企業noteの運用ポイントをWebライター目線で考える
noteを使いこなせる企業はSNS玄人です。
Webライターとして、企業noteと関わらせていただく度にそう感じます。
(この記事には音声版があります)
ブログは自社ホームページで済みますし…
FacebookほどメジャーなSNSでもありません。
視覚に訴える力はInstagramの方が上ですし…
Twitterのような拡散力もありません。
企業のSNS担当者とnoteについて話すと
「noteも使いこなしたいとは思ってる」
「ただ…立ち位置がよくわからないんだよね」
という声をよく聞きます。
自他ともに認める「note大好きライタータコみち」としては見過ごせない意見です。
そこで今回は「Googleとの相性」と「他のSNSとの相性」という2つの切り口から、企業noteの運用ポイントとなる「note特有の強み」に迫ります。
note活用法を検討する際の、参考となれば幸いです。
noteとGoogle
noteの利用を勧める記事などによく使われている
こんな決め台詞をご存じでしょうか。
「noteの強みはSEOに強いこと!」
実はこれ、半分勘違いなんですよ。
noteがSEO(検索エンジン最適化)に強いことは確かです。
その原因はドメインパワー(Googleからの評価)の高さにあります。
「ドメインパワーが強いので、note.comの記事は検索上位に入りやすい」
確かにその通りなんですが、条件がもう一つありまして…
「検索上位に入れるのはnote.comから1,2記事だけ」
「検索結果に偏りを無くす」という観点で考えると、ドメインパワーがどんなに強くても、Googleが上位表示を一つのドメインで埋め尽くすことはあり得ません。note.comを使った記事を書いたからといって、自動的に上位表示されるわけではないのです。
noteで書いた記事をGoogleで上位表示させるためには、まずnote内で勝ち抜かなければいけない。これを知らないままnoteに手を出すと「noteを書いたのにGoogleには見向きもされない・・・」という悲劇が待っています。この悲劇を避けるため、まずnote内で勝ち抜く方法をご紹介します。
※noteには「note pro」という法人向けの有料サービスがあります。
こちらのサービスを利用すれば、独自ドメインの取得も可能です。
詳しくはこちらをご覧ください↓
note内で勝ち抜くための検索対策
クリエイターページの充実
個人ブログと違い、noteにはクリエイターを検索する機能があります。ですから最初に取り掛かるべき検索対策は、プロフィールページを充実させることです。
クリエイターの検索画面には、アイコンと紹介文だけが並びます。この2つは会社の看板並みに重要です。noteユーザーがアイコンと紹介文を見ただけで「このクリエイターの記事を読みたい!」と思える状態を目指しましょう。
次に考えるのはバナー画像です。バナーは、そのアカウントの世界観を決める、いわば「玄関」です。発信したい内容に合った画像を選びましょう。
アイコンと紹介文とバナーを整え終わったら、次は「固定記事の設定」です。noteには固定記事と呼ばれる、特定の記事を他の記事より目立たせる機能があります。固定記事は以下の3種類です。
1.固定記事(一番上に固定する記事)
2.プロフィール記事(自己紹介記事)
3.仕事依頼記事(お問い合わせ記事)
アカウントの運用開始後できるだけ早い段階で、自己紹介記事を執筆してプロフィール記事と固定記事に設定しましょう。noteはSNSです。SNSでは「どんな発信をしているか」以上に「何者が発信しているか」が重視されます。自己紹介記事を最も目立つ場所へ固定し「まずは何者かを知ってもらう」ことが、ファン獲得への近道です。
noteユーザー向けのタイトル
自己紹介が終わったら、次は共通の土台を据えたいところ。優先するテーマは「noteについて」です。自社について語るだけでなく、noteについても熱く語りましょう。このテーマで語ることがない場合はアカウントのコンセプトから見直した方が良いかもしれません。それぐらい大切なテーマです。
記事タイトルに「note」といれると読者がつきやすい傾向もあります。「なぜnoteを選んだのか」「noteを使ってみた感想」「noteのどこが好きか」など、noteをテーマにした記事でnoteユーザーの心をつかみましょう。
ハッシュタグ
記事につけるハッシュタグの選定も重要な要素です。noteは検索結果ごとに「人気」「急上昇」「新着」「定番」を分けて表示できる機能があるので、新着以外のどれかに載ることを目指してハッシュタグを付けていきます。迷った時は「トレンドタグ」やnote運営から提示された「お題」に乗っかると、注目を集めやすいのでオススメです。
マガジン
マガジン機能の活用も大切です。noteにはクリエイターのフォロー以外に「マガジンを直接フォローする」という独自の文化があります。マガジンのファンになり、その後でクリエイターのファンにもなるというケースがあるので、公開した記事はしっかり整理してマガジンごとにまとめましょう。記事ごとのマガジン情報が各記事の最下部に表示されるので、関連記事をマガジンにまとめると読者がつきやすくなります。
note内で勝ち抜くためのコンテンツ選び
