【書評・感想】ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図
■ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図/リンダ グラットン (著), 池村 千秋 (翻訳)
■Amazonの商品説明から引用
*下流民か、自由民か。地球規模で人生は二極分化する*
2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?
ロンドン・ビジネススクールを中心とした、「働き方コンソーシアム」による、世界規模の研究が生々しく描き出す2025年のに働く人の日常。
「漫然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、
「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある。
どちらの人生になるかは、〈ワーク・シフト〉できるか否かにかかっている。
働き方が変わる! 〈5つのトレンド〉
●テクノロジーの発展
●グローバル化
●人口構成の変化と長寿化
●個人、家族、社会の変化
●エネルギーと環境問題
働き方を変える! 〈3つのシフト〉
●ゼネラリスト→連続スペシャリスト
●孤独な競争→みんなでイノベーション
●金儲けと消費→価値ある経験
「食えるだけの仕事」から意味を感じる仕事へ、
忙しいだけの仕事から価値ある経験としての仕事へ、
勝つための仕事からともに生きるための仕事へ。
覚悟を持って選べば、未来は変えられる。
■おすすめ度
★★★★☆
ライフシフトを読んでいたので基本的な考えは当然一緒でした。
どちらかでいうとライフシフトの方が広範囲で私は好きでした。
より、仕事・働くことについての内容が展開されていた印象です。
■読んだきっかけ
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)2016年発売を先に読み、知人がおすすめしていたこともあり、こちらも続けて読みました。(ワーク・シフトは2012年発売)
■内容まとめや感想
働き方が変わる「未来を形づくる5つの要因 32の要素」
冒頭に記載されていましたが、自分にとっての重要度を考えることは、自分を見つめ直すうえでいいフィルターになりそうだと思いました。
友人が自分自身の人生と、SDGsとの関連度・重要度をマッピングしていたのですが、それを見習い、SDGsと合わせてワーク・シフトで提唱されている32の要素もマッピングしてみたいと思いました。
企業でもZホールディングス(旧ヤフー)はIRで、SDGsの17の目標について「自社にとっての重要性」と「ステークホルダーにとっての重要性」を明示しています。とても分かりやすいですよね。
2019年度 第4四半期決算説明会資料から引用
専門性を磨き上げるうえで、中世の職人のシステムは未来の働き方を考える上で参考になると書いています。ポイントは下記です。
①場所:学ぶべき点のある人たちのそばに身を置く
②時間:テクノロジーが発展したとはいえある程度の時間が必要
③差別化:自分をうまく宣伝することの必要性
その際に、意識することとして
☓:専門技能の習熟をして狭い視野に陥る
↓
○:広い視野を保つ=そのために幅広いネットワークからアイデアや発想を得る必要がある
土地の選び方について も書かれているパートがあり、
下記を読んでみるとそりゃそうだよな。と思いますが、
なんの情報もない状態から、これを考えて居住地を選べるかと難しいなと言う点で個人的には参考になりました。
・知的興奮が味わえること
・自分の個性を育み、自分らしくいられること
・オープンで人と知り合えること
・誇りを抱けること(スポーツ・景色・偉大な先人など)
消費について も参考になりました。
お金と消費については、「限界費用低減の法則」が当てはまるが、
お金と消費以外については、当てはまらない。
限界費用低減の法則:あるものが増える量と、価値を感じる量が一定ではない、徐々に減ってしまうよ。という法則。
お金を例に取ると、BはAに比べて嬉しさが下がるということです。
A:給料20万円→21万円の嬉しさ
B:給料100万円→101万円の嬉しさ
そのため、お金と消費以外のものを追い求めると良いと書いていて、これは非常に納得感がありました。
例としては、新たな技能やネットワークで物質主義にならないことをオススメしていました。
一方で、「お金は消費のため」 以外に、「社会的な信用の尺度」にもなっているという指摘もありました。これは、クレジットカードとか、住宅ローンとかもそうだと思います。
a.他人との比較で地位を証明しようとしてしまう
↓
b.競争によって達成基準がどんどん高くなる
↓
c.お金と仕事の結びつきが強化される
↓
a.にループ ・・・
というサイクルに陥らないように気をつけねば!と改めて思いました。
「充実した経験のために働く」=幸せ でもOKなのです。
経験価値 >>> 消費 というように意識を変えたいと思いました。
仕事と職場は、あなたが生きがいを見つけられる場である可能性が高い。その場を生かすか殺すかは、あたなの勇気と未来感覚次第だ
第10章の最後の言葉に重みを感じる、それまでの内容でした。
■こんな人におすすめしたい
・将来に漠然とした不安がある方
・自分にあった働き方を模索している方
■あとがき
ライフ・シフトと合わせて、自分の人生を考える良いきっかけになりました。週末時間を取って、ゆっくり人生と向き合いたいと思う良い本でした。
おしまいです。それでは、また!
読んで頂きありがとうございます。 このnoteを読んで、少しでも何かを感じていただいたなら嬉しいです。