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PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント

プロマネにはプロジェクト管理の標準的な知識は必要だと思っています。私の場合はPMBOKをバイブルにしています。

「もし社内のプロマネが全員PMBOKを抑えていたら、もっとマシな状況(デスマプロジェクトが減る)になるんじゃないかな」

と思っているのですが、PMBOKを浸透させるのはなかなか難しいですね。PMBOKを読むためにはそこそこの経験と気合は必要なんだろうと思いますので、万人受けするものではないのかもしれません。

そこで今回はPMBOKに苦手意識がある人でも読みやすいのではないかと思った本がありますのでご紹介します。

PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント

これからプロマネになる人、PMBOKを理解しようかなと思っている方にオススメしたい本です。その本の一部をご紹介します。

■ 「とにかく始めよう!」は失敗につながる

3匹の子ブタに例えて物語が進んでいきます。お母さんブタが子供達に「家を作るように」指示をしました。

一番上の子ブタは何も考えずに手近にあった藁でさっさと家作りを始めました。二番目の子ブタは藁ではなんとなく心許ないので木を使ってさっさと家づくりを始めました。末っ子の子ブタはどんな家がいいのかしっかり計画を立てることにしました。

一番上の子ブタと二番目の子ブタは計画なしのスピード重視で家をつくりました。末っ子の子ブタは計画から考え始めました。

現実でも良く見る光景ですよね。結果は明らかでしっかり計画を立てる人が成功に近づきます。プロジェクトマネジメントにおける計画の重要性を本の序盤で説いてくれています。

なお、PMBOK第6版で定義されている49のプロセスのうち24個が計画プロセスです。また、プロマネの作業の実態としては8割が計画と言っても過言ではないかもしれません。「段取り八分」といわれるくらい計画は重要です。

「計画を立てないのは、失敗する計画を立てているのと同じだ」

■ ステークホルダーの期待を確認する

末っ子ブタはお母さんブタに「なぜ家を作らなければいけないのか?」「どういう家を作ればいいのか?」を確認しました。

プロマネが顧客の要求事項を明確にせずに計画を立ててしまうことがあります。私がよく見るのは「どういうものを作ればいいのか?」のヒアリングはするものの「なぜそれを作りたいのか?」をヒアリングしないプロマネです。

そのため、顧客の期待するものにならなかった時にプロマネが「顧客の要求通りに作った。顧客が納得していないのは顧客の伝え方に問題があったのではないか?」という責任転嫁をする場面を見ることがあります。最悪です。ステークホルダーの期待値を確認しなかったプロマネに非があります。顧客が必ずしも目的や目標を言語化して伝えてくれるとは限りません。

品質が大事。オオカミから身を守るために、三匹の子ブタたちが体当たりしても壊れないような頑丈な家が必要。

これがステークホルダー(お母さんブタ)が求めている家でしたので、末っ子の子ブタはレンガの家を作ることにします。

■ 結果、末っ子ブタが生き残る

末っ子ブタはその後以下のような作業を進めていきます。

・やるべきことを洗い出す
・役割分担をする
・各作業にかかる時間を見積もる
・仕事の流れや作業の依存関係を見つける
・遅延してはいけない作業を把握する
・スケジュールを作る
・リスクに配慮する

つまり「WBSを作って、役割分担表を作って、所要時間見積もりをして、ネットワーク図を作って、クリティカルパスを把握して、ガンとチャートを作って、リスク管理をする」いうことです。

結果はご存知の通り、これらの計画をしっかり実施した末っ子の子ブタが作った家だけが、オオカミから逃れることができました。

■ まとめ

このような感じで、PMBOKのプロセスとなるべく結びつけるような形で、計画でやるべきことを解説しています。具体的な例を童話で示してくれているのでプロセスもイメージしやすいかと思いますので、PMBOKの取っ掛かりとしては良い本かなと思います。

なお、三匹の子ブタ以外にも、ウサギとカメ、桃太郎、ヘンゼルとグレーテル、アリとキリギリス、長靴を履いた猫、シンデレラでPMBOKの解説がされています。物語として軽い気持ちで読んでみると良いかもしれませんね。


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