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移ろう時

時というものは、雄大な宇宙の時の中、宇宙の中にあるそれぞれの物質、生き物にも誕生した時からまた、それぞれの時が生まれます。
万物には栄枯盛衰があり、誕生から盛んな時を経て、衰え、死んでゆくという流れがあります。
算命学ではこの流れを十二種の時に表しています。
元になっているのは陰陽五行説ですが、おもしろいのはこの十二種の時は胎児・赤子・幼年・少年・青年・壮年・頭領・老年・病・死という人の通常の流れに加えてお墓に入る時とあの世の世界もあるのです。
亡くなったらすぐあの世に行くのではなく、お墓に入るのも一苦労というか、亡くなってからお墓に入り、あの世に旅立つまでも一つの時として考えられているのです。
植物も枯れて土に帰るまでに一定の時がありますが、物質としてまったく無い状態になるまでに一定の時間がかかるということを、昔の人は身近に感じていたのかもしれません。
そしてこの流れのムードというものが、この世には多数入り混じっています。
大きくは、この宇宙の誕生から現在に至るまでの流れ、そして星や自然界の流れがあります。細かく言えば、毎日様々な物が生み出され、消滅しています。
人はもちろん、胎児から赤子になり、幼少期を過ごし……と、この順番で生きていくのですが、壮年期に赤子のムードを持つ人や、老年期に少年のムードを持つ人など、ひとりの人の中にも、実際に経過する時間とは別に、流れるムードとしての時があるのです。
社会というものも、人が作り出したものですが、社会にも誕生したばかりの時のムード、壮年期のムードなどの時があります。
社会や自分が実際の時と共に、どのような時のムードを持っているのかを算命学では知ることができます。
実際に流れている時と同じムードを持っていれば、気にせず過ごせるかもしれませんし、壮年期の働き盛りに赤子のムードでいる人は周りに気苦労があるかもしれません。
実際はおばあさんの年齢なのに、子どものムードでいたら、もうちょっと年相応にしようと反省することもあるかもしれませんが、子どもの持つ好奇心旺盛に学び取る気持ちのエネルギーを発揮すれば、老人としてのたしなみもできるはずです。
何か物事を始めれば、時は始まり、やがて終了します。
様々な始まりと終わりの中に人は生き、外から、自分の中から、その始まりと終わりの気を受けているのです。
世の中は時というものが移ろう中で、複雑に作用していることを算命学は教えてくれます。

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