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〜今月の映画(2023年8月)〜 愛のむきだし

読書以外の僕の趣味の記事です。日曜更新。
毎月オススメの○○をご紹介していきます。

第1日曜 映画
第3日曜 ウイスキー

「冷たい熱帯魚」が公開された10数年前には、巷の映画ファンの中では園子温ブームが巻き起こっていたように思える。毎年のように新作が発表されていたし、過去作のDVDも在庫があまりなかったような記憶がある。

僕もその時期には園子温監督の作品を貪るように観て一通り有名な作品は全て観た。その中でも衝撃が強かったのは、この「愛のむきだし」である。

エロいしグロいし愛だの宗教だの盗撮だの原罪だの暴力だの変態だの、ディープな映画が好きな人なら興味をそそるような要素を多分に含んで、237分(3時間57分)という恐ろしい上映時間でありながら、そこに哲学的だったり知的なメッセージを一切感じられない(感じさせない?)、エンタメに振り切った、と思われる、挑戦的すぎる作品である。

「こんなもん面白いと思う人、どれぐらいいるんだろう」と、鑑賞後に考えたものだ。
僕が最初に観る園子温監督の作品がこの「愛のむきだし」だったなら、おそらくその後彼の作品を観ていないだろう。
それほど疲労感と充実感の釣り合いが取れなかった作品なのである。

しかし、園子温ファンを公言する有名人の中ではこの「愛のむきだし」を園子温NO.1作品として推す方も数名いらっしゃるそうだ。
園子温監督の作風に抵抗の無い方は観るべき一作だとも言える。

僕としては、彼の作品にハマっていた時期だったからこそ過ごすことのできた4時間弱だったのだろうと思う。
時間のある学生時代に観れて良かったと思う一方、おそらく今後観ることはないだろう。備忘録として、このnoteに残しておくこととする。

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