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【おすすめ番組】BSスペシャル「欲望の資本主義2024 ニッポンのカイシャと生産性の謎」

さきほどNHKオンデマンドで視聴しました。
とてつもなくおもしろかったです。
どうおもしろかったかは、どうぞご覧になっていただければ。

ちなみに、NHKオンデマンドでの番組紹介は以下。

進むインフレ、円安、上がらない賃金。AI時代に日本の生産性を上げる鍵は?デジタル経済の時代に静かに忍び寄る「新しい封建制」とは?「富を生むルール」激変の時代、かつて称賛された「日本的経営」の功罪を見極め、今あるべき組織の形を探り、企業の生産性の本質を問う。知性たちと考える資本主義の最前線。「やめられない、止まらない」欲望の行方は?閉塞感を打開する道は?毎年恒例の異色ドキュメント、2024年最新版。

NHKオンデマンド

婚活市場「3高」要求変わらず

令和6年1月13日(土)の読売新聞に『婚活市場「3高」要求変わらず』という記事がありました。

「3高」なんて、オレたちバブル世代が若い衆(粋な感じで「わけーし」と読んでね)だったころに聞いた話だよな。

・・・と思いつつ。

なるほどね。
女性はやはり「収入等の経済力」重視路線で、まぁそりゃそうなんだろうけど、記事によると〈男性に求める最低年収は「500万円以上600万円未満」が29.3%で最多〉とのこと。女性の6割が500万円以上を求めているそうだ。

求めるのはいいが、ところで若い衆の年収はどんなもんか。〈国税庁によると、25〜29歳の男性の平均年収は420万円、30歳〜34歳で485万円〉と同記事。

あれ?
いないじゃんよー。
年収500万円以上の未婚男性は4人に1人だとか。

で、年収が同じ男性がいたとして、次はスペック競争。
女性側の要望はエスカレートしている、と記事にあった。
で、いまどきの「3高」とは。

  1. 経済力

  2. 社会的地位

  3. 容姿

だそうです。

経済力と社会的地位は「勤続年数」による

この新聞記事を読んでて、某女子を思い出しました。
彼女の夫は某大手一流企業に勤務していて、まさに、絵に書いたような「終身雇用・年功序列・高額の退職金」という、今どきの女子の垂涎の的、とびっきりの“安定・安心・安全”の男性だ。

彼女はそこに惚れた。
某大手一流企業に勤務っていうところに。
そして彼女も心得ていた。
この男の価値は勤続年数だと。

これ、ほんとの話なんだけど、ってか、彼女から聞いたのだが、ことあるたびに「あなたの価値は勤続年数なんだから、仕事ができないとかなんとか、会社からバカにされようがいじめられようが、なにを言われても「はいはい」と言って、とにかく毎日会社に行ってタイムカードを押してくるのよ。いいわね。あなたの人生の意味は「定年退職」にあるのよ」と。

さすがっす。

ここらへんが、「でもわたし、彼の夢にかけたの」とかなんとか言って無職の男と結婚して、でも結局そいつはダメンズだったというパターンとは雲泥の差だ。

んー、まぁどっちもどっちのような気もしてきたが。

でね、彼女のなにが「さすが」かというと、ホワイトカラーの夫は結局、会社で単に作業をしているというだけだと見抜いていたというか、まぁメンバーシップ型の巨大組織だと「そんなもんだろう」という達観めいた立ち位置。

いわゆるホワイトカラー(事務職)での勤務を希望する人たちも、なにかイノベーションを起こすような仕事をしたいのではなく、単に「作業をしたいというだけ」と番組でも触れてました。

作業をした時間で給料をもらう。
1日8時間会社に行って、月給がいくら。
残業とかあるとむしろうれしい。

なにかを生み出すとか世の中の困りごとを解決するとか、まぁそういったリスクを伴う能動的なアクションを“仕事”だとすると、「ワタシたちはそんなことをしたいわけではありません」。つまり、希望職種は“作業”です。

