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生一本

やめときゃいいのに、日本酒について、また書きます。

生一本(きいっぽん)」
とは、日本酒におけるシングルモルトとも言うべきもの。
清酒の製法品質表示基準で「単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合」にのみ表示できる。

ん? 「単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合」って、日本酒醸造では普通のことじゃないの?
なんの根拠もなく、印象だけでそれが普通だと思っていました。が。


どうやら、普通じゃないみたいだ。
「単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合」が売りになるような状況、即ち、そうでないことが普通なのだろう。
少し前に書いた桶買いのようなことが、ごく当たり前に行われているのか。

冒頭に引き合いに出したスコッチだって、わざわざ「シングルモルト」って謳ってプレミアム感出してるじゃねえか、というツッコミもあろう。しかり。

だがしかし、スコッチは、以下のような区分が明確に記載されており、隠したりボカしたりはしていない。
ブレンデッド:複数のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンド。
●ブレンデッドモルト:複数のモルトウイスキーをブレンド。グレーンウイスキーはブレンドしない。ヴァッテッドモルト(推奨されない呼び方)、ピュアモルトとも。
●シングルモルト:単一の蒸留所のモルトウイスキーをヴァッティングしたもの。
●シングルカスク:単一の樽のモルトウイスキー。

さらに、製造した蒸留所がボトリングしたものと、樽ごと買い付けた業者がボトリングしたものは、明確に区別される。
●オフィシャル・ボトル:製造した蒸留所がボトリングしたもの。
●ボトラーズ・ボトル:製造した蒸留所ではなく、インディペンデント・ボトラーがボトリングしたもの。

日本酒には、このような区分を明記するルールは存在しない。
「生一本」や特定名称酒のように、特に上質なものには、追加で記載することが許されるものがいくつかある。
よく言えば加点評価。なのか?

そのほかに表示できるもの

●原料米の品種名
品種名は総使用量に占める割合が50%を越える場合、表記できる。100%ではないので注意。

●産地名
全量が特定産地で醸されたものである場合に表示できる。
これは妥当ぽい。が、「加水調整をする行為を含む」という但し書きがあり、怪しい。

●貯蔵年数
清酒を貯蔵容器に貯蔵した日の翌日からその貯蔵を終了した日までの年数を、1年未満の端数を切り捨てて表示する。
貯蔵年数の異なるものを混和した場合は、当該年数の最も短い清酒の年数を表示する。
スコッチのブレンデッドと同じ考え方だ。

●原酒
製成後、加水調整をしていない場合に表示できる。

●生酒
製成後、一切加熱処理をしていない場合に表示できる。

●生貯蔵酒
製成後、加熱処理をせずに貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した清酒である場合に表示できる。
生酒との印象が近く、定義をよく知らないと混同しそう。なんかグレー。

●樽酒
木製の樽で貯蔵し、木香のついた清酒の場合に表示できる。

●極上、優良、高級等
品質が優れている印象を与える用語は、同一の銘柄の清酒が複数ある場合に、香味等が特に良好で、かつ、その旨を使用原材料や製造方法などから客観的に説明できる場合に表示できる。
ものすごくわかりにくい。

なお「特別」は、「特別純米酒」と「特別本醸造酒」でだけ使用可能な、特別なワードのようだ。



気力が萎えたのでこの辺で。

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