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太陽のパスタ、豆のスープ

"ドリフターズ・リスト"

わたしも、休職が延びて通勤訓練をしていた頃、やりたいことリストを作った。

主人公の明日羽は、結婚式直前に婚約を破棄され、失意のどん底にいる時に、叔母から"ドリフターズ・リスト"を作ることを提案された。

それは、「漂流する者たちの指針になるリスト」だそう。

わたしが今年、やりたいことリストを書いたのも、明日羽ほどではないが問題を抱えていた頃だった。
それでもわたしはその時、やりたいことやほしいものが思い浮かぶなんて、ずいぶん元気になったなと感じていた。そしてこれからは、ここに書いた自分の望みを少しずつ叶えてあげようと決意した。

ある人は、明日羽のドリフターズリストを、不可能リストだと言った。だからやめたほうが良いと。
たしかに、自分には出来ないからこそ渇望することもあるだろう。本当にそうしたいなら、リストに加えなくても心に刻まれ、自然と自分を変えられるのかもしれない。

だけど、藁にもすがる漂流者なのだから、それでもいいと思う。まずは、不可能リストを作成してから、本当にやりたいことを考えていけばいい。そして、リストに書きたいと思い浮かばないものこそ、もしかしたら何もないと思っている自分が今しっかりと手にしているものなのかもしれない。

明日羽も、はじめはぼんやりとしていたリストを、幾度も見直してその度に自分の心と向き合って、自分を知っていく。
何かを失って、ほしい何かを考えて、今持っているものを見つけていく。

リストはあくまできっかけで、いつまでもしがみついているものではない。溺れかけのところから、なんとか這い上がれたのなら、手放してしまってもよいのだ。

そういえば、わたしはここのところやりたいことリストを見直したり、書き加えたりしていない。
だが、それでいいのだ。

進むべき道が見えない時に、ひたすらもがくためのリストであっていいのだ。

明日羽は、毎日のご飯や生活を大切に過ごしていくようになった。
出来そうにない大きな夢もいいけれど、毎日を着実に重ねていくことが、自分らしく生きるための第一歩なのかもしれない。

ひさしぶりに、わたしのやりたいことリストを見返してみようかな。

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