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フリースペースSORA

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「フリースペースSORA」は、不登校の子どもたちのための居場所づくりを目的に、山形市で2001~03年にかけて活動していたボランティア・グループです。こちらは、その実践のなかで紡… もっと読む
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#心理学化

「わかりやすさ」ということの陥穽。

前回のテーマとも関連するが、私は、フリースペース(あるいは不登校)について語るための言葉が、「こころ」をめぐる語彙やロジック(心の病や歪みを治しましょう)のみに覆い尽くされてしまうことに危惧を覚えている。そうした画一的な語りは、私たちが自身の属する社会システムについて思考するための、貴重な機会や動機を損ねてしまうのではないかと思うためだ。不登校「問題」を、個人の内面=「こころ」の問題としてのみ枠づけるのではなく、私たち自身が幸福に生きるための学校づくり/社会づくりへのヒントと

フリースペースは「こころの専門機関」であるか?

フリースペースを運営していると、さまざまな場面で、不登校「問題」に取り組んでおられる学校の先生方やカウンリングなど「こころの問題」にたずさわっておられる方々と話す機会がある。他者とコミュニケートしたり対話したりすると、図らずもお互いがそれぞれ無意識の内に前提にしてしまっているような価値規範なんかに気付けたりするものだから、私自身はそういう場面が大好き(萌えー)である。そこで一つ、私が気付いたフリースペースSORAの前提について、今回は記述してみたいと思う。 SORAは、「不