風呂に入っておやすみなさいです。

聖地

翌日、ヒスイ海岸です。…看板新しくなりましたか?
波は大分高め。こちらも海水浴場ということで家族連れらしき車が何台かと待っているのはこれまで見たことがない光景。でもちょっと泳げる波ではないなあという感じ。

海岸からそのまま降りた浜は砂浜化しており、砂利があまりなく大分がっかりしました。やはり親不知海岸に行けば良かったか…?

しばし採集してから、セブンイレブンの前のところまで移動して浜に降りたら、こちらは嬉しい砂利砂利の砂利浜で歓喜です。
翡翠拾いの人もこちらには結構居まして、それぞれに翡翠棒であちこち漁っておりました。

長居するつもりはなかったので、一周のんびりじっくり採集してから、いったん上がって品定め。石を一通り乾かしてから、明らかに石英のものとか面白みがない物をリリースして10個程度に絞って引き上げです。

便利な駅

3月も利用した、多分新駅だと思うのですが、この駅があると翡翠探しにはとても便利ですね。
時刻表を見たら、うまい具合にちょうど電車が来るタイミングでしたので、歩かずに糸魚川まで戻れました。そのまま「ひすいの湯」へ移動。

ひすいの湯

ここの温泉は本当に気持ちが良いので、糸魚川においでの際は是非ご利用ください。
特に鉱物採集に来る方は、石を拾って石(鉱物温泉)に浸かるってーのは鉄板だと俺は信じている。

ひすいの湯・食堂メニュー
今回の俺のジャスティス

「ひすいの湯」には簡易の食堂があるのでご飯いただきます。メニューはその日無いものもあるので(カツ系とかは毎回品切れの印象、多分作れるスタッフがいないときはないのでしょう)ご注意です。
銭湯の類ではコーヒー牛乳が俺のジャスティスですが、この日はあいにく売り切れ(><)
それならばと、旅先特権で生ビールが今回のジャスティスです。
炎天下で採集活動した後、温泉に浸かって飲むビールは格別です。うまかったぁー!

のんびり疲れを癒した後は糸魚川駅へ。またしても時刻表に恵まれ、姫川駅から電車で戻れました。

姫川駅

新幹線の時間を確認し、まだ時間があるのを見て取ると、昨日出会った翡翠のぐい飲みを品定めに翡翠王国館へ。
何より直接見ないといけません、ということで、店員さんにショーケースを開けてもらい、品定め。この時点で、もうほぼ購入する踏ん切りは付いています。
悩んだ末に…

糸魚川翡翠のぐい飲み

一番小さいですが、一番姿が良かったこの子を連れて帰りました。やりました!
他には灰色翡翠の大きめのもの、これと同じく緑翡翠のもの、ラベンダー翡翠が入ったものがありました。他の大きい奴、10万越えのは灰色翡翠っぽかったですねー。

店員さんに話を聞いたところ、高価な割に、翡翠のぐい飲みは人気商品だそうです。そしてなかなか入荷しないとのこと。
今回はたまたま入荷したばかりということで、選べるだけの品数があり、幸いでした。
まあ、次回いつ来るか、また来た時又あるとは限りませんし、踏み切って良かったことにしておきます。
帰宅して早速使わせていただきましたが、なんとも良い気分で日本酒が進みました。大事にしたいです(^^)

帰還

あとは新幹線に乗って帰るだけです。実り多い楽しい旅路でした。
お世話になった方々、本当にありがとうございました。

さて、今回は比重計れるようになったこともあり、採集してきた中でこれはというものを写真載せておきます。
ヒスイかどうか、相変わらず確信が持てません。
毎度痛感しますが、砂利浜でも、「翡翠がないのか」「自分の目が効かないのか」がさっぱりわかりません。多分両方なのでしょうが…
どなたか玄人の方、翡翠ありそうでしたらコメントいただければ幸いです。なければ緩い目でスルーしていただければ。

映っているメモ紙の計算式は比重の式です。右端の数字が計算結果。
比重3超えてるものから並べていきます。

比重3.33 石英っぽい。測り方間違えた?
比重3.27 ターコイズみたいな見た目。かっこいい
比重3.07 泥岩の類だと思うけど、青っぽい色と模様がかっこいい
比重3.66 これも泥岩だと思うんだが
比重3.57 泥岩かねえ
比重3.64 見た目石英なんだけど表面にサーモン色の何かが板状に張り付いてる。なんだこれ


比重3 玄武岩ぽいけどそれにしちゃ比重が重い


比重3 これは白翡翠を期待したい
比重3.3 絶対ジャスパーだと思ったんだけど石英の比重じゃない

以下ユニーク枠

実は拾いたくて拾えてなかった、穴あきの石


なかに居るの海藻だと思ったけど、ピンセットでつついたら硬い石。良く見ると礫岩なので内部の石が露出してますね。


赤い石は好きなのでつい持ち帰ってしまう


お粗末様でした。

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