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【流産】危機的夫婦に赤ちゃんが教えてくれたこと

(この記事は、同じ経験で苦しんでいる方や、そのパートナーの方、ご家族の方、そして過去の自分のことを思いながら書いています。何かひとつでも参考になる所があれば嬉しいです)

前回(初回)の記事です。
ご興味があれば、目を通して頂けたらうれしいです。

この中で、
全てがマイナスの経験だったとも言えないと思っている自分がいます」
と書いたことについて、今日は書いてみたいと思います。
流産はとても悲しいことで、何によっても代償することはできません。
一方で、悲しい出来事の後でも私にとって残ったものはある、という話をしたいと思っています(書き方が難しいです…嫌な思いをさせたら、ごめんなさい)。


私たち夫婦が抱えていた問題

実は、妊娠そして流産する前、夫婦関係がかなりギスギスしていました。

基本的には、短所も含めておたがい理解しながら共同生活を送っている(いた)のですが、不妊治療が心身に与える影響って、すごく、すごーく大きくて。

夫は口下手なので、私が治療の話をしても、「そっかー(このあと何か考えているらしいけどなかなか出てこないから、何も考えていないように見えてしまう)」だけのことが多いと感じていました。

つい、

「え、それだけ?なんでわかってくれないの」
「私ばっかり辛い思いをしている」

と、勝手に思い込んでしまうんです。

もっと何か心が和らぐことを言ってほしかったのに…夫の言葉の続きをゆっくり待てればよかったのだけど、そんな余裕もなくイライラして、せっついて、怒ってしまう。
夫はすねてしまう。

そうやってどんどんコミュニケーションがうまく取れなくなっていきました。
うちの場合は、不妊治療が二人の関係自体に強い打撃を与えてきたように思います。


結婚生活がつらいと感じることも


今思うと、不妊治療にまつわるすべてのことが不安だったからだと思うのですが、こう書くと危機的な状態ですよね。

よく夫を責めてしまったり、そんな自分に自己嫌悪感を持ったりして、不妊治療どころか我々が夫婦である現実についてまで悩んでしまうことがよくありました。

「こんな私たちで、子どもを持って大丈夫なのかな?」
「子どもがほしいのかわからなくなってきた」

不妊治療をしていて、私の頭の中にはずっとこの思いがありました。


妊娠と流産を経て残った、何かよいもの


冒頭の話に戻ると…

夫が、
妊娠がわかった時、すごく喜んでくれたこと。

食べづわりの私にいつも作ってくれた小さいおにぎりが、とてもおいしかったこと。

流産宣告後、別室に案内されて私が号泣していた時、私の手をずっと握っていてくれたたこと。

手術が終わって「何も希望がなくなってしまった」って言った私に、「あるよ。みち(私)がいる」って力強く言ってくれたこと。

気分転換のために、たくさんドライブに連れて行ってくれたこと。


それは私にとって、赤ちゃんが亡くなったことを思うときに必ずついてくる、あたたかい思い出なのです。

夫だって出産をすごく楽しみにしていたし、その分傷ついて悲しんだし、何より私の体を気遣って支えようとしてくれていました。
やっぱり、いえ、思っていたよりずっと優しくて頼もしい人でした。


妊娠と流産の経験で残った、何かよいこと。
それは、「どっちにしろ、私はこの人とならずっと一緒に生きていける」と、本当の意味で自分たちを信じ、安心できるようになったこと。それに尽きると思います(今までは何だったのか)。

二人で妊娠・つわり・流産…という経験のなかで、一緒に喜んで悲しんで、支え合って、ともに過ごすことができたから、今やっとこう思えるようになったのかもしれません。

本当につらいことだったけど、今も涙が出るけれど。
なかよくしてよ、ふたりだけのかぞくなんだよって、赤ちゃんが教えてくれたことなのでしょうね。


(つづきはこちらです)


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