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シャニマスの話 『ミュージックドーン』と『流れ星が消えるまでのジャーニー』を見た

ちゃんとした記事にできる自信がないので短文投稿。

◆ミュージックドーン

ミュージックドーン見ました。

声優さんによるライブというのはこないだのアイマスライブの無償公開が初めての体験だったが、オンタイムでお金を払ってみるのは今回が初であった。

共通して思ったことがある。

それは、演者さんがただ歌うだけのライブとは異なり、そこに「キャラクターを演じる」、ひいては観客が「キャラクターの実在を感じられる」要素が入っているということだ。それによって、通常の音楽ライブと異なる、演劇的な魅力を感じられたように思う。

ここにおける演技はただ「キャラの声で歌っている」だけの話ではない。

演者さんはステージに立っている間ずっとそのキャラクターを演じ続けているわけではないし、キャラクターに寄せない歌い方をされる方もいる。

しかしそれでも、ステージで歌っている彼女らを見ていると、ふとした瞬間に、キャラクターの実在を感じさせるようなものがあるのだ。それは表情であるとか、振る舞いであるとか、ステージ上の演出であるとか、様々な要因が組み合わさって表出しているものだと思う。ライブに関与する様々な人々がそうした体験を作ろうと努力した結果が、画面上に立ち現れているのだ。

とくに今回は、欠席された演者さんのキャラクターがセリフを話すというシーンがあった。キャラクターがライブを欠席するときどういうことを言うのだろう、というところまで結びつけた演出だ。これが演者さんとキャラクターの奇妙な同調を活かしたキャラクターの語り直しというか、ライブという場以外では為し得ない、キャラクターの魅力や彼女らの物語を体験させるやり方で、とてつもなく貴重な体験をしてしまったな、と思った。

ドローンカメラや各種演出、演者さんの振る舞いももちろんすごかったのだけど、あの場にしか存在し得ない表現技法として、前述したそれがあった。感動した。泣いたりはしなかったけど、相当ニヤついていたと思う。

ライブを伴うキャラクターコンテンツの妙味を強く味わえるイベントです。アーカイブは今週中見れるみたいなので、もし見てない方がいれば是非。

◆流れ星が消えるまでのジャーニー

よかったです。

全体的に表現が繊細で圧倒されました。カットアップ的な演出技法に相変わらず冒険を感じさせる。イベント開始時の表示テキストを見返すとこれも重大だし。シャニを遊んでるとそうしたテクニカルな面がどうしても気になるのですが、そもそも文章の地力がものすごい。今回は特に、情感を表現する際の日常の切り取り方、その描き方が美しく、はっとするような表現がたくさんある。

かつては同じ夜を過ごし、同じ夢を見ていた、さて今はどうなんだろう? 好きなものはなんですか?

好きなものが違うとか、ふたりの役割が違うとか、そういう違いはあるけれど、やっぱり2人はよく似てるし、それを是としている。ふたごであることを、嬉しく思っている……これは陳腐な言葉かもしれませんが、2人がどう変わっても、お互いを想う気持ちは変わらないし、それは続いていくのだなと思いました。

これはオタクの深読みですが、流れ星を見つけてほんの1秒、そうでなくても、ふとした時のほんの1秒、2人の距離がやがて物理的に離れていくことを考えることもあるのかな……とも思いました。薄桃色やGRADで各々の自立が改めて描かれたからこそ、2人の絆を描き直すお話がしみる。

2人の絆、とか、2人でひとつ、とか、テーマに直すときっとありふれたものなのだけど、それを2人にしかない体験として、しかし読み手に共感できるように描く繊細さがあって、そこが特に素晴らしいなと思います。筆箱を開いたときのにおい、とか。

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