起業の話

本当は30代で起業しようと思っていた。でも、色々考えれば考えるほど、シミュレーションすればするほど、やりたいと思ってたことが、実はあまりうまくいかない気がしてきた。

「将来起業する」と言ってる人は私以外にもたくさんいるはず。でもその多くは起業しない。というかしようと思っているが、日々のサラリーマンとしての仕事が多忙すぎて落ち着いて考える時間がない。

それでも、30歳になって毎日少しずつ時間を見つけて、いくつも事業計画を作ってみた。

何一つうまくいきそうなものがなかったから思い切ってサラリーマンをやめることもなかった。

これって彼氏彼女ができない、ということよりきつい。「恋愛対象がいない」ってやつです。思い切って告白する相手もいないというどうしようもない状態。

年を重ねると気力も体力もなくなっていく。だから一刻も早く起業したい。もう起業することが目的みたいになってしまっていた。でも、父の死が背中を押してくれた。とにかくできることからやっていこうと思った。

但し、起業してしまっていい人って実は環境的に限られている気がした。はっきり説明しないが、私みたいにしばらく稼げる算段のなかった人は家族の中のだれかが安定したそこそこの収入がないと思いきれない。「自分が一家の大黒柱です」という人はそう簡単にできないと思った。世の中の多くの会社が赤字、というのが常識で、5年以内に倒産する会社がほとんど。賢い人であればあるほどわざわざ安定した収入を捨てない。

自分はどうか。とりあえずすぐにスケールしなくても、大きな借入をしない、原価がかからない、在庫を持たない、利益率の良い商売であればリスクはないだろうし、企業経営というものに必要な知識と実務は確実に「やってみた方が」早いだろう、と思ったから、とにかくがむしゃらにやってみた。


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