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定年退職後の私の日々(経済編6:ソニーについて)

 東京オリンピックの成功・不成功やら、新型コロナ禍の終息見通しやら、米中摩擦やら・・・、とにかく最近の日本の株式市場の変動が大きすぎて弱小個人投資家としては気が休まる時がない。・・・と偉そうに泣き言をほざくほど大金を投資している訳ではないが、やっぱり株価は正しく着実に上昇してもらいたいのだ。

 定年退職者は各種金融機関の甘言に騙くらかされて、なけなしの資産を無謀な投資に注ぎ込んで悲惨な事になる・・・という事例が面白おかしくネット等に紹介されている。

 「アホなジジイだな。でも、そんなヤツは沢山はいないだろうな・・・」と思うのは間違いである。私はそのような不運な高齢個人投資家は結構沢山いると睨んでいる。

 ・・・とにかく、大多数の一般高齢者達の金融知識はチンパンジー並なのだ。何か国家レベルの怪しげな力が働いて、彼等の知識は押さえ込まれているとしか思えない。

 上記の悲劇の本質は、高齢者達が定年退職して初めて投資をやってみる・・という事に起因している。しかも、さらにマズイことに自分の投資なのに他人のアドバイス(要は売り込み)を参考にしてしまう事が多いのだ。

 退職金やら何やらで気が大きくなっているところに、各種金融機関の素敵な女性が「これからは投資ですね!」みたいにアドバイス(しつこいようだがこれは売り込み)してくるのだから、投資にナイーブなジジイなんかあっと言う間に撃沈なのだ。

 投資は若いうちに始め、小さな失敗経験を積み重ねてゆく必要がある。幸いにして、私はこのパターンを歩むことができた。情けなくて人には言えないような失敗をかなり重ねてきた。その結果、定年退職時には私のなけなしの退職金に群がる各種金融機関のセールスレディの攻勢を論理的に防ぐことができたのだ。

1.ソニーの株は私の投資人生そのものだ

 話が飛ぶが、私はソニーという会社が子供の頃から大好きである。私と同世代の人は多分皆さんそうなのではないだろうか?日本が誇る素晴らしい会社であることは間違い無い。

 ・・ということなので、私の株式投資第一号はソニー株だった。1990年代に住宅購入を諦めた余剰資産でそれなりに購入した。2000年初めのITバブルによってソニーの株価は急上昇を遂げ、「オレは投資の天才だった!!」とほくそ笑んだのも束の間。有名な「ソニーショック」であっと言う間に株価は奈落の底に転落し、ダメ押し的な悪夢のリーマンショックによって私のソニー株は購入価格の1/10という酷い状況になってしまったのだ。

 投資のベテランならば株価が1/10になる前に上手に損切りして被害を最小限にとどめるのだろうが、なにせ当時の私は投資ルーキーである。「?????」とオロオロしているうちに損切りどころではなくなってしまったのだ。 

 それから10数年、ソニーの株価は底を這っていた。しかも、ソニーという会社は沢山配当をする会社ではないので、保有しているのは拷問のようなものである。

 嫁さんに何か偉そうな事を言っても、「フーン。・・ところで、ソニー株どうするの?」と言われしまうのだ。何も言えない・・・とはこの事である。

 一時期の経営迷走を目の当たりにして「ソニーふざけるな!!」と言いたかったが、じっと耐えた。ソニーはきっと何とかしてくれる。私の大好きなソニーはそんな情けない会社じゃ無いはずだ。

 そしてついに、ソニーは見事に復活したのである。復活の仕方も鮮やかだ。リーダーも素晴らしい。嫁さんも文句を言わなくなり、いまでは「なかなか良い選択ね」と褒めてくれる有様だ。ふざけんな。

 実は他にも含み損が塩漬けになっている問題株(嫁さんには秘密状態)が幾つかあるのだが、ソニー株と同様に復活してくれる事をひたすら祈る毎日なのである。