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たそがれ女子

たそがれ清兵衛(藤沢周平著)を読みました。


主人公の井口清兵衛は勤めが終わるとすぐに帰宅。仕事中は算盤片手にうつらうつらしているものの、帰宅後のたそがれ時から突然スイッチ入ってフル稼働することから、ついたあだ名が

『たそがれ清兵衛』



昔流行語大賞になった『5時から男』を思い出し、CMに出ていた高田純次が頭の中でループしました。

でも、清兵衛は高田純次とは違います。
飲んだり、遊んだり、自分の時間を確保するために、定時チャイムが鳴ると同時にピンポンダッシュして帰宅しているわけじゃないんです。

職場を出たあと、夕食の買い出し。
病気の妻の介護。
そして内職。

…私じゃないの。



(私は介護じゃなく、育児ですが)

そうなんです。
定時チャイムが鳴ってからが正念場なんです。
残業する時間はありません。
残業手当もつかず、替えの利かない、自分の仕事が待っています。

江戸時代、男性でもあるし、今の時代に生きる私よりも肩身の狭い思いをしそうです。
が、本人は特に気にしていない様子。
お偉いさんから直々に『大義なお仕事』を依頼されても、出世できると喜ぶ素振りも無し。

「夜は妻の面倒みなあかんので無理」



とすげなく却下。

苦虫をかみつぶすお偉いさん。

ま、ここは流石フィクションで、
さえない介護武士が実は剣の達人、という設定があるのですが。

ノンフィクションの私はというと、
実は…以降言えることは何もなく、特に清兵衛のような取り柄はありません。

ですが、ピンポンダッシュという共通点を発見し、ちょっとした仲間意識が芽生えたのでした。


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