清掃員が見た食品ロスの現状

『ブルーン……ボン……ボン』
  比喩でもなんでもなくこういう音がした。
  何事かと見てみると封を開けていないゼリーだった。回転板を回してごみを清掃車の中に詰めている際、ごみがあふれて落ちたのだった。バケット(清掃車のごみを溜める所)を見てみると箱ごと捨てられたゼリーの詰め合わせだった。


恐らくお中元で頂いたはいいが、食べないので捨ててしまおうというものだ。

賞味期限を見てみると一年以上。

見るからに高そうなゼリーは一度も封を開けられないままその生涯を終えようとしている。


もったいない。

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