作業を英語でいうとwork。
jobが仕事だ。
なので「Good job!」といわれると「おーいえー!!」と返したい気分になるもんね。

がしかし、作業なので、次はなにをするかは会社(上司)の指示を待つ、みたいな他人軸で、その作業なんだけど、指示された作業なもんだから、転勤やら人事異動やら、自分の意欲とか好みとかにかかわらず、作業を依頼するほうの都合ということになって、で、新しい作業を命じられたら、それに一生懸命なじむ。

努力でなんとかんする。
なんでも頑張る。
これが戦後ニッポンの美徳。
努力と根性。
自分のことは二の次。
滅私奉公だ。

そのかわり、労働市場の硬直性により終身雇用で年功序列、生活は安定だ。

なので「わたしの長所は、なんでも前向きに取り組むところと、協調性です」みたいなことになって、新卒から何十年も、その組織の体質に過度に適応しちゃうから、ほかの世界では適応できなくなっちゃうという、悲劇というか喜劇というか。

・・・と、どうもね、そのへんらしいっすよ。
ニッポンの危機は。
HNKの番組は、そのあたりのことをやっていた。

イノベーションなんて起きようがないもんね

正社員で雇用されていれば、よほどのことがない限り解雇されることはないから、なので、解雇されないようにしていればオッケー。
つまり、失敗は避けたい。
失敗しないためにどうしたらいいかというと、チャレンジしないこと。
どっかの資料(アンケート結果)で見たんだけど、「失敗のリスクを冒すようなチャレンジはしないほうが得」という回答が7割くらいだった(ような気がする)。
「どんな同僚が望ましいか」でも「周りとの調和を大事にする人」が7割くらいだった(ような気がする)。
「自分の得意なことを会社に隠すことがありますか」も「はい」の人が多かった(ような気がする)。

なので・・・

そんなみなさんが「イノベーションを起こせ」なんていわれてた日にゃ、出社できずノイローゼになってしまう。
「自分の意見を言え」なんていう局面だと、上司の顔色を見ながら探りつつ、みたいな。
起業なんて夢のまた夢。

だって基本、そういう環境にないのが現状だ。
若い衆にそんな“意欲”があっても、いつしか摩耗され潰される。
誰が潰しているんでしょうか。

あと、かようなメンバーシップ型だと、どうしてもお金の配分はゼロサムとなるので、つまり、会社に入ってきたお金(←限りあり)をメンバーで配分するので、メンバーの絆が強固であればあるほど、みんなで同じように分けよう、みたいなことになる。

誰かがどーんとお金をいっぱい持って行っちゃうと、大切な仲間の誰かの給料が減っちゃうから、困りますもんね。

ということだから、成果主義なんて無理だったわけです。
ワタクシがまだ若い衆(粋な感じで「わけーし」と読んでね)だったころ、某大手企業が成果主義をド派手に導入して「どうだ」といわんばかりでしたが、見事に失敗してましたね。
富士通です。

あと、組織が上から下までが“同質のワンチーム”という点もちょっとな、というような話も。
もちろんチーム一丸となってことに当たるのはもちろんいいことなんだけど、そのメンバーが、世の中的に望ましいとされる“多様性”の対局を行く極端な同質性だという点がどうなんだろうか。

大学だったらこことこと、とか。
スーツの下のワイシャツは白です、とか。

それなのに。
「個性を重視します」とか「多様性がどうの」と急に言い出されても、まぁちょっと無理かなーと。
ちなみに「個性だなんだ」と言ってますけど、あくまでも「ウチの会社が求める“個性”」というだけの話が多く、また、能力を高めよとリスキリングだ社内研修だと言っているけど、その“能力”っていうのが、これまた「ウチの会社が求める“能力”」だったりする。

宅建を取得しろ、とかね。
そんなんじゃやる気にもならんわね。

・・・などなど。
そんなことを思いつつ、番組を視聴してました。

願わくば。
婚活中の男女の皆さんに、ステキなパートナーが見つかりますように。
「3高」がいっぱいいるような世の中になりますように。

今回は以上です。
最後までおつきあいくださいましてありがとうございます。

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