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精神疾患の『攻略不可能・無理ゲー感』はどこから来るのか

私は双極性障害Ⅱ型の当事者です。
この病とお付き合いして4年以上経ちますが、

『これ、いつゴールにたどり着くの?』
『攻略不可能じゃね?無理ゲーじゃね?』

と絶望に打ちのめされることが何度かありました。


という事で、今日は
○攻略無理ゲー感は何故わき起こるのか?
○もっっと楽に攻略できないのか!?

を考えてみました〜。

※精神疾患の中には
うつ病、双極障害、統合失調症、パニック障害、てんかんetc..
様々ありますので、
一括りに考えるのは大変大変野暮ですがご了承ください。


①HP残り1からスタート

まずプレイ開始時の心身はかなりシンドい。まさにHP1。
初っ端から動けなかったりする。

なのに、ほのぼの~でクリアできるゲームではない。
どこを探してもゲームのチュートリアルさえ用意されてないので、
最初は多くの人ががむしゃらに戦う羽目になる。

進むにはそれなりに課金が必要。時間も必要。

ダイナミックなバトルが多々展開されるが、
敵が強すぎて面白みもない。

は?無理ゲーだろ。ってなる。


②周回前提のゲーム

1回目の診療で病名はなかなか当たらない。
同様に1回目では薬もなかなか当たらない。
医者との相性も1回目からバッチリ!なんてことは少ない。
「このルートが駄目ならこっちか?こっちか?」
と周回を重ねてゴールに辿り着くことが前提のゲーム。

いや周回なんてマジでしたくないのよ。
こんなゲームさっさと全クリしてGEOに売り飛ばしたい。

③攻略サイトが存在しない

ほぼ全ての精神疾患で、(確実な)治療方法は未だ確立されていない。

医者も完璧な治療方法は持ち合わせていない。
もちろん患者もどうすれば治るのかは分からない。
つまり、自分自身で攻略方法を研究しなければならない。

えぇ・・・

※もちろん自分ひとりでなく、医師と相談しながら攻略探していきましょうね。

④他人の攻略方法はあてにならない

とにかく個人差が大きいのもこの病の特徴。
たとえ同じ病名でも、
原因も対処法も薬も個人差が大きい。

「お前攻略本持ってんじゃん!見せて!」
と見せてもらっても当てにならないことが多い。
(もちろん一部参考にはなるものの・・・)

「俺の場合は~」
「私の場合は~」
なんて皆で自己紹介をたくさんして終わってしまうことが多いのなんのって・・・
(それだけでも心は楽になったりするんだけどね)

最後の最後は自分だけの攻略本を作る必要がある。


こんなにも難易度てんこ盛りのゲームに、
ある日突然

『これから皆さんにはゲームをして頂きます・・・』

みたいに強制招待されるのだから、
そりゃあ辛い。

面白くないもんなー。このゲーム。
クリアしたら、100億円と、LAのタワマン永住権と、
理想ど真ん中の彼女と、可愛い猫をクリア報酬でほしいもんです。


■医者も攻略本作りを頑張っている最中

とはいえ、
もちろん数々の研究者が攻略本を作ろうと努力して下さっています。

ただ、精神系医学は未だ発展途中。


ドクターズプラザという医療雑誌にはこんな掲載もあります。

CTスキャンやMRIは、脳の微細な地図を明らかにし、フロイトが確信していたニューロンの異常を発見するはずでした。しかし、今のところニューロンの異常は発見されていません。また、神経伝達物質(ドパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなど)の異常があるという仮説も証明できていません。脳にアプローチする手段は劇的に進歩しましたが、分かったことはほんのわずかなことで、100億を超える脳細胞の神秘は閉ざされたままです。

(ドクターズプラザ2014年11月号掲載より一部抜粋)


僕たち患者は

「医者ならなんとかしてくれる・・・」

「カウンセラーなら・・・」

「臨床心理士なら・・・」

と、希望を抱き様々な専門機関に足を運びますが

専門家もこの未知の病に挑戦している真っ最中なんですね。。。

頑張れ!!!
医学界!!薬学界!!脳生理学界!!etc!!


