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高尾山が素晴らしすぎた!

10月10日、スポーツの日。
夫とふたりで東京都八王子市の高尾山へ行ってきました。

本当は別の山へ行くつもりでした。前夜は雨だったけれど、天気予報では朝には止んで、昼にかけて回復するとか。
でも思ったより雨が長引き、予定していたコースを歩くのはちょっと不安になりました。
夫からは「雨でも自然を楽しめるところがいいな。そこまで歩かなくてもいいけれど、最後は温泉に入りたい」とリクエスト。…もしや、本音はあまり歩きたくない⁈

それなら高尾山かな。
ケーブルカーで登って、お団子食べて、さる園を見て、薬王院にお参りして、リフトで下山して、蕎麦&温泉。もちろんビールも。
そんなゆるいプランも、たまにはいいか。だって高尾山だし。

…とまぁ、軽ーく考えながら向かったわけです。
良い山なのは分かっているんですよ。新宿駅から約1時間と交通の便が良く、自然もグルメもパワースポットも温泉も、「あったらいいな」がすべて揃っている。さすがミシュラン三つ星を獲った山です。
ただ、痒いところに手が届きすぎるというか…。便利で快適すぎてもつまらないんだよね。
難癖つけやがって、と言われそう(笑)

どんよりした曇り空。
京王線の高尾山口駅から歩いて数分で、ケーブルカーとリフト乗り場の清滝駅に到着です。

…お気付きでしょうか。
「清滝」駅ですからね、ちゃんと滝がありますよ。

清滝

広場の片隅に一条の滝が。
水量が少ないせいか、あまり誰も目を留めないけれど、涼しげな水音が響いています。
滝の神様、今日も一日、楽しく安全に過ごせますように。

雨ならケーブルカーで登るつもりでしたが、曇りだし、いちおう天気は回復へ向かう予報。それなら歩くか、と6号路へ。

高尾山にはいろんなコースがありますが、私は6号路を使うことが多いです。理由は、途中に滝があるし、沢沿いを歩けるから。といっても、滝も沢も大したことないけどね。
…と、思っていたのだけど。

雨のおかげで、水量マシマシじゃないか!

みずみずしい沢。しっとりとした森。
歩き始めて数分で、高尾山、こんなに良かったっけ? と大興奮。

琵琶滝

しばらく歩くと、薬王院の水行道場のひとつ、琵琶滝に到着です。

滝行しない者は、ここから先、立ち入り禁止。
神聖な場所だから仕方ない。でも食い入るように眺めてしまいます。滝行すれば近くまで行けるんだなと思いながら。

登るにつれ、霧が深くなり、森はどんどん幻想的になっていきます。

高尾山は、子どもたちが小さいときに何度か登りました。子連れだから、天候に気を付けて雨の日は中止し、訪れるのもハイシーズンが多かったです。こんなしっとりとした高尾山は初めて。

天候や水量で、雰囲気は変わるものですね。

つい晴れを望んでしまうけれど、曇りや小雨の山も素敵です。(滑りやすいので足元には注意!)

沢から離れて、地味に長い階段を登ると、まもなく山頂です。

高尾山の大見晴台にて。…まっしろ。なにも見えない。
さすがにここは、晴れた日のほうがいいですね。

とはいえ、さすが高尾山。こんな天候なのに、山頂は人がいっぱいでした。休憩したそうな夫を「この先に美味しい茶屋があるよ」と連れ出します。

山頂から西へ向かうと、奥高尾と呼ばれるエリアになるそうです。山頂は人がいっぱいでしたが、奥高尾へ入ると、ぐっと少なくなりました。

歩いて10分もしないうちに、もみじ台の細田屋さんに到着。

とりあえず、おつかれさまのビールと、とろろ蕎麦。
ここのとろろはもっちりしていて、汁と一緒にしても混ざらない。そこが私は好き。箸でつまみながらいただきます。

ときどき雨がパラパラと落ちるものの、樹々の葉っぱが傘がわりとなってくれました。思った以上に満足感のあるハイキングで気分があがり、「もう少し歩いてみない?」と夫をそそのかします。

