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GigEカメラの接続設定は意外と難しい?

GigEカメラは汎用のイーサネットポートに接続できるので、特別な通信機器は必要ありません。USBカメラも同じですね。一方、CoaXPressやカメラリンクはホスト側に専用のハードウェアが必要です。

GigEカメラやUSBカメラは接続簡単!、CoaXPressやカメラリンクは接続が大変だ!、簡単さを求めるならGigEカメラかUSBカメラだよね~となりそうですが、話はそう簡単ではありません。ホスト側パソコンの設定に結構手間が取られます。

IPアドレス

まず、GigEカメラとホスト側パソコンのイーサネットポートのIPアドレスの設定が必要です。大抵、各カメラメーカが配布しているビューワーソフトで設定できます。パソコンとGigEカメラのネットワークが一致していなかったり、ネットワーク上に同じIPアドレスを持つGigEカメラが複数いると正しく動作しません。

ジャンボフレームの設定

GigEカメラで撮像される画像はサイズが大きすぎて画像を丸ごと一回の通信で送れません。例えば、500画素のGigEカメラの画像は一枚5MByte位です。そこで、GigEカメラは画像を分割し、複数のデータ(フレーム)に小分けしてパソコンに送ります。PCは受け取ったデータを連結して画像を復元します。

イーサネット一回の通信でやり取りされる標準のフレームは最大1.5KB位なのですが、このサイズだと1枚の画像が数千個のフレームに分割されることになり、PC側の受け取ったフレームの解析とデータの結合の処理回数が多くなってしまいます。結果、カメラからPCへの画像の転送に時間がかかります。そこで、標準よりもサイズの大きいフレーム(ジャンボフレーム)を使って画像の分割数を減らし、画像の転送時間の短縮を図ります。

ジャンボフレームの設定は、パソコンとGigEカメラの両方で必要です。

フレーム送信間隔

GigEカメラ側の設定で、GigEカメラからパソコンにデータを送る間隔になります。間隔を短くするとGigEカメラから素早く画像を受信できるのですが、早くしすぎるとパソコン側のデータ受信処理が追い付かず、データの受信漏れ・抜けが発生してしまいます。GigEカメラとパソコンの間のハブの有無、ケーブルの長さなどで最適なフレーム送信間隔が変わるので、できるだけ撮像時間を短くしたい場合はネットワーク構成に合わせた調整が必要になります。

Firewallの無効化

パソコンはUDPを使用して、GigEカメラの制御や画像の受信を行います。奥に新しいOSでは暗号化されていないUDP通信をFirewallで禁止している場合が多いので、UDP通信が行えるようパソコンのFirewallを無効に設定変更しておきましょう。

イーサネットフロー制御の有効化

GigEカメラをストリーミングモード(動画モード)で使用する場合は、パソコン側のイーサネットのフロー制御を有効にしておくと、撮像の一時停止、再開時の応答が早くなります。

受信バッファ数

パソコン側で受け取ったデータを一時的に格納しておく領域の数です。多ければ多いほど良いのですが、データ受信後の処理が遅いと結局処理が間に合わずバッファに入りきらないデータが消去されてしまいます。また、バッファを大きくするとそれだけパソコンのメモリを使用するので注意が必要です。

参考資料

設定方法をまとめている方がいるので、リンクを貼っておきますね。


最後まで読んでいただきありがとうございます。



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