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ナレッジを使っているのか、ナレッジに服従しているのか

若手社員との話の中で、あまりにもナレッジというものが神格化されていて、「ナレッジ万能」みたいな雰囲気があったので、今回はナレッジについて書いてみます。

私の勤めている会社ではずっと「ナレッジ化」が叫ばれています。どこの会社でも「有識者」と呼ばれる人にノウハウが偏っていることは問題になっているのではないでしょうか。

「暗黙知を形式知に!」を合言葉に、ナレッジツールにナレッジを蓄積し、蓄積された情報を共有してみんなで活用していくことで「生産性を向上させよう!」という活動をされている組織もあると思いますが同時に「ナレッジを使う人」に対する教育も重要だと思います。

■ ナレッジが正しいとは限らない

ナレッジの問題は、溜めたナレッジが「ほぼアップデートされない」ことです。一部はアップデートされていても全てが常に最新の状態というのは難しいと思います。

理想は常にナレッジがアップデートされていることですが、溜まったナレッジは無数にあると思いますので、それを随時監視し、更新していくというのはコストが掛かり過ぎるため非現実的かと思います。

従って、ナレッジは「正しくないかもしれない」という意識を持って利用する方が現実的だと思いますが、そういう考えを持っている人は少ないです。

■ ナレッジが正しいことを前提に動くと・・・

もし、ナレッジになんの疑いもなく、無条件に受け入れていたとしたら必ず失敗します。そして「ナレッジがおかしいじゃないか!」と叫んで、失敗した責任をナレッジのせいにするでしょう。

実際、そういう人をいっぱい見てきました。ナレッジが最新化されているとは限りませんので、それを使う側が責任を持つべきです。本屋の本が最新情報ではないのと同じ話だと思います。情報の作成日は確認すべきです。

■ ナレッジは考えて使う

私はナレッジはただのヒント集だと思っています。したがって、ナレッジを取っ掛かりとして、自分でさらに調べる、裏取をするという行動は不可欠だと思います。

そういう動き方をしていれば、ナレッジが古くても、ナレッジが間違えていても、失敗することはありません

ナレッジがないなら作ればいい
ナレッジが古いなら更新すればいい
ナレッジが間違っているなら正せばいい

ナレッジはこういう意識のもとで使うと、上手く使いこなせるようになると思いますし、古いナレッジも必要に応じてアップデートされる文化が築けるのではないかと思っています。

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