とりあえず、もみじ台から城山(小仏城山)まで歩くことに。
道中、雨が降ったり、日が差したり。そろそろ天気が回復してもいい頃だけど。

水滴をまとう蜘蛛の巣。美しくて、つい足が止まってしまいます。

そして城山に到着。ここにも茶屋があって、巨大なかき氷が有名です。一度、食べてみたいと思っていました。でも、かき氷の美味しい季節は、暑くてここまで歩きたくない。
ならば今日? でも、この天気で⁇

けっきょく頼んでしまった。
かき氷がメガ盛りすぎて、夫が頼んだお汁粉のお椀が小さく見えてしまいます。
この日の気温は17℃だったか、15℃だったか。私は気にしていなかったけれど、まわりの方々が柱にかけてある温度計を見て教えてくれました。

シロップと練乳とあずきをかけていただきます。ふわふわの氷が口の中でサッと溶けて、美味しいわー。意外とペロリと食べられました。さすがに最後は身体が冷えたけど(笑)

まだ時間に余裕があるし、このまま景信山(かげのぶやま)まで行っちゃおう、と一方的に告げます。おそらく夫は「今日はゆるいプランじゃなかったのか?」と心の中で思ったことでしょう。

太陽の光が強くなってきた。いよいよお天気回復か⁉︎

ようやく青空が広がり、日が差し込んできました。

光を受けて、樹々の葉っぱが輝きはじめます。霧けぶる山も素敵だけど、日が差し込む山も本当に素敵。
晴れたねー、良かったねー、とうきうきしながら景信山に着いたら。
絶景に、言葉を失いました。

雲海!!!!
流れていく雲の海に、ただ目を瞠るばかり。
ハイカーさんも、みな足を止めて見入っていました。

「高尾山にして良かった」と思わず呟く。まさか、こんな絶景を見せてくれるなんて。
さすがミシュラン三つ星、やってくれますね。

景信山から下山します。山を降りたら、ふもとの寶珠寺というお寺へ。

境内には入りません。山から小仏川に注ぐ沢沿いに、滝があります。

不動滝。
落差はたぶん5、6mくらい。小さな滝だけど、奥行きがあり、深山幽谷の趣きがありました。
ところで、私が持っている山地図には宝生滝とも書いてあるのですが、どっちが正解? それとも奥にもう一本あるのかな⁇

寶珠寺の近くの小仏バス停に着いたら、ちょうどバスが出発してしまいました。

夫「(道路案内標識を見ながら)ここから高尾山口駅まで5キロなんだ…」
私「うん! 歩いて1時間くらいかな♪」
夫「…バスもまぁまぁ本数があるんだね」←土日祝は、平日より本数が多い。
私「ここで待ってるのもナンだしさ、途中まで歩いて、バスが来たら乗ってもいいよね♪」
夫「…そうだね」

この時点で、おそらく夫はバスを諦めたことでしょう。

ここからは小仏川に沿って歩いていきます。

このあたりは、高尾山が持つ水の豊かさを感じられる場所でした。一方、すぐそばを中央自動車道や圏央道が走り、トンネルが山を貫く様に心が痛む場所でもありました。
私自身、流通に支えられて生活しているので、安易に「自然を壊すな!」なんて言えない。でも、自然が与えてくれる癒しや心地よさを、当たり前のように享受するだけでいいのか。
せめて、痛みを感じながら謙虚に楽しみたい、そう思います。

美しい渓流のすぐとなりは、住宅地。そのアンバランスさが気にならないくらい、どちらも普通に存在していました。
街のとなりに自然がある。高尾山のすごさを感じます。

そして高尾山口駅に到着。
隈研吾のデザインだそうです。明るいときに見てもカッコいいけれど、夜はいっそう洗練されて見えます。

夫のリクエストに応えて、駅直結の温泉へ。

最後はビールで乾杯!

高尾山、さすがミシュラン三つ星の素晴らしい山でした。
新宿から約1時間と都心から近いのに、ゆるいプランから、もう少し歩きたいプランまで、なんならもっと遠くの山からの縦走だってできる。痒いところに手が届きすぎてつまらないと思っていましたが、好みや目的に合わせて、気軽に楽しむことも、しっかり山歩きを楽しむこともできる。高尾山、素晴らしすぎ!

高尾山の山地図を見ていると、周辺も含めて本当にいろんなコースがあります。
妄想登山をしたり、実際にコースを考えたり、楽しみは尽きません。

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