noteは必ずしも長文を投稿しなければいけない場所ではありません。140字以内のつぶやきや、画像や音声、動画などをメインに投稿することも可能です。ただnoteには「テキスト記事であれば文字数制限がない」という特徴があります。これは他のSNSには無い大きな特長です。ユーザーがnoteを訪れている時点で「長文を読めるSNS」として期待しているケースが多いため、他のSNSよりも読みごたえのある記事が好まれます。
Googleからの流入を狙ってSEOを重視した場合は、他の場所でブログを書く時と同じように「検索意図の解決」を優先する必要があります。しかし、noteユーザーもターゲットに含めるのであれば「読み物として面白いか」が検索意図以上に重要です。「note内で面白い読み物を探している層」を意識して執筆すると、よりコアなファンを獲得しやすくなります。
noteと他のSNS
note全体のアクセス比率は「検索エンジンからの流入は約40%。SNSからの流入は30%以上」と発表されています。(参照:https://pro.lp-note.com)繰り返しになりますが、検索エンジンからの流入をゲットするためには、まずnote内で勝ち抜かなければいけません。そのためには、note内からのアクセスに加えて他のSNSからもアクセスを増やすことが必要です。
noteは、他のSNSと組み合わせて運用することで真価を発揮するタイプのSNSです。単体で活躍させるよりも、チームを組んで戦うイメージを持ちましょう。そこで重要となるのが「各SNSのポジション決め」です。
noteに適したポジション
noteの運営陣は、noteのポジションを次のように説明しています。
Twitterはlook at this
(「私以外の何か」を見て)
Instagramはlook at me
(「私」を見て)
noteはlook at story
(「物語」を見て)
ここからは私の意訳です。
Twitterでは普段の挨拶と世間話を。
Instagramでは視覚に訴える商品紹介を。
他では書き切れない熱い想いをnoteに。
このトリオをチームとして使いこなせる企業は、相当なSNS玄人です。3つともアカウントを所持していたとしても、3つすべてを連動させているケースは多くありません。徐々に広まりつつある手法なので、今後はこの手法が主流になると予想しています。
さらに特筆すべき点として「noteは炎上しにくい」です。炎上しにくさはSNSの中でもトップクラスでしょう。詳細を説明できる分、炎上リスクが低いのです。たいていのアンチユーザーは長文を読んでいる間に疲れて離脱してしまいます。
炎上しにくさを活用するのであれば「好きな人はとんでもない熱量で好き」というマニアックな記事や「言葉足らずになったら即炎上しそう」というデリケートなテーマを発信したい時に適した場所ですね。
noteに適した目標値
noteの運用が上手くいっているかどうかを判断する際、数字の追い求め方としてはスキ数を増やし→フォロワー数が増え→アクセス数も増えていくという流れが理想的だと思います。
KPI(指標)としてオススメなのは「アクセス数÷スキ数」で割り出したスキ率です。スキ率が10%を切っている場合は何かしらの異常が起きています。記事の内容が読者のニーズに応えられていないのか、関心度の低いユーザーが大量に流入してしまったのか、原因を特定して解決しなければいけません。
ただ・・・Webライター(書き手)としての本音を言うと、できるだけ数字を気にせず運用して欲しいです。企業SNS最大の特長は「お客様と直接コミュニケーションを図れること」だからです。売上を上げるだけならSNS以外にも優れた方法がたくさんあります。
企業がSNSを「お客様と直接コミュニケーションを図れる場」として活用すると、お客様の信頼を得ることができます。お客様から「この企業の言うことなら信じられるな」「何か困ったらこの企業に頼りたいな」と思っていただけることがSNSの醍醐味です。長文を発信できるnoteはその最たる例と言えるでしょう。
SNSを、企業にとって最も大切な「お客様の信頼」を得る場所と考えた時、アクセス数や自社ホームページへの流入数といった「お客様とは無関係な数字」は邪魔な存在です。それらの数字は、お客様と会話する際にノイズとなりかねません。数字は気にせず「お客様の信頼を得ること」に集中した方が、結局は他の数字にもつながる「成功への近道」なのだろうと思います。
noteは「SEOとSNSの交差点」
今回は「Googleとの相性」と「他のSNSとの相性」という2つの切り口から、企業noteの運用ポイントとなる「note特有の強み」に迫りました。
私はnoteのことをSEOとSNSの交差点だと考えています。
「検索エンジンを使うお客様とも、SNSを使うお客様とも交流できる」
これがnote最大の強みです。
企業がnoteをフル活用するためにはSNSの知識+SEOの知識に加え、交流を維持(定期更新)するためのリソースが必要です。
この全てを自社運用するのはなかなか大変なことだと思います。
「noteを活用したくなったけど割ける人材がいない!」という場合はお気軽にご連絡ください。「note大好きライタータコみち」が喜んでお手伝いいたします。
(初めてのお仕事は可能な限りクラウドワークス様を経由させていただいております。お問い合わせのみの場合はこちらからどうぞ→クリエイターお問い合わせページ)
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