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精神的ダメージのでかさ


精神的ダメージのでかさは被害の規模と必ずしも相関しない


朝起きたら食洗機が動いていなかった。スイッチを押し忘れた戦犯は私である。色々騒いでいるうちに長男が起きてきた。いつもはギリギリまで寝ていて妻に急かされているのに、今日は早くも着替えまで済ませて殊勝な心がけだ。「すごいね」と褒めたら嬉しそうにしていた。脱いだパジャマを片付けようとしたら、じっとりと濡れていた。自分なりに、おねしょをした埋め合わせをしたのだろう。家事がまた増えたと思ったが、長男のことは叱らずに黙って片付けた。洗って漬け込むときに洗剤を入れ過ぎた。

弁当箱が洗えていないので昼をどうしようかと考えた。結局カロリーメイトを持っていくことにした。不測の事態に備えて常にストックしていたのが活きた。「カロリーメイトで歯車が動き出したな」と自分の采配を評価した。

手を洗おうとハンドソープを付けて合掌した瞬間、どういう弾みか泡が異常に高く飛び散って腕にまで掛かった。この時点ではまだ落ち着いていたので、紳士的に泡を拭き取って次の家事に移った。

賞味期限の切れたウインナーがあったので焼いた。裏の説明文に、フライパンで調理する際は油を引かずに焼けと書いてあった。今までの人生でずっと油を使って焼いていた私は、この説明文に天啓を受けた気がした。油を引かずに焼いたウインナーは火が強すぎて焦げて張り付いた。

フライパンを片付けようと飲みかけのコーヒーを動かしたとき、いつもの倍以上に波打ったコーヒーがこぼれて四散した。しばし茫然としたが、ティッシュで拭き取った。この程度の被害ならティッシュ1枚で間に合うと踏んでいたが、実際には3枚要した。コーヒーにも裏切られたのが精神的に最もきつかった。

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