■ゲーム4周目で見えてきた攻略方法?

四年間病気に向き合ってきた中で、
なんとか攻略方法も見えてきた気がしています。

治療(寛解に向けて)で、
特に特に特に大切なのは以下2点だと僕は痛感しています。
①医師との情報交換
②睡眠と栄養を整える


①医者との質の高い情報交換

一発で当たることはなかなか無いということを前提に、
医者とタッグを組んで根気強く探すしかありません。

僕たちに出来ることは、情報を出来る限り医者に渡すことです。

・なるべく多くの症状エピソードを話すこと
・薬による体調の変化を伝えること
・最近の生活リズムを伝えること


※僕は日記を見せながら話したりしていました
「先週こんな風に気分が落ち込んでいて・・・」
「先々週は日記すら書けない日が続いていて・・・」等

多くの医者は「最近調子はどうですか?」としか聞いてくれません。
「え、あぁ良くなった気がします」なんて答えがちですが、
なんとなくではなく
具体的に話すことが大事だと思っています。

心が弱ってると難しいんですけどね・・・

②生活習慣を整えてく特に睡眠と食事!

睡眠と食事
僕はこれを3年間、本当になめていました。
心も体の一部。
休養と栄養がなければ上手く動作するはずがないのに。。。

心(精神)は主に「脳」の働きで構成されている
とされていますよね。
※ココはまぁ色んな説がありますが。。。

脳は身体機能の一部であり、
もちろん「栄養素」がなければ上手く働きません。
正常機能のためには「睡眠」もとても重要です。

ここが整って、脳が正常に機能するという条件のもと、
それでもバグが発生している状態が「精神疾患」です。
※生活習慣が整えば治る症状もいくつか存在するようです。

なので、
まずは生活習慣を整えることが大事です。
本当の治療はそこからスタートだと僕は思っています。

※補足
・食事は「食べる時間」を整えることが特に大事。
・睡眠は無理せず少しずつ整えていくことが大事。
 (人体メカニズム上一気に変化させることは難しすぎます)


■どうせ周回するならデータを引き継ぎたい

僕は病気が発覚し4年以上経ってますが、
最初の3年は「なんとなく」治療してきました。

・医者とのコミュニケーションも「なんとなく」

・生活習慣も「なんとなく」

正直そんな「なんとなく」な向き合い方でも、
それなりに良くなりました。

一時的には。


でもやっぱり再発します(2周目の始まり)。
その時に、1周目がテキトー過ぎたために、
手元になんの情報もない中、再度スタートすることに。。
たった1つ『再発した』という絶望感だけプラスされていました。

引き継ぎデータがないと、
またゼロからスタートです。


少しでも引き継ぎデータ(どんな治療に臨んだかの記録)があれば、
2周目はもう少し楽に攻略できるようになったはず。。。
(ココ、超絶後悔してます)

(例)
・睡眠を整えたのに再発(2周目突入)
 →食事や薬、外的要因が再発要因?

・睡眠/食事/薬を整えたのに再発(2周目突入)
 →別の病気かも?外的要因かも?


闘病4年目を迎え、治療にようやく本気で臨み、

こんな効果検証を、実験のように何度も繰り返し、
ようやく4ページほどの僕オリジナル攻略本ができあがりました。
(大事なのは日々実践できるかどうかですが)

今後も恐らく加筆したり、逆に削除したり、
ver.1、ver.2・・3・・・と更新していくのでしょう。



不思議なもので、
3年間は再発するたびに『絶望感』しか感じませんでしたが、
4年目の今は再発すると『あーこのルート駄目だったかー』となんかゲームをしている感覚も徐々に芽生えてきました。

(もちろん、絶望感も引き続きあります)


無理ゲー感は確かにありますし、
今の人類の力/知恵ではすぐには消せないのでしょう。


でも


少しずつ少しずつ『オリジナル攻略本』を作り、
ゲームを攻略していくことは可能だと思っています。



医学界も、僕自身も
精神疾患の攻略本作り、頑張ろ。



おやすみなさいっ



あー早くGEOに売りたいーこのゲームやだー。
(本音を書かずにはいられない←)



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