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スクラム挑戦者に待ち受ける3つの障壁

アジャイルに挑戦したことがある人には身に覚えがありすぎる記事を見つけましたので、私の経験を踏まえてご紹介します。

なお、元記事を確認したい方は以下をご参照ください。これからアジャイルに挑戦する人にも読んでもらいたい記事です。

1. 変化への抵抗

抵抗には「積極的抵抗」と「消極的抵抗」があります。

積極的に抵抗する人は、プロセスを妨害しようとします。例えば、スクラムの悪口を言って回ったり、スクラムはダメだよねと説得して回ります。
消極的に抵抗する人は、プロセスに従うふりをしてアイディアにリップサービスもしますが、内心は「どうでもいい」と思っています。

抵抗勢力への対応で最も難しいのは、表面上は完全に同意しているにも関わらず、その反発が秘密裏にあるいは無意識のうちに行われることです。

私がアジャイルに挑戦した時がまさにこれでした。私としても初めてやることなので暗中模索だったこともあり、チームに意図が正しく伝わらないとか、明確に方向性を示せないこともありました。このことが一因ではあったと思います。

この種の変革における最大の問題の一つは、惰性との戦いです。ほとんどの人はスクラムが正しいことだと信じていますが、だからといって簡単に実現できるわけではありません。結局のところ、人は変化を起こすのが難しいのです」

リーダーにも問題はあるということはいったん置いておいたとしても、上記のように「人は変化を起こすのが難しい」という部分が変革の最大のボトルネックかなと思います。

惰性を打破するために必要なのは「勢い」です。また「これは起こることだ」という必然性のある感覚を作り出す必要があります。モチベーションも重要です。危機感を抱かせなければなりません。これは重要なことだという意識を伝えるのです。

私も「将来的にはアジャイルシフトする。だから自分たちが社内の先駆者になろう!」というメッセージを伝えました。

そのうえで、チームの変化量を見極めました。チームが変化できる「幅」は決まっています。それを超えた変化を求めるとチームは不満を持ち始めます。チームの変化に対するキャパシティを見極めることも重要だと思います。

2. プロセスの理解不足

スクラムは人々の仕事のやり方を根本的に変えるものであるため、日々の導入には大きな混乱が生じる可能性があります。スクラムを理解しているつもりでも、古い手法とスクラムのプロセスを混同してしまうことはよくあることです。

「慣れ」は必要かなと思います。体が古いやり方を覚えているため、頭ではわかっていても気付いたら古いやり方に戻っているということはありました。慣れるまでの端境期はみんなで「古いやり方になってるよ!」と気付きを与えてあげられると良いですね。

スクラムマスターがプロジェクトマネージャではないことを理解していない人が多く、その逆もまた然りです。

役割の定義としてスクラムマスター=プロジェクトマネージャとなることはありますが、ここでいっているのは「役割」の話として、プロマネの仕事の「成果物の管理」は開発チームに、ファシリテーションの部分はスクラムマスターが担う、ということが理解されていないと言うことかと思います。

重要なことは、トップダウンのコントロールがないことに慣れることです。自己組織化は厄介に見えるかもしれませんが、人々はそれに慣れなければなりません。

さらっと書かれていますが「トップダウンのコントロールがないことに慣れる」が一番難しかったです。

子供の頃、自由研究とか自由時間が苦手だった人がいたと思います。「自由に決めて、自由にやっていいよ!」って言われると何をしていいかわからなくなる人。私の場合はチームがこの状況になりました。

私が実施したことはトップダウンのコントロールを徐々に減らすことです。その際に大事なことは、開発チームが意思決定をしたことは覆さないということです。リーダーが覆してしまうと、開発チームは意思決定をしなくなるか、リーダーの顔色をうかがうようになります。

「その意思決定はまずいな」と思っても否定はせずに、「それはいいね!ちなみに、こういう場合はどうするの?」と質問して危うい部分に気付かせるようにしていました。

3. 役割の変化に対応できていない

チームが自分たちの仕事を管理することで、メンバーはスケジュール管理、優先順位付け、意思決定に大きな責任を負うことになり、それがさらなるプレッシャーに感じられることがあります。

自己組織化、自己管理というゴールを示すことが「チームメンバーへの責任の押し付け」のように見えてしまうことがあります。私もそうなることを懸念したので、私自身がリーダーとしてふんぞり返るのではなく、チームメンバーとともに仕事をしました。

本来はスクラムマスターが開発チームとして作業するのは良くないのですが、「みんなで協力して成果物を作り上げるんだ」ということを自ら示すためにやりました。このやり方が正しかったかは分かりませんが、結果的にはうまくいきました。

あるチームがスクラムに移行しても会社の他の部分は現状維持を続けています。多くの場合、経営陣は依然として指揮統制を求めています。チームにはより速くより効率的になるためにアジャイルを行うことを求められますが、異なった人々が異なったルールに基づいて行動している場合、それは非常に困難なことです。

私が認定スクラムマスター研修を受けた時に他社の参加者の方々と話をさせていただきましたが、これは口々に言っていましたね。どこも同じ悩みを抱えているんですね。経営陣にアジャイルを理解させるのが難しいですよね。

アジャイルはビジネスとテクノロジーの両方に関わるものです。もしビジネス側が関与していなければ、定義上、価値の半分が適用されていないことになります。

もし、ビジネス側とテクノロジー側が一体となったら、とんでもない成果が出るだろうっていうことは感覚的にはわかりますね。アジャイルのポテンシャルは高いのですが、それがなかなか伝わらないのがもどかしいところです。

アジャイルへの移行を成功させるための秘訣は「計画的に進め、成功事例を社内で共有すること」です。結局のところ「百聞は一見にしかず」です。

結局「結果で示せ」ってことですね。私もそうですけれど、たぶんアジャイルに挑戦している人はみんなこれなのかなと思います。

アジャイルに限らずですが、新しいことをする時には味方は少なくて、結果に伴って徐々に仲間が増えてくるものなのかと思います。とにかく自分たちができることは「細かいことは考えずにまずは結果を出すこと」ですね!


以下の本は私が認定スクラムマスター研修に参加した時にいただいた本です。私がスクラムに挑戦する上でのバイブル本です。


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