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Mood chartでチームの状況を可視化しよう!

PMBOK第7版を読んでいて「今の時代だからこそ使った方がいい」と思ったものがあるのでご紹介します。

なお、PMBOK第7版の「2.7.2.6 Stakeholders」の章の話です。

■ Mood chart(ムードチャート)

ムードチャートは、プロジェクトチームという非常に重要なステークホルダーのグループの気分や反応を表現することができます。

プロジェクトチームのメンバーは絵文字を使って自分の心境を表すことができます。下記は、絵文字を使ったムードチャートです。

プロジェクト・チームのムードや個々のプロジェクト・チーム・メンバーのムードを追跡することで、潜在的な問題や改善すべき領域を特定することができます。

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これがPMBOK第7版に紹介されていたものですが、おそらくアジャイルに取り組んでいる方は以下の方が馴染みがあるんじゃないかと思います。以下はAgile Allianceで紹介されているものです。

■ Niko-niko Calendar(ニコニコカレンダー)

チームは部屋の壁にカレンダーを設置します。このカレンダーには、各メンバーが1日の終わりにその日の気分をグラフィックで評価して記録します。これは手書きの「顔文字」でも、色つきのシールでも構いません。

例えば、「悪い日」は青、「中立」は赤、「良い日」は黄色というように、簡単なカラーコードに沿って記入します。時間が経つにつれ、ニコニコカレンダーは、チームや個々のメンバーの気分の変化のパターンを明らかにします。

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ムードチャートと名前が違うだけで同じものですね。私は「ニコニコカレンダー」をアジャイルチームの中に取り入れていました。ニコニコカレンダーの説明にありますが、表情を描くのは大変だったので以下のシールを使って表現していました。

■ やって良かったと感じたこと

チームの感情が見える化される

これはすごい発明だと思います。言葉ではなかなか言いませんよね。「私、今日は気分悪いです」とか。そういう負の感情もシールを貼るだけで表現できて、それをみんなに知ってもらえる、みんなで共有できるというのは、チームのコミュニケーションの活性化に非常に役立ちました。

「どうしたの?」
「何か悩みがあるの?」
「不満があるなら解消しよう!」

プロジェクトを実施していると良いことばかりではありません。こういうネガティブなことも共有して、コミュニケーションを図っていくことで、改善活動が生まれ、組織は強くなっていきます。

■ でもやめた・・・その理由

全員が「悪いシール」を貼るようになって、それが何日か続いた

プロジェクトで何かしらのトラブルが発生して残業が続いてくると、だんだんネガティブシールが増えてきます。最終的には全員が余裕がなくなって、全員がネガティブシールになりました。

それが1日、2日で終息するなら良いのですが、何日も続くとニコニコカレンダーを見るたびにブルーになり、シールを貼るのがブルーになりました。

これは悪影響にしかならない

と判断して、私のニコニコカレンダーは終わりを迎えました・・・。

■ 今の時代にこそ使って欲しい

私はアジャイルに挑戦したばかりの時に導入したので、残業も休出もありの状態でした。アジャイルというには程遠い状態の時です。そのために上記のようなことになりましたが、習熟したチームであればメリットが大きいのかなと思います。

しかし、アジャイル挑戦中の方にもぜひ一度取り入れてみることをオススメします。間違いなく、これを取り入れた時にチームの雰囲気は良くなりますしコミュニケーションも活性化されます。

また、今の時代にこそ必要な手法ではないかと思います。リモートワークでコミュニケーション機会が減っている時代です。離れていて掴みきれないチームメンバーの心情を掴むきっかけになります。リモートの時代にこそ適した手法ではないかと思います。

なお、私も今年度からまた取り入れています。リモートの人も多いのでシールではなくサーバ上で表現しています。リモートワークの補助機能として有効活用できています。


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