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トメさんの家族!

『た子の足跡日記』ー有料老人ホームにてー!


トメさん百歳、小さいおばあちゃん。
居室には孫や曾孫から届いた手紙や写真が沢山飾ってある。
トメさんから広がる家族が、とっても温かく感じてうらやましい。

トメさんにはトメさんそっくりな娘さんが三人いて、娘さん達はとても仲が良い。
週に一回は二人、または三人で面会に来ている。

娘さん達が面会に来ると居室からはいつも
「ガハハハ・・ガハハアハハ・・」と、楽しそうな笑い声が聞こえて来る。

確かにトメさんは可愛くて居るだけで和むけれど、何がそんなに可笑しいんだろう?
その部屋に私も入れて貰いたいものである。


「いつも楽しそうでいいですね。どんな話をされているんですか?」
と、娘さん達に声を掛けてみた。


「だって、お母さん、ボケちゃてるでしょ。私達のこと忘れちゃってるのよ。『どなたさんで?』とか、何か持って来ると『分からんけど・・ありがとうございます』って言うの・・・」

「だからいつも娘の〇〇って言ってるけど、きょとんとしてるわ」

「歳なんてまだ二十歳位だと思ってるしね」

「それで今日、お母さん、私のこと分かる?って聞いたら、
『あなた私の子供?・・でもあんたは旦那が違う』なんて言うのよね~」

「じゃあ誰の子?って聞くと 『隣の家』 だって!」

「それじゃあ私は、隣の家のおじさんの子なの? 
えええ~、って事になったのよ~・・笑えるでしょ?」

「全くお母さんは何を言い出すか分からないから・・・」

「ア~ハッハッハア~」

娘さん達は涙を流して笑っていた。

私も話を聞いて大笑いした。やっぱり涙が出てきた。






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