予想どおりに不合理
「なぜ自分はこのような意思決定をしたのか?」
と、疑問に思うことはありませんか。私は時々思います。「合理的に判断しているようで、その日その時によって意思決定が変わっているんじゃないだろうか?」と。
そんな時に出会ったのが「予想どおりに不合理」という本でした。今回はこの本について、特に印象に残った部分をご紹介します。
■ 選択肢の相対性
とあるニュース記事の購読についての実験です。
A:WEB版だけの購読($59)
B:雑誌だけの購読($125)
C:WEB版と雑誌版の購読($125)
これを100人の学生に選ばせると以下の結果になったそうです。
A:WEB版だけの購読(16人)
B:雑誌だけの購読(0人)
C:WEB版と雑誌版の購読(84人)
次に、以下の実験をしました。
A:WEB版だけの購読($59)
C:WEB版と雑誌版の購読($125)
つまり、先ほどとの違いはBの選択肢がないことです。
これを100人の学生に選ばせると以下の結果になったそうです。
A:WEB版だけの購読(68人)
C:WEB版と雑誌版の購読(32人)
つまり、「こういう理由でAが良い」とか「こういう理由でCが良い」と合理的に判断したのではなく「相対的に見てCが良い」と判断したということですね。
■ 給料の相対性
現在の月給は30万円である。
30万円で不自由は何もなく非常に満足している。
このような状況の時に、ほぼ同じ働きの同僚の月給が「31万円」だったと知ると「30万円」を不満に感じるようになるそうです。
つまり、自分の給料を他人の給料と比較したことによって、嫉妬心が生まれたことで不満につながったということですね。
■ 合理的に判断しているようで合理的ではない
上記の例を見てハッとしました。選択肢の相対性については日本でも上記のような雑誌ありますよね。私も必ずWEB版と雑誌版を契約してしまいます。嫉妬心というのもやはり相対性ですよね。身に覚えがあります。
私たちは日々、仕事と仕事、休暇と休暇など、何かと何かを比較して相対的に判断しています。つまり、上記の例のように合理的に判断しているようで、実は合理的ではないということが多々あるということです。
こういう非合理的な判断に陥らないために、行動経済学の知識を持っていることで、客観的に自分の意思決定を評価できるのかなと思っています。
なお、この本ですが、486ページあります。文字ばっかりで読み応え抜群なので、読書好きな人にはオススメな本だと思